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中国:台湾統一は歴史的任務 by 習近平主席

2021-07-02 02:22:14 | WW1&2
昨日、7月1日は中国共産党100周年記念の日だそうで、習近平主席が大きなスピーチをしていた。



否応なしに、この言明にフォーカスがあたってる。

【速報】習近平氏「台湾問題の解決は党の歴史的任務」 中国共産党100周年祝賀大会




中国共産党の立ち上げから100年、長いような短いような、しかしまぁ激動の100年。

前にも書いたけど、第一次世界大戦、ベルサイユ条約とその受容といったあたりは、日本の現代史が知らん顔しているところだけど、このへんはもっと真面目に取り上げられるべきでしょう。中国のナショナリズム勃興の象徴である五四運動の結果としての中国共産党、という線を私は、まぁ普通にそうなるだろう、みたいに思っているんだけど、日本の中では、いやいやコミンテルンが勝手に作ったという点だけで見ようとする論が今も元気みたいだ。

あと、英仏が中国人を裏切って、日本の山東利権を認めさせたことから、こうなりゃソ連(ロシア)だ、となる動機も結構重要だと思う。みんながみんな、マルクス・レーニンに惹かれたと考える必要はなく、この全体の状況の方がもっとずっと重要だと思う。

上海条約機構サミット、山東省青島で行われる

五四運動から100年&沈黙の大正時代


それはそれとして、習さんはいろんなことを盛り込んでいたけど、100年を通してみれば、中国にややゆとりのある社会(小康社会というらしい)を全面的に築き上げた、というのが、本当で、そして重要なことだと思う。

   【新華社北京7月1日】習近平(しゅう・きんぺい)中国共産党中央委員会総書記・国家主席・中央軍事委員会主席は1日、中国共産党創立100周年祝賀大会で重要演説を行い、全党と全国各民族人民の持続的奮闘を経て、われわれは一つ目の百年奮闘目標を実現し、中華の大地に小康社会(ややゆとりのある社会)を全面的に築き上げたと宣言した。


そして、それと関連するけど、もっと具体的には、この完成に向かって中国共産党が達成したことで最も価値があるのは、アヘンやらヘロインやらを持ち込んでチャイナという場をシャブ中の場にした奴らを追い出したことではなかろうか。あのままだったら、どんなに資本が入ろうが上手くいかなかったと思う。


■ アヘンからの脱却

追い出されたのはもちろん、日本軍と勝手に入り込む日本人たちのことでもあるけど、だがしかしそれだけではない。サッスーン財閥などの、欧州なんだか南アジアなんだかわからないド金持ち軍団の存在も非常に問題だった。

これらを総じていえば、要するに限りなく東インド会社に近い集団がチャイナを我が物顔に切り取ったり、シャブ漬けにしていた。

膨大な土地を所有し、アヘン売りで富を得た人たちはいくつか系統があるけど、上海のデビット・サッスーンなどは殊に有名。


これは日本にも関係が大有りだと思うけど、あまりまとまって追求されてる節がない。ペルシャ湾、中国、日本に事業を拡大した、といった言い方を何度も見るけど、詳細がよくわからない。

デビッド・サッスーンは、1949年に中国共産党の支配が確立する頃に、これは不味いと思って事業をたたんで早々に中国を引き上げて、インドに資産を移して、さらには本体の人間の方はバハマに本拠地を移したらしい。

サッスーンなどの財閥の持ってた資産はその後共産党政権によって1950年代になって改めて接収された模様。収めるべき国税不払いという理由が付けられた処置だったらしい。

これは、財閥だかマフィアだかわからない人たちと多数懇意だった蒋介石率いる国民党ではあり得ない出来事だったと言っていいと私は思うわけです。

そこから考えた時、どれだけ中国共産党が嫌いでも、この成果は認識した方がいいんじゃないかと思ってるんですけど、どうでしょう。

まぁその、逆からみれば、金持ちが人民を全面に出す革命政権を嫌がる理由は、もちろんあるわけです。


■ 南アジアの過去

この間、ふとしたことから、これほど東欧のユダヤ人殺しに情熱を傾けていた人はいないだろうという、アミーン・フサイニーという人のことを書いたけど、ここでも、サッスーン家がちらっと出てきた。

枢軸国と英仏のアラブの取り合い

サッスーン家はバグダッドのユダヤ人で、オスマン帝国からインドにかけての版図内のネットワークを活用して、イギリスの中東から東アジアでの活動を支えて、それが故に一族は、イギリスの男爵になっていったりする。ヘッセンの宮廷ユダヤ人であったロスチャイルド家の一族がイギリスで偉くなるのと似たり寄ったりの構図。


で、思えば、ここらへんの南アジアを震源とするド金持ち軍団とアヘンの話は、知られているようで、実のところしっかりとは詰められていないと思う。

前にも書いたけど、何もかも悪いのはシオニスト、という言説のうちに、実際には欧州出身のユダヤ人だけを悪者にするというのは、多分正しくない。

これはまぁイランの現在の体制が得意にしているプロパガンダなわけですが、奇妙なことに、このトークは、本当は限りなく東インド会社に近いエンティティーどもが共通して便益を得ているプロパガンダだと思う。他が見えなくなるから。

南アジア側の悪玉も結構な悪玉だけど、そこは伏せておきたいってことなんでしょうか。欧州側だけに視点を集中させているのは、作為があると思う。


■ 複雑な150年

で、今後どうなるのか誰にもよくわからないわけですが、台湾の問題だけにフォーカスするんじゃなくて、最低でもグレートゲームからこっちの歴史をある程度共有化していかないと話にならない気がする。

そして、今までよく知られてきたストーリーが必ずしも正しくないこともあるんだろうな、という考えを持ってないと騙される。


グレートゲーム極東:複雑な古層を見直すチャンスかも

五四運動から100年&沈黙の大正時代

上海条約機構サミット、山東省青島で行われる


ただ、グレートゲームの組み合わせが同じだからといって同じように進行するわけでもないだろう、ってところにも注意が必要だと思う。


■ オマケ

軍事的に考えれば、個別台湾の問題は、ウクライナ・黒海の問題と非常によく似てるんじゃないですかね。どちらも、本当に戦争になって困るのは、最終的には西側でしょう。昨日のプーチンの発言は台湾問題でも当てはまる。

だがしかし、極東はウクライナ・黒海より政治的に難しい。そして、話を切り開く人々がいない。困ったこと。


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3 コメント

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日清戦争の反撃が中國共産党! (ローレライ)
2021-07-02 10:53:07
日清戦争で、ドイツを引き込み青島を守った中國がドイツの敗戦でピンチ!青島護持の民族運動から中國共産党が生まれた!
返信する
孫文以来の悲願! (ローレライ)
2021-07-02 13:23:54
台湾解放は、孫文以来の悲願なので中國共産党が看板事業である。
返信する
Unknown (にゃんこ)
2021-07-04 09:59:56
ネットで見つけた記事です。

>「中国共産党」の建党100周年祝賀大会だというのに、大会の冒頭の演説が習近平・中国共産党中央委員会(中共中央)総書記ではなく、中国国民党革命委員会の万鄂湘主席(全国人民代表大会常務委員会副委員長兼任)だったということだ。
 この党は、いま中国にある「八大民主党派&中国工商業連合会&無党派人士」という「非中国共産党の党派」の一つで、1948年に孫中山(孫文)の妻・宋慶齢等を中心に結成された。 万氏は、「非中国共産党の党派」を代表して、中国共産党に祝辞を述べた。
毛沢東は建国当初は「新民主主義体制」により国家運営を始めていたので、「新中国」の「中国人民政府」の指導層には、宋慶齢など多くの民主党派が入っている。
 毛沢東が建国した当時の、この「新中国」と同じ形式を演出したわけである。
 と同時に、中国には中国共産党以外に、「八大民主党派&中国工商業連合会&無党派人士」の代表が全国政治協商会議や全人代(全国人民代表大会)の代表を構成しているということを世界に示そうとしたものとみなすことができる。
 6月25日には『中国新型政党制度』白書が出版され、民主党派等の存在をアピールしたばかりだ。

中国の動画を見ていた時、中国語は分かりませんが、習近平さんが、「中山先生」について何かお話されている映像があり、ああ、孫文なのだなと思った事があります。
習近平の父親は文化大革命の時、えん罪によって陥れられ、十数年間、投獄、軟禁状態となりました。首から反革命分子と書かれた板をぶら下げられ暴行も受けています。だから、彼は毛沢東も鄧小平も大嫌いだろうなとずっと思っていました。習近平自身も7年間下放されていますし。現在の中国共産党幹部には下放経験者多いらしいですね。王外相もそうです。この方、日本語ペラペラらしい。

演説中は、拍手するタイミングは決まっているらしですが、それ以前に拍手喝采で、演説を遮られる場所が2回もあったそうです。

中山服を着ていたことをとやかくいうメディアが多いですが、これは中国のルールです。江沢民、胡錦涛の時も同じです。主席だけが中山服です。

江沢民が天皇に会った時、中山服だったのを失礼だというのを見ましたが、これが中国の最高位の礼服です。エリザベス女王の晩餐会でも中山服でした。日本のメディアの無知には呆れます。
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