今日はトルコで、イスラム協力機構の会議が開かれる。
何が出てくるのかわからないけど、トルコのエルドアン大統領は、トランプのエルサレムをイスラエルの首都とすると決意しました宣言に対して、大声で抗していた首脳の一人。他には、言うまでもなくイランが顕著。
■ 状況確認
ちょっと状況確認をすると、
- 11/29パレスチナ連帯の日。ロシア立場説明。1967年に始まったイスラエルによるアラブ諸国の土地の占領の終結と、東エルサレムに首都を持つ独立したパレスチナ国の創設
ケリー「イスラエルがイラン空爆しろと言った」&パレスチナ連帯の日
- アッバスはプーチンに会い、パレスチナとイスラエルの速やかな直接会談を実現するようロシアはサポートすると確認
- 12月7日 トランプの発言
- アッバスのトランプのエルサレムに関する決定へのリアクションは、この決定がキャンセルされるまで会わない
Palestine Not to Hold Talks With US Until Trump's Decision Cancelled - Envoy
https://sputniknews.com/middleeast/201712081059826339-palestine-talks-us-trump-jerusalem/
- 11日、ロシアのプーチン、シリア、エジプト、トルコ訪問。
ロシア・トルコ首脳が米非難 エルサレム首都認定
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24519640S7A211C1MM0000/
- 11日、アッバス、エジプト、トルコ訪問。この訪問で、アッバスは、米国副大統領ペンスに会わないという選択をした。
Palestinian leader Abbas in Cairo, Istanbul to rally region over Jerusalem
https://www.reuters.com/article/us-usa-trump-israel-abbas/palestinian-leader-abbas-in-cairo-istanbul-to-rally-region-over-jerusalem-idUSKBN1E511N
- 12日、ハマス、第3次インティファーダ宣言
- 13日、トルコで、イスラム協力機構が臨時首脳会議。ロシアも参加予定。
■ イスラム協力機構
イスラム協力機構のメンバーはこんなところ。
オレンジは現在資格停止中。シリアはシリア危機で、アサドが資格停止をくらった。赤はオブザーバー。
近年のこの機構は、サウジの動向にくっついていると言っていい。シリアにしても、リビアにしてもこの機構は調停するんじゃなくて、アサド、ガーダッフィ―を追い出す側にまわったわけですし。
さてしかし、エルサレム問題を前にこの機構が、米+サウジ+イスラエルの路線を取れるわけもない。
したがって、今日の会議というのは、この機構のリーダーが変わることを意味するのだろうと思う。その中で、イランはもちろん隠然たる影響力をこれまでも持っていたが、トルコが大声を上げてイスラエルを非難しまくっているところをみるに、トルコ、イランが目立ったリーダーとなるということなんじゃないかと思う。
トルコ、イランはアラブじゃない。アラブ勢は、シリア、エジプトが一歩前にみたいな感じか。この2国は昔、アラブ連合王国を作っていたりしましたね。
エジプトはリビアが気になるからロシアに接近することになるだろうし、実際なってる。
エジプトはそもそも真っ先にイスラエルと和平をして、イスラエルの現地のお友だちとしてアメリカに指定された存在だった(その前は、アラブでないイランがイスラエルのお友だち指定だったが、イラン革命でチャラになった)し、アメリカの対外援助の半分ぐらいをイスラエルとエジプトがもらっていると言われるような状況なので、エジプトの変化がどのようなものになるのかはよくわからない。というか注目。
■ イラン、中東問題カルテット
時間がないから追いきれないんだが、イランの動向は当然重要。そして、このエルサレムを巡る紛糾の中で、あまり言及されていないが重要なのは、中東問題カルテット。いわゆるマドリッド・カルテット。国連、EU、アメリカ、ロシアの4者による枠組みで中東問題を解決しようというもの。
2002年に作られ、2007年から2015年までブレアが特使となり、そのブレアが退任して以来、まったく機能しなくなっている。