DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

対イラン政策、不支持49%:米世論調査

2019-05-23 04:59:50 | アジア情勢複雑怪奇

イランとアメリカの間で激しい言葉の応酬と、意味不明な米軍の戦力の投影っつか見せびらかしが続く昨今、アメリカの世論調査では、49%が現在のトランプ政権の対応に否定的である由。

といった回答を、戦争は不可避?とか、数年以内に開戦を、みたいなワードチョイスで書いてしまうところが、現在のリベラルが異常なタカ派であることの証明みたいなもの。

戦争は不可避? 米世論調査で半数が「イランと数年以内に開戦」

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/05/post-12172.php

 

抜き書きするとこんな結果。

  • トランプ米大統領の対イラン政策については、支持しないが49%、強く反対が31%。支持するは39%
  • 米国はイランに先制攻撃をすべきでないと60%が回答。先制攻撃すべきだと回答した人は12%にとどまった。
  • 数年以内にイランと開戦すると予想した人は51%で、昨年6月の同様の調査から8%ポイント上昇
2番目の、先制攻撃をすべきでないが60%というのが安心できる回答というべきでしょうか。先制攻撃すべき12%はシオニスト団体だろうか(笑)。
 
 
で、そんな中、American Concervativeというパット・ブキャナンが主筆のポータルサイトを開けたら、
Impeachment Should Be on the Table If Trump Bombs Iran
 
トランプがイランを爆撃したら、弾劾を検討すべき
 
という記事が目についた。反ネオコンの保守派はついにここまで言うかって感じ。

https://www.theamericanconservative.com/

 

 

この団体は共和党度100%で、たまに軍やCIAのオフィサーだった人などプロの人が書いてることがある。National Interestなんかの昔から雑誌として有名だったところが軒並みシンクタンクの発表会みたいになってしまった今となっては、唯一残った、読んで価値のある記事があることもあるセミ主流のサイトかも。(だから、ユダヤ系批判みたいなことには相当に慎重で、それが故に、このテーマをタブー視しては何もならないと離れた人々が、Unzレビューなどのかなりなんでもありの右派ポータルに流れた)

で、ここらへんと軍のリアリストが共和党内の現在の戦争だらけ状態を辞めさせるべきという強い意志を持っている人がいるところ、と私は観察してる。

 

イランに戻って、いやだって軍事的に衝突したら両方に被害大すぎでしょう、とかいって、だからそんなのない、という人がネット上に散見できるけど、いやしかし、現実にイラクはぶち壊したわけだし、ネオコンが高らかに破壊を予告した7つの国のうち残っているのはシリア、イラン、レバノン。このうちシリアは危ういところを生き延びたが大被害を負ってる。

しかしイランはマジでスケールが違う。が、しかし、それだからこそ得られるものも大きいと考えないネオコンさんか、というと自信が持てない、というのが多くの人の率直なところでしょう。

イランを混乱させてレジームチェンジをさせたら、中露主導のユーラシア統合にも悪影響が出るわけだから、それが故に、今度はリベラルなどを含めて、あるいは日本や欧州を含めて大戦争にしたいとの考えもあるでしょう。

当然、それらの国の石油輸入などにも影響が出るし、実にまったく大変な戦争になる恐れは巨大なのだが、そんなことを気にするネオコンさんなのか、イスラエルさんなのかというと、はなはだ心もとない。

 

といった中、他方のイランPress TVの方は、中国も、ロシア、フランス、ドイツもJCPOA(いわゆるイランディール)の継続こそ必要だ、という方向で行っている。

 

 

イランディールの問題は、アメリカが勝手に自分でも締結していた条約をぶっちぎったんだから、他の契約当事者が履行を求めるのは当然。

しかしながら、問題は実はヨーロッパというところもある。口先は、こうやって、イランに問い詰められたり、ロシアに確認されるたびに、ええ、私たちは履行すべきだと思っててよ、とヨーロッパ各国はいうのだが、アメリカが制裁をちらつかせて、全員イランと取引するな!!と厳命すると、しゅるしゅるしゅる~と小さくなっちゃう。これでは、現実に契約は履行されていないではないかとイランが問い詰めるのももっともな状態。

ヨーロッパの一部は、もしイランにレジームチェンジがあって、もっとハンドルしやすい政権ができたらそれはいいな、という欲が自分にもあるから様子見しているところもある。

最近の発言では、ラブロフ外相は、こうなったのはアメリカ合衆国が国連決議に関連して決定した約束を無責任にも放棄したせいだ、と言明。イランは条約を履行しているとの評価。

また、プーチンは21日に、メルケル、マクロンと電話会談を行い、その中でもイランディールは履行せらるるべき、と確認してる。

Discussing developments related to the Joint Comprehensive Plan of Action on the Iranian nuclear programme, the leaders noted the importance of preserving this agreement that is a key factor in maintaining international stability and security. They confirmed the commitment of Russia, France and Germany to continuing mutually beneficial trade and economic cooperation with Iran.

http://en.kremlin.ru/events/president/news/60558

 

確認したら、お前だったらイランと取引しろよ、と言わるんだろうが、それがどこまでできるのかが問題。

今後の予想されるところとしては、中露がひっぱってヨーロッパを脱落させないようにして、トランプ政権のやってることは無謀だという線で一致していくこと、ぐらいしかないでしょうね。

 

そもそも、イランとの取引を全部やめさせるというアメリカの目論見は、最初っから、そりゃダメだろう、とみんな思ってる。まずチャイナが動かない。そして、イランと陸続きのトルコもイランから安価に手に入れてる石油を手放すいわれはない。インドも同様。ただ、そうはいっても短期的には輸出量の激減はあり得るわけで、そうなった場合そうでなくてもインフレが大変なイラン国内は大変になるだろうとは思う。

ここでネオコンさんたちは、そうなったらイラン国内の不満分子を使ってレジームを、という話に希望を持つのだろうが、現状では、イラン国内のタカ派がある意味大喜び状態だったりもするのでそれは空しいだろうと言われている。タカ派の中でも大きいのが革命防衛隊あたり。

イランはなんせ長いこと戦争準備状態をしている国なので、こういう組織が経済活動にも大きな影響を持っているんだそうだ。そこで、一説によれば、イラン・ディールで国外との取引を大きくしていって、革命防衛隊あたりの利権を崩して経済改革をしたいというのが現在のローハニ大統領あたりの、西欧と関係の悪くない人たちの思惑だったのに、トランプがひっくり返したために、これが全然機能せず、「ほ~れみたことか」派が強くなっているらしい。

ということは、多分、総合して考えると、西側が一生懸命言っているインフレ率2桁で、というのも額面通りにはいかないのだろう。つまり、イランの現状は40年間対米戦争を想定した結果として、多層的巨大グレーエコノミーなんでしょう。陸続きの国との決済なども複合的で、多分、人の繋がりによる、みたいになってると想像するな。したがって、どんな影響になっているのか外からは図れない(外が考えるほど影響してない、ともいう)。

ちなみに、制裁が続くと軍がからむグレーエコノミー&汚職が増大する、というのは説得力のある話らしい。というのは、制裁されたといっても必要物資というのはあるわけで、それを買おうとすると内緒でないとならない。内緒が守られるコミュニティーは限られる。軍とか諜報。するとそこに権限が集まって、それが要するに汚職の温床となっていく、という流れ。

 

ということで、ネオコン、イスラエルとかの無責任プレーヤーが狂うというリスクがないことを祈る。

 


 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« オーストリア連立崩壊、ハン... | トップ | 華為問題:英アーム取引停止... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アジア情勢複雑怪奇」カテゴリの最新記事