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氷山の一角:欧州議員の1/3はソロス財団のひも付き

2017-11-12 10:35:45 | 欧州情勢複雑怪奇

先週出て来たニュースなので今更ではあるけど、ソロスのオープン・ソサイアティ財団が資金を提供している欧州議会の議員のリストが出て来た。

出て来たというか関係者の団体で、この議員さんたちは私たちの仲間です、みたいにして作られていた資料のようだ。その名も 

Reliable allies in the European Parliament(欧州議会の信頼できる協力者

https://legacy.gscdn.nl/archives/images/soroskooptbrussel.pdf

で、その総数は、欧州議会の約1/3にあたる226名ほどだそうだ。

議員さんたちの日頃の傾向からわかるのは、新自由主義的だったり、強烈な反ロシアだったりといったところらしい。まぁそうでしょう。

The Myth of European Democracy: A Shocking Revelation

https://www.strategic-culture.org/news/2017/11/05/myth-european-democracy-shocking-revelation.html

 

これを、なんだ1/3と思うのは間違い。官民合わせて数限りないファンドが存在するから。そして、議員だけでなく、シンクタンク、アカデミズムはそれらの美しい名前を持ったファンドによって運営されているし、各大学の先生たちのプログラムもそれらシンクタンクやらファンドと連動することが多い。

 

でね、なんというか、既に確定した事実って感じだけど、現在のいわゆる西側社会の問題点は、議員、司法、行政、アカデミズム、ジャーナリスト、著作者たちの多くが誰のために働いているのかまったく不明なことでしょう。

アメリカ方面も、軍産のための、イスラエルのための、大西洋主義者のための議員や行政官が多数いることは今日秘密でもなんでもない。ジョン・マケインなんて、明らかにテロリストのお友だちだし、各国の破壊を推進している人だが、誰も彼を処罰できないわけですよ。

要するに、金でしょ。金をくれる人になびいてしまうのは人情としてはわかるが、ここまでグランドスケールになるともはや処置なしって感じはひとしお。

この間、Philip Giraldiという元CIAのカウンターテロリズムの専門家だった人が、記事に凄いタイトルを付けていたが、まさに事態はこれでしょう。

ワシントンの素晴らしい汚職世界

ワシントンの高官は誰にでも何でも売り渡す

Washington's Wonderful World of Corruption
Top officials sell out to anyone for anything

http://www.unz.com/pgiraldi/washingtons-wonderful-world-of-corruption/

このタイトルだけ見ると、右派が、売国奴が~とか騒ぐ話みたいにも見えるけど、この人は反ネオコンのリアリスト系の人で、パット・ブキャナンと同じグループにいた人でThe American Conservativeに創設時から書いていた。が、最近、ある種の一線を超えて、ネオコンというより要するにこれらのユダヤ人のグループだろうと政策や意思決定にかかわる人々の名前を挙げて、このへんが問題なんだという記事を書いが、The American Conservativeはその記事を載せないと判断する。しかしそれでやめないで、それを心底がっかりしたとその顛末を書いてアップしてunz.comに載せた。もちろん、反ユダヤだとCNNあたりから攻撃された。

 

にもかかわらず、欧州とアメリカと日本という要するに the Westというところは、美しい民主的世界で、反射的に、ロシアと中国は独裁者の世界で、汚職にまみれているのはもっぱら中露なんでしょ。大笑いでしょう、もう。単純にいってスケールが違うし、やってることの悪質さのスケールも違う。

最低でも、中露には、各国をカツアゲしながらミサイル防衛網を売りまくって、売るために小戦争できないかな、などと考えるようなメカニズムは存在しない。

また、いい加減な事件を作って、それをもとに世界中を巻き込んで制裁合戦をして、なんのことはない、アメリカの資源系と軍事産業系の優位なディールを保証する、などというメカニズムも存在しない。(ロシアの資源系、軍事系の人たちを悪者認定して、そこと取引するのは禁止だと支配下の国に強制する。最近のターゲットはインド軍の装備をアメリカ製にすることと、ヨーロッパの天然ガスをアメリカ支配下のものにしたい)

偽の核疑惑を作って、SWIFTから追放してスタンダードな金融取引を不可能にすることで、国民経済を追い詰め、不幸な人間を大量に製造することからその国の一般人の不満を枕にカラー革命をする、などというメカニズムも、中露にもイランにも存在しない。

 

西側の諸国民というのは、ごく内輪の会合においては民主的で多様性を重んじ、誰にでもやさしい人々なのかもしれないが、自らが稼いだ金によって賄われたその代表者(すなわち政府)は、対外的に民主的でもなければ自由な取引をしようとしているのでもない。結果的に、私たちは、詐欺OK、人殺しOKの政策を顧みることすらできず、自らの名において実行されている単なる侵略戦を止めさせることもできない。

もう、滅茶苦茶なのが西側世界なんだが、ジャーナリズムとアカデミズムが言論を支配し、人々は自分たちは正しく正直で民主的でクリーンだが、そうでない世界が勃興しているので現在大変なのだ、みたいな話をうのみにしてる。ほとんど白昼夢でしょう。それどころか、それらの勃興する世界が攻めてくるといった妄想すら振りまかれ、それを信じて、遥か上空を通る人工衛星すら超えるロケットを撃ち落とさない限り安寧は得られないといったところまで頭がいかれている人すら出てくる始末。

 

前にも書いたけど、ロシア、中国、イランの人々は、誰がリーダーで、リーダーの回りの人が誰で、どんな問題があるのかがある程度わかるだけ、民衆と共にリーダーが存在するというだけデモクラシー的。王様もいないから、見えない支配層というのは最低でも建前として存在しない。巨大なグローバル宗教界による侵入の影響も限定的(ロシアはその防止策として正教会をあえて再度支援した)。

もちろん、影でロスチャイルドさんだのウォーバーグさんだのその派生の人々と対話する、交渉する、食われちゃってる、エージェントになってる人(というかファミリー)たちは存在するでしょう。しかしその侵入を完全に防止することはまずできないし、場合によっては経済発展に寄与することを優先して対話しないとならないかもしれない。だから、最終的に問題となるのは重要案件について決定する機関とその執行者が、簡単に外国の利益のために動かないようになっていること、でしょう。

ということで、一度もオープンな選挙を通じたいわゆる議会制民主主義にしてこなかった中国を褒めたくはないのだが、外からの過剰な干渉のある中にあってはこんな感じでいくよりなかったんだろうなとは思う。

全土の代議員の中を生き延びてリーダーになるまでは長い時間がかかり、その間に手腕を国民に評価されていると考えれば(その過程でダメな奴は落ちる)、メディアが素晴らしいと認定した候補が落下傘よろしく一夜のうちに巨大な都市のリーダーとなったり、大統領になったりする仕組みより遥かに人々の中にある仕組みだと言える。

ロシアは様々な欠点があったとしても、現在のところはリーダー層、知識人層の政治的偏差値(というより歴史観に基づく世界理解)が高いことで救われてる。しかしこんな国はそうはない。

 

とまぁ、バーッと脈絡なく書いてしまったけど、私たち西側なる世界に拘束されている人たちはかなり深刻な認識上の危機に瀕しているという話だと思うな。なんか、ネオコンやらサウジ、イスラエルとかが弱くなったら何かが解決すると思っている人が結構いるように見えるけど、それは見える一部であって、この柱が折れるとどうなるのかといえばもっと大変な変化になるんじゃないっすかね。今現在かかっているステークは、メディア・アカデミズムを場として、要するに歴史認識なのではなかろうかと思う。そして、そこから各国がどういう立ち位置なのかを自分で考えるしかないってな話になるんでしょう。

国内に目を転ずると、安倍ちゃんだけが悪いような、安倍ちゃんがいなくなったら何か好ましい事態が訪れるかのように思っている人が結構いるように見えるけど、それも違うでしょう。

じゃあどうすればいいのか、とすぐに言い出すことすらできない、足元を確かめるしかないような時代って感じ。

いずれにしても、あんまりしょげたり、怒ったり、適当な悪者をみつけて嘆いたりしないで、何がどうなっているのかを理解しようとする傾向のある人間をどれだけ増やせるかが将来の私たちのためになることだけは間違いないと思う。


 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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はっとしました (蔵権)
2017-11-13 12:04:59
いつも勉強になります。世の中の仕組みはそうそう簡単に変わるもんじゃ有りませんし、例え新しい世界の秩序が誕生したとしても、今までより良くなる、とは限りませんよね。

>なんか、ネオコンやらサウジ、イスラエルとかが弱くなったら何かが解決する

まー奴等を押さえこんだことによって少なくとも数十万人が死ぬような大戦争の1つか2つは減らせたと思うので、解決はしてないけど、最悪の事態を避けられたという事でいいじゃないですか。全ての抵抗勢力を駆逐するほどネオコンが強かったらウクライナかシリアを口火にして核戦争が起きていても不思議じゃなかった。

管理人さんもそう思ってるでしょ?
返信する
又貴記事引用させて頂きました。ご了承ください (和久希世)
2017-11-13 20:37:47
いつも勉強させて頂いています。

この記事もいちいち、将にと感じながら読ませていただきました。
返信する

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