ロシア国防相の発表によれば、ロシア海軍は昨夜カスピ海からシリア国内のISISの施設に向けてクルーズミサイルを発射、破壊に成功とのこと。
VIDEO: Russian warships strike ISIS positions in Syria
Published time: 7 Oct, 2015 12:51
Edited time: 7 Oct, 2015 14:31
https://www.rt.com/news/317883-russia-warship-attack-syria/
いや~、これはクリアなメッセージというべきじゃないっすかね。いろんな意味で。
戦術的にはこれまでのところではこんな大仕掛けのものは不要だけど、あえてやった意味はおそらくいくつかあるでしょう。
- NATOに向けて、クルーズミサイルを正確に打ち込めるのはあんたらだけの特権ちゃいまっせ
- 影で動いているイスラム過激派を使ってロシア南部、中央アジアで騒動を起こそうとしているグループに対して、気づいてるぜ、無駄なことはもうやめろ
- カスピ海は沿岸国の共有資産であって、お前らの支配下におかれるいわれはねー
2は、焦点はいつものようにコーカサスからチェチェンに入るという組でそこに目が行きがちだけど、おそらくイスラム過激派を使った長期的プランニングというものがあって、それに3がかかわっていた、と。
それはだいたいこんな感じじゃなかろうか。
シリアでアサドを倒す、
シリア弱体化に伴い弱体化するはずのイランを狙う
そこを「レジームチェンジ」で西側に向ける
シリア西部から中央アジア、すなわちアフガンの騒乱を誘発し、そのままロシア南部、中国西部へ
こういう感じで工作してたんじゃないっすかね。シリアでアサドを倒すってもう7、8年やってるしね。あと、そうであればきっと日本にもこのための工作員はいたはず。主に極東方面からの侵入拠点として。
しかし、イランとシリアをロシアがバックアップする形になったことで、この計画はともあれ停止、と。
つまり、カスピ海というのが非常に重要だったと思うわけで、そうなると、去年のあの出来事、私が去年最も重要な出来事の一つはこれだろうと一人で力説してたあれが俄然真実味を帯びて来た(当社比 ^^^;)
これこれ。2014年10月17日のエントリー。
■ さよならウォルフォウィッツ・ドクトリン
さてみなさんどう感じているんだろうとZerohedgeを見たら、
プーチン、ウォルフォウィッツ・ドクトリンに終止符を打った
とあった。
Putin Has Just Put An End to the Wolfowitz Doctrine
http://www.zerohedge.com/news/2015-10-06/putin-has-just-put-end-wolfowitz-doctrine
これもなるほどだなと思う。イラク、リビア、シリアを倒すことに執念をもやす一団が確実にいるわけで、その首謀者たちは総じてこのドクトリンに縛られているからね。
まぁその、だからこそこれから汚くかつ危険なことになるのかもしれないが、しかし、こうやってあっさりと多くの人が、アメリカの支配層を縛り付けているドクトリンめいた妄想状態に気づいていることが日一日と明らかになっているという状況そのものは、もう覆せないだろうと思う。
オスマンもそこからカスピ海に抜けられたらって15世紀ぐらいにチャレンジして失敗したと記憶します。
で、そこから考えると、ウクライナ東部はロシアにとってほんとにとんでもなく重要だなとあらためて思いますです。