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カナダ元首相、プーチンと会談する

2015-05-02 13:16:16 | 欧州情勢複雑怪奇

鳩山元首相がクリミアに行ったといって大騒ぎになっていた&いる日本だけど、カナダでは、政権は過激な反ロシアぶりで知られるハーパー政権だが、元首相のクレティエン氏が、モスクワに行ってプーチンと会談していた。

左がジャン・クレティエン元カナダ首相。

Chretien and Putin meet in Russia, in face of Harper isolation
http://www.ctvnews.ca/politics/chretien-and-putin-meet-in-russia-in-face-of-harper-isolation-1.2352238

どんなお話をしたのかは明らかになっていない模様。

明らかになってないけど、プーチンとクレティエン首相は、思えばイラク戦争に反対したという一件で同じ立場だったわけだから、繋がりは深い関係だろう。

ハーパー政権は、基本的にネオコン政権なので、もちろんクレティエン氏の行動を快く思わないだろうが、別に「国賊」とは言ってない模様(笑)。

■ ウクライナに派兵してるカナダ

対ロシアで強硬な姿勢を貫くカナダは、先月にはついにウクライナ西部に200人ほどのカナダ軍兵士を送っている。カナダの兵士がウクライナ軍兵士の訓練をするそうな。

ウクライナ兵士ったって、現在のそれはライトセクターなるほぼ暴徒に等しい奴らとか傭兵が主体の、要するにもともとあったかなり強いウクライナ軍ではないから、カナダ軍が訓練をするというのも、まぁそうか、と思えるけど、もともとのウクライナ軍だったら、なんでカナダに訓練してもらわなならんの?だよなぁと、私は思うのだった。

普通に考えて1.5年前までならウクライナの方がカナダより強いでしょ(笑)。特に、陸上戦でカナダに教わることなんかあるのかよ、だと思う。

でも多分本音は、万一のコンバット用に、カナダ、イギリスとあとこの仲間の国で、ウクライナ中央部の要衝に兵隊を入れているというのが実情だと思う。つまりですね、治安維持の名目で外国に部隊を進駐させるという、日本の戦前を思い出すなぁという展開でもあるし、アフガニスタンで取られた措置と同じだな、とも思える。アフガニスタンも激戦区と呼ばれた(麻薬を栽培している場所という噂もあったが)地域には、イギリスとその仲間の国「だけ」があたっていて、カナダ軍兵士も数十人のオーダーで死んでいた。

■ カナダ政局が動くのか

と、そんなカナダの現在の首相はハーパー氏。ハーパー氏は保守党の人ではあるけど、この人はネオコンというかネオリベという側の保守党の人。カナダの保守党の歴史は非常に複雑で、自由党(リベラル)への対抗を試みるあまりに常に変幻自在になっているという印象があるなぁ。なんせ、現在の保守党は、2003年に、急進保守党というネオリベ的な党と、全土にあった保守党と呼ばれる過激ではない人々の集まりが合体して、前者に乗っ取られたという感じ。で、この乗っ取り作戦の主体だったのが現在のハーパー首相。

で、その2003年に何があったかといえば、言わずと知れたイラク戦争で、この時のカナダの政権は自由党で、党首、すなわち首相はジャン・クレティエン氏。この人が、カナダはイラクへの戦争に行きません!と国会で大宣言を行って、カナダはイラク戦争に参加しなかった。

それに対して進歩保守党のハーパー氏、すなわち現在の首相が、ものすごい顔で自由党を詰っていた記憶がある。

参加しないためにカナダおよびカナダ人は、アメリカおよびアメリカ人から猛攻撃を受け、大騒ぎになっていた。

そうこうしているうちにこの自由党にスキャンダルが発生して、あれよあれよという間に自由党が崩れていって、今の、この時に比べりゃかなりダメダメな自由党になって現在に至るって感じ。現在のカナダは、保守党、自由党が各30~35%で、そこにNDPという左派が20%ぐらい食い込んでるという体制。

■ イラク戦争2003

この、イラク戦争に反対した党が崩れて、その後親米政権が出来るというのは、フランス、ドイツも同じ流れでしたね。陰謀論を言うつもりはないけど、だけど、あまりにも同じ成り行きすぎて見過ごせないでしょう。

イラクでの開戦に反対していたのはフランスが名高いけど、フランス、ドイツ、ロシア、中国、そしてカナダが代表的。

この面子は、思えば、今ウクライナ情勢を受けて、ノルマンディーフォーマットにしてみたり、中露の結束をしてみたりといった面子となっているとも言える。そこにカナダがジャンプインなのか。

で、もう一つ。アメリカ保守系孤立派と呼ばれるグループも反ネオコンでは同じ軌道だと言えるでしょう。

偶然ではあるだろうけど、2、3日前に、例のThe American Conservativeにあった記事が示唆的ではあった。

The American Century Is Over
A state that can't keep its citizens secure at Camden Yards is not going to make Ukraine safe for neoliberalism.
By Scott McConnell • April 30, 2015
http://www.theamericanconservative.com/articles/the-american-century-is-over/


アメリカの世紀は終わったんだ、というわけですよ。ボルチモアでの暴動を受けてこんなことを国内でやっていて世界をリードするも何もないだろう、アメリカの政権は早晩世界の人たちは誰もあんたらにリーダーシップを取ってもらいたいと思ってないということに気づくだろう、という入りではあるんだけど、通奏低音はこのへんだろう。

The American century ended some time ago; perhaps the curtain was finally drawn when Secretary of State Colin Powell laid out the case for war before the UN and said things about Iraq which turned out simply not to be true. Those in Congress don’t yet realize it, but they will.

アメリカの世紀はいつの頃か終わっていた。おそらく、コリン・パウエル国務長官が国連で、イラクに関して最終的には本当ではなかったことを縷々述べた時、幕は下りていたのだろう。米議会はそれに気づいていない。しかし気づくことになるだろう。

ってなことをマッコーネルさんというTACの主筆みたいな立場にある人が書いていた。

私は、アメリカ人もアメリカという国も総体としては別に嫌いではないので、こういう反省(reflection)は歓迎するな。つまりですね、ああもカラッと嘘八百を言い立て、それをきっかけとして何十万という人間を殺害し、何百万という人たちの人生を狂わせている状況を作ったという責任がアメリカにはある。しかし、現在のアメリカはその責任を殆ど感じておらず、さらには議題にもなってない。これだけで、アメリカという集団にはもはやモラル的な優位性はなく、何を言ったって説得力はない。だからこそ軍事、謀略に頼ってる。これは覇権とはいわんのですよ。(2003年じゃなくて、その前に911とはどういう事件か問題も転がってる)

そういうわけで、過去20年間猛威を振るったネオコン勢の伸張は終わりを迎えているのではなかろうかと感じられる今日この頃。でも、だからこそハルマゲドン願望が恐ろしいことをしそうだということにもなるのでしょうが。




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