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過去と向き合わないドイツ

2015-03-09 23:12:27 | 欧州情勢複雑怪奇

現在ウクライナで起っていることを、21世紀のバルバロッサ作戦だと考えている私としては、ドイツ人がドイツは過去と向き合って反省したんだ、みたいなことを言うたび、鼻で笑ってやりたい衝動にかられる。

ドイツというのは嘘をついてはいけないとか正直であることは良いことだという慣習的道徳律がないところなのだろうかという牧歌的な疑問さえ持っている。嘘は100回いえば本当になるという魔力を信じている人々と言い換えてもいいかもしれない。

と、皮肉を投げつけながら、予想通りやっぱり自分は過去と向き合ったとメルケル首相は言った模様。

ただ、何といったのかはよくわからない。

ロイターによればこれ。

メルケル独首相が来日講演、「ドイツは過去と向き合った」
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPKBN0M50AI20150309

メルケル首相は講演で、ヴァイツゼッカー独大統領(当時)の1985年のスピーチ「過去に目を閉ざす者は、現在に対してもやはり盲目となる」を引用。ドイツは戦後、かつての敵国とどのようにして和解することができたのか、との質問に対して「近隣諸国の温情なしには、不可能だった。ただ、ドイツ側も過去ときちんと向き合った」と述べた。

時事のまとめではこれ。

日独首脳共同会見要旨
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2015030900879
 〔東アジア情勢〕
 安倍首相 アジア地域を含む国際社会が直面する安全保障環境について、議論を深めることができた。
 メルケル首相 (中国や韓国との関係について)日本に何か言うために来たわけではない。ただ、戦後ドイツでは非常に突っ込んだ議論が行われてきた。過去の総括が和解の前提となる。

■ 過去と向き合っていないドイツ

ドイツは、恥ずかしいほどに過去と向き合っていないというのが私の評価。

向き合ったのではなくて、ユダヤ人と話をつけることだけを取り出して、そこだけ反省して、結果的にイスラエルを通してアメリカと結びついて自己の立場を強化したというのがドイツの戦後だと思う。

このへんで書いた通り。

冷戦をうまく使ったドイツ、冷戦にやられた日本


ドイツはロシアに攻め入って、2000万人もの死人を出させて、自分の方も8割近い兵隊はロシア戦線で死んでる。ユダヤ問題はこの過程で起ったもの。


HS S01 E015 History of Ukraine part 6
https://www.youtube.com/watch?v=taBVoEZ0DG8


で、ドイツはそれにもかかわらず再び、いや再再度ウクライナにちょっかいを掛けてあたかもウクライナに対して自分が何か権利を有しているような態度をずっと取っている。グルジアに対してもそう。これのどこが過去と向き合った人の態度なのだろうか?

で、この動きをすべてNATOを使ってアメリカが押し付けている、という言い訳を作って、自分はあたかもそれに抗しているような恰好を取っている。

しかし、ウクライナでナチスを褒め称える動きが広がっても、ただの一度も止めろとも残念だとも言ったことがない。この道徳的な退廃ぶりは凄いなぁ~と私は思ってる。(さすがにドイツ国内ではおかしーだろーという声はある。よかったよかった)

それどころかティモシェンコに肩入れしていたのはドイツ政府だし、メルケルその人。なんでこんなに肩入れしたのかというのはドイツのジャーナリズムでもじんわりと疑問視されている風はあるが、なんせドイツ政府は現在左右の大連立状態なので、ある意味で効率的な独裁体制になってる。

ロシア側は現状はアメリカ他に集まってるネオコン+介入主義者というトロキスト集団を主敵としているのでドイツ人に苦情を言ってはいないけど、一般ロシア人はその限りではないし、この間から書いているピーター・ヒッチンズみたいな一般イギリス人の中にも、ドイツ政府の動きに対して疑問または不快感を持ちだしている人もいる。そりゃそうでしょう。

さらに、おそらくハンガリー、オーストリアあたりが必ずしもEU(つまりドイツ)の動きに追従せずモスクワを見上げることがあるのは、ドイツの動きがおかしいと読んでいるからではないかなどとも思う。そうであればスロバキアもモスクワを頼みにすることになるでしょう。

■ なにしに日本に来たのだろう?

それにしてもメルケル首相は何をしに日本に来たのだろう? たしか去年の年末になって急に決まった話だと記憶する。

悪意のシナリオを考えるとしたらこんな感じか。

日本にいって、日本とドイツは一緒だよみたいなことを言う。日本は去年ウクライナ問題が持ち上がった時からドイツを見ているので、これにひっかかって、そうだね、となって、その代わりに日本はロシアとの関係を悪化させる。

しかし日本の中にはそれじゃいかんという勢力もあるので、きっちりクサビを打ち込もうとしているのが現在。

そこで、日本がロシアときっちり険悪になったところで、EU諸国の総意もあるので、とロシアとの関係を改善させる動きに入る。

ノモンハン事件の最中に独ソ不可侵条約を締結したドイツは健在でした、と。笑えな~い!

まんざらなくはないよな、と思う。

中国:ロシアを自分の側につけておくことに成功(相対的に日本の防衛政策は苦しくなる)。

アメリカ:元々日本とロシアの関係改善は阻止したいからこれで良し。

ドイツ:中国、アメリカとの関係を良好にできる。こうであればロシアはドイツに頭を下げざるを得ない(とドイツは思う)。

という成果が得られるわけだし。

ドイツはたびたび中国の立場を慮って動いているんだけど、多分、日本のジャーナリストも政治家も頭の中が冷戦体制なので気がつかない。

結果的に日本は、ロシア、中国との関係がぎくしゃくしたままとなり、右派だけが、もともとソ連と中共は敵なのだ~と快哉をあげる。ここでアメリカの一部が、そうそう日本の主張も無理はないんだよ、とかなんとかリップサービスをすると、そうれみろ、そもそも日本は中国やロシアみたいな野蛮国ではなく、れっきとした西側の一員なのだ、とかいって喜ぶ。

事実上日本はユーラシアの問題に関してはなんらの立場もなく、しかしどういうわけだかウクライナの経済支援を押し付けられ、その後もインド、トルコ、イラン等、ロシアとの関係強化に走ろうとする国を引き留めるために金を使う係りとなる。

こんな感じだろうか。

個人的には、去年ウクライナ問題が発生した時日本国政府が真っ先にドイツを頼りにしていたことに非常な違和感を持っていたが、そもそもここが間違いだったということになるんじゃないのかなと思う。

日本にとってのウクライナ危機は、シベリア出兵問題と同じ効果をもたらすのかなと気が重い。

 


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