DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

シリアの「影の戦争」by Maxime Chaix

2019-04-23 23:26:34 | 欧州情勢複雑怪奇

シリア戦の裏側についての詳しい記事がフランスから出て来た模様。

How CIA & Allies Helped Jihadists In Syria: French Covert Ops Expert Exposes New Details

https://www.zerohedge.com/news/2019-04-22/how-cia-allies-helped-jihadists-syria-french-covert-ops-expert-exposes-new-details

 

「シリアにおける影の戦争」

La guerre de l’ombre en Syrie

というタイトルで、著者はMaxime Chaixというフランスのジャーナリスト。

Syrie: Opération Timber Sycamore, rencontre exclusive avec Maxime Chaix

 

Timber Sycamoreというコードネームで始められたこのシリアにおける影の作戦は、2011年10月から始まっていた。最初はCIAとMI6がリビアからシリアに武器供給ネットワークを作って、そこに、サウジ、カタール、トルコの情報機関が加わる。

2012年オバマはいやいやながら認めて武器供給の資金などが出て来る。

CIAはサウジとカタールを調整して、バルカン半島諸国の武器製造メーカーを使う(ルーマニア、ブルガリア、セルビア、クロアチアなど)。

この武器輸送はNATOが請け負って、カタールとサウジのシークレットサービスが金を出して、反アサドのrebelsに武装する。

トルコにおかれた「オペレーションルーム」には、西側と中東の15カ国の情報機関が関わる。

 

といった具合に時系列で説明している。

ざっと読んでみるに、シリア戦の途中途中で出て来た話と合う。物資をバルカンから持ってきているというのも当たってた。

何をどう考えても、単なる「rebels(反抗者)」がアサドを倒したがっているなどという話ではないことは、シリア正規軍が苦戦してることからも、また、そのrebels(反抗者)の武装が豊富なことからもよーくわかった。オバマも半分ボケボケで認めていることもいっぱいあった。

で、総体としてこのシリアの影の戦争は、参加国も多いわけで、CIAがやった影のオペレーションとしては屈指の大きさだった。

重要なことの一つは、カタール、サウジといった中東のプレーヤーの話だけでなく、フランス、イギリス、アメリカ他の西側諸国が共同でオペレーションをしていた、という点でしょう。

これについては上のように状況証拠ももちろん出ているし、CIAが2011年からやってた話の証拠もあがってる模様。

そして、2017年にはカタールの首相が、あれは関係各国の情報機関を含んだ共同のオペレーションだったと認めている事実がある。

It must be understood that this secret war ushered in, between 2011 and 2017, close cooperation between Western secret services and their Turkish and Middle Eastern counterparts. Thus, many experts and journalists were making a mistake by analyzing the operations of the various Middle Eastern powers in isolation from those of the Western governments. On the contrary, as the former Qatari Prime Minister admitted in 2017, it was a joint and coordinated operation involving all of those intelligence services.

 

こういう結果ね。

 

で、さ、どうするわけ? 西側さんチームは。

こんなことを放置していて、アメリカだのイギリス、フランスが偉そうなことを言ったところで、嘲笑を呼ぶだけ。Make America Great Againと言う前に、糞は拭くべき。

そして、NATOもCIAも単なる犯罪者組織だということをもっと広く知られるべきですね。

日本も他人事ではない。中立でもなければシリア人を庇ったわけでもないどころか、安倍はこの最中に日本の外交方針を、長年いろいろ苦しいながらもできるだけ中立から、圧倒的にイスラエル寄りい変えたわけだから、シリア戦争においては、狂人の西側グループの一員だったでしょう。そもそも、ホワイトヘルメットに資金を出していたという疑惑もある。

 

が、しかしこの著者のフランス人も言っているが、この件は国会の調査委員会を立ち上がるべきなのに、できそうな感じがしないというのが現状だそうだ。

これはアメリカでも同様でしょう。いつの間にかロシア疑惑などというものに2.5年費やした。これはリビア・シリア・ウクライナ・シリアと続いた異常事態を隠す目的があるでしょう。

その意味で、あちこちから引き続きシリア問題、あるいはウクライナ、リビア問題を検証する動きがあるのはまったく正常で、まったく歓迎すべき。

トランプになってからまたぞろ、すべてはイスラエル、すべてはユダヤ、アメリカは本当のリーダーを求めなければぁみたいな感じの人たちが増えているのも現実的な政策の結果に対する調査に至らせないための下らない煙幕作りでしょう。イスラエルの属国みたいになってるアメリカという状況は実際あるけど、そのことをすら今度はネタに使って行く。進化するデマ製造といった趣で興味深いが。

 
 
 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 外交青書を変えてみる外務省... | トップ | 北朝鮮の金委員長ロシア到着... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

欧州情勢複雑怪奇」カテゴリの最新記事