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宴の始末(3) 「アルカイダを撃つな!」by US

2016-06-06 21:09:10 | 欧州情勢複雑怪奇

シリア情勢は去年から比べりゃそりゃ「シリア」が生き残ったしパルミラ遺跡は助かったしで、だいぶ進展したわけだけど、依然としてトルコ経由の人、武器弾薬の提供は収まらないし、欧米のいう「rebels」はまったく当然の顔をしてシリアという他国内に居座っている。

そして、そこを支援している欧米、特に米は、時々IS攻撃に本気だしてるような気もするけど、大枠でみれば依然としてシリアに勢力を温存しておきたいという思惑が明らか。まぁ普通に言って、単なる侵略者ですからね、イラク以降。

で、その流れでちょっと面白かったのは、ロシアのラブロフ外相が、アメリカはアルカイダを撃つなというわけだよ、アルカイダ(アルヌスラ)がrebelsの隣にいるからという理由でさ、とテレビで言ったらしい。ロシアメディアにも出ていた。

そこまでならまぁ普通なんだけど、それをアメリカメディアも拾っていて、ケリーは、そうじゃない、攻撃ターゲットを慎重にしろといったんだ云々というコメントを加えていた。アメリカのABCニュース。

US Asks Russia to Not Hit Nusra Front in Syria, Moscow Says
http://abcnews.go.com/International/wireStory/us-asks-russia-hit-nusra-front-syria-moscow-39591833

(このページ、音声がすぐに入る仕様なので閲覧注意。)

 

で、まぁその、CIAがアルカイダを支援して、ペンタゴンがクルドを支援して、相撃ち状態になってるという記事がアメリカの主要紙にも出るようになったと書いたのが2カ月ぐらい前だったと思うけど、こんどは堂々、アルカイダを庇ってますが出たのかぁと感慨深い。

アルカイダってテロリストの総称みたいな位置づけだったと思うんだけど(笑)。

でもってその人たちを攻撃するためにはるばるアフガニスタンに出かけて行って幾星霜。もはや味方になったと。あははは。

こんなんで一体、何をどうやったら覇権国家ですとかいえんのよって感じがして仕様がない私。

そりゃエライでしょう。そりゃ強いでしょう。でも誰も尊敬してないですから。国民さえ、早くこんな悪夢は終わらせたいと思ってる始末(そうでなかったらトランプ・サンダース現象はない)。

 

■ オバマは核兵器を政治の道具として遊びに使ってる

さらに、欧州方面のミサイルディフェンス問題。アメリカがポーランドとルーマニアにシールドの部品にあたるユニットを設置させたことで、ロシアは、ポーランドとルーマニアがロシア製ミサイルの照準に入るということだからなと脅している。

 

Aegis Ashore Missile Defense System

http://www.defense-aerospace.com/articles-view/release/3/173811/aegis-ashore-missile-defense-site-in-romania-declared-operational.html

 

で、アメリカはこの件でロシアと話をしないで、まったく無視で話しを進めている状況。そもそもこれは対ロシアではないのだと言い張ってたりもするが、ロシア側も多くのアメリカ人もそんなことは信じてない。

このイージス誘導のミサイルディフェンスシステムの設置は、防御です防御とか言ってるけど簡単な調整で攻撃用になるんだそうだ。で、何をしたいかといえば、昔は核は米ソで「MAD(相互確証破壊)」状態と言われ、つまり、同じように報復能力があるために互いに撃てない、という状況だったがそれを突破して、核の優越性を保とうとしていると考えられている。

つまり、米の方から、核を使えるようにしている、と言っていい。だから、実はとっても際どい話。

ただ、私はしかし、現実的にはこれで何事か無効化できると考えるなんてことがナンセンスだと思っているので、これが喫緊の大問題とはあまり思ってない。

なぜなら、核兵器の破壊力は大きいにしても、1940年と違って私たちは既に都市部で10万人の被害だって受け入れられないわけでしょ? だったらよく出来た誘導ミサイルに通常弾頭を付けたものだって、十分に脅威の戦力でしょう。原発狙えばさらに強いわけだしね。

で、そんなものまで含めたすべてのロシアの、あるいは中国の戦力を無効化できる、なんてな考えは馬鹿げてる。その意味では、十分に発達したミサイル攻撃能力を有する国にとっての核兵器を巡る問題は、60年前ほどのインパクトはない。(通常兵器をそれだけ揃えられない国にとっての一発の価値はあるが)

そういうわけで、ポーランド、ルーマニアへのミサイル防衛網の一部分の設置というのは、まったくの政治問題だと思う。ロシアを脅かすことで、ロシアの激怒&対応を引き出して、そーれみたことか、と西側勢力をまとめ、かつ、核の優勢性のためのミサイルがどうしたこうしたという新たな飯の種を軍産に作ってるという話。

しかし、当然のことながら、勝てると思ったら使いたがる勢力が出てくる可能性は、相互確証破壊状態にある時よりもずっと高まる。従って、アメリカのオバマ政権の現在の核に関する取り組み方は、冷戦期のどの大統領よりも迂闊で、そして挑発的だ。

別の言い方をすれば、オバマは核兵器を政治の道具として遊びに使ってる、とも言える。

ちなみにこれはブッシュがやろうとして出来なかったこと。それをオバマは達成したわけです。なぜこれが簡単に達成できるかといえば、リベラルはオバマを叩かないからにすぎない。

そういうわけで、私たちはオバマという偽の救世主のおかげでブッシュ時代よりもさらに危険な時代に生きている。まがい物には気をつけろってマジだわ、ほんとって感じ。この始末は、ちょっとどうする気なのかまったく見当がつかない。

偽の救世主という語は、オバマをからかってというか嘲って再々使われて来た言葉。Our Lord and Savior Barack Obama (我らの救世主たるオバマ)というのは、もちろん 救い主イエスキリスト(Our Lord and Savior Jesus Christ)のパロディー。

オバマはデビューの時から、なんか預言者めいた、救世主めいた、偽善的で勝手に高いところからものを言う感じが強烈だったので、こうなったんだろうと思う。あとは、主要メディアが勝手にオバマをもろ手をあげて喜んだってな状況もこれに拍車をかけたのでしょう。

その偽の救世主を平和の使徒みたいにもてはやした日本って、一体何者なんだろうと考えざるを得ないが、もうここでしか偽善詐欺は通じなかったとも言えるのかも。

 


 


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1 コメント

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『アルカイダは人形劇』 (ローレライ)
2016-06-07 05:50:06
『アルカイダは人形劇』だから『中の人は殺さないで』でも日本には原爆落としたよね?『パールハーバーも自作自演』て感じ。
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