●答えのないつながり

晩ご飯を終え、駅まで歩いているときに尋ねないと。何かもう一歩深く踏み込んでいかないと、今日は終わってしまいます。彼女はバッグをかたにかけ腕を組むようにしてあるいていたので、そっと自然に手をつなぐということはできません。午後７時に入って、１０時半頃になっています。

待ち合わせの１時間前にホテルにはチェックイン。４時に待ち合わせて、お茶したりぶらぶら歩いたり、晩ご飯まで行き当たりばったりの時間を過ごさせてもらいました。夕方から予定があると言うとお客さんに時間を早めてくれと言われたようで、朝１０時から彼女はお客さんとイベント用の衣装の買い物にに付き合っていたとのことでした。あまり動き回ると彼女はくたくたになるよな、、、映画は時間的に中途半端だけでど探せばいくつか見る事ができます。ただ映画を見ているとその時間は一緒にいられても話をすることはできません。

３時間半ほどお話していました。デパートではバーゲンをしていたので、彼女に靴をプレゼントするよと言ってみました。靴売り場をうろちょろしながら、結局買わず。お茶をしてからもう一度靴売り場をうろついたのですが、

「靴買うのは一日で決められないの　またこんど　お誕生日じゃないしいいですよ」ということで買いませんでした。

「近くにいたらプレゼントしたり、美味しいもの食べに連れて行ってあげられるのに、何もしてあげられないし　好きなの選びなよ　気に入ったのない　言ってよ」


駅がすぐそこに見えて来て信号が変わるのを待っているときに、「◯△◯△はやっぱり結婚するとしたら、子供さんが高校を出てからなの」

「結婚は子供はしてほしくないっていってから。」「でもこのままずっとひとりでなくてまた結婚はしたいと思ってるけど」


「そりゃそうだ」


「あたし結婚したら子供が欲しいんですよ」

「じゃ　急がなきゃ」「歳のはなれた弟か妹ができたらきっとかわいいし　楽しいよ」「そうだ　子供さんが東京の学校に行きたいって気持ちになったらいいんだ」


駅のベンチに座って少しすると電車が来ました。最寄り駅について、このままだと、僕はホテルにかえるだけです。彼女は別の鉄道に乗り換えて一駅先までかえっていきます。


「帰っちゃう？帰っちゃう？このまま帰っちゃう？」「あ　お米券　どうしよう」「明日渡す？　ホテルまで来る？」

食事のときに話していたお米券。たくさん炊かないといけないのでお米券はありがたそうにしていました。ホテルにおいて来たのは、何とはなしにでした。口実にホテルまで来てくれることはまずないだろうなとも思いながら、淡い期待は込めてホテルに残していた。それと何かお米券をプレゼントするのをわざわざ持っているのも何か粋ではない気がして軽い気もしてホテルに残しておいたのでした。

彼女が口実にできるお米券。「ホテルまでとりに行きます」


決心したかのような言い方でした。大通りの信号を渡り歩いている途中、手をつなぎたいと言ったらつながせてくれました。彼女の手は決して手入れしている手ではありません。直接は言わないけれど、家事をしている母親の手です。ネイルもしていません。そんな彼女の子供一筋の生活を想像して、大切にしてあげたい、わがまま言わせてあげたいと思うのです


手をつないだままロビーにつきました。そのままエレベータに乗ってしまいました。ロビーで待ってると言うかと思ったけれど、僕は何食わぬ顔でそのまま彼女をひっぱって部屋につれて入りました。予想を超える現実に心躍らしました。