MOMOSE'S DOOR Day book in New York

NY在住のシンガーソングライターが『自称シンプルライフ』を語ります。ぷぷっと笑ってホロっとなるよなDay book.

小銭達の運命

2005-09-11 10:03:51 | day book in NY 2005~(FC2)

アパートの前にあるスーパー内には
日頃、瓶にコツコツ貯めた小銭を
じゃらじゃら~~っと投入するだけで、
お札に変えてくれる
『小銭換金マシーン』ってのが設置されているのです。

これ、大変便利なのです。

わざわざ混んだ銀行にいかなくてもよい
という利点にくわえ、
お札にならないハンパな小銭の分は
その日の目玉商品のクーポン券にも変えてくれるという
画期的なシステムも導入されているのです。
アタクシを含め、
ビンカンを集めて小銭をスーパーで換金しにくるような
その日暮らし的趣向の生活レベル者には
なくてはならないマシーンなのです。

ですが、
昨日、
今月用のメトロカードを買う為に貯めていた
瓶をもってスーパーに行くとこんな張り紙が。

『故障中』。

お店に人によると
ここ最近、どこぞの子供が
いたずら心に飴玉を投入したことにより
壊れてしまったとのこと。

壊れてしまったものは当然使えません。
そこで、仕方なくその小銭の入った瓶をもって
最寄りの銀行までいくことにしたのです。
銀行はバスにのればたかだか5分の場所にあります。
ですが、
メトロカードを買う為に小銭を換金しに銀行に行くのですから
当然、バスには乗れません。
徒歩です。徒歩、30分。
とぼとぼ坂道を歩き、やっとついた銀行は
案の定、長蛇の列をなしていました。
窓口に辿り着くまでうまくいって30分。
待ち時間を考えるだけでもうんざりです。
しかし、ここは忍耐です。
すべてはメトロカードの為なのです。
仕方なく、瓶を抱えて列の後部にならびました。

するとです。

店内で御客をさばいている銀行員のおばちゃんが
ニコっと笑いながらアタクシに向かってこういうのです。

『オリンズの救済募金の人ね。こっちへどうぞ。』

  、、、、、、

そして帰り道。

自動的に無一文になったアタクシは、
あの、名曲。
坂本九でおなじみのスキヤキソングの

上を向いて歩こう
永六輔,中村八大,カラオケ
EMIミュージック・ジャパン


 『上を向いて歩こうよ~』のこの部分をですね、

 『下を向いてあるきゃあるのさ~~』

と、妙なふしで歌いつつ
食い入るように地面をみながら歩いていたら

10セント拾いました。

これが、、諺である
捨てる神ありゃ、拾う神あり、、って奴なんでしょうか、、。

なんだかちがう気もしますが

いずれにしろ、
いろんな意味で、大騒ぎの世間も無一文の自分も

『しょっぺ~な~』と感じる今日この頃でございます。


<本日の教訓>

 明日は明日の小銭が落ちている。
 生きてりゃ、いいことあるもんだわさ。
 


刺激炸裂5番街

2005-09-08 11:40:43 | day book in NY 2005~(FC2)
車のクラクションがあちこちで
響き渡るマンハッタン。5番街。

女優さんでしょうか、、。
いや、
モデルさんでしょう。

いずれにしろ、
どこからどうみても
『ほえ~~っ』
と、ため息をつきたくなるような
スタイル抜群の奇麗なおねーさんが、
信号待ちをしていた
アタクシの横に
バービー人形のようなモデル立ちで
しなやかに立ち止まったのです。
そのあまりにも奇麗な出で立ちと、
どことなくあまい香水のよい香りが
ふわ~んと漂うお姿に、アタクシだけではなく、
まわりにいたみなさんの目も釘付け。

こういうシチュエーションを垣間みると

田舎者のアタクシは瞬時に、

『おお~これぞ、絵に描いたようなNYだよな~~』

っと、未だに思ってしまうのです。

ですが、、。

そのきれいなおねーさんの
いい香りのする香水の臭いに混ざり、
突然、妙な臭いがふわ~っと漂ってきたのです。

それはまるで
腐った卵の臭いに
硫黄バリバリの温泉街の臭いを混ぜたような、、

まさしく、それは
 
  屁。

屁の香りなのです。

いや。
正しくは
ブっホンバっホン!
と、ご家庭のおとーさんがぶっぱなすような
激しく勢いがあるものではなく、
その腐った卵系の香りから予測する限り、

すかしっぺ。

 なのです。

しかも、
その放たれた臭いは
ビルの間に突如吹く
突風と共にますます強烈に漂いだしたのです。

奇麗なおねーさんのすかしっぺ、、。
まじですか、、、、。

っと、思ったのですが、
こういう時、人間たるもの本能で
キョロキョロしてしまいがちです。

でですね、
そのキョロキョロが悪かったのか、、
振り返ると
後方にいた人たちが
一歩2歩とさがりつつ、
冷たい視線をアタクシに投げかけているのです。

、、、

っつか、、ぬれぎぬ?
これって、
ぬれぎぬ着せられてるってか?

、、、激しく動揺。

っつか、違いますからーーーーーーーーー!!!

っとも言えず、、。

、、当然、動揺丸出し。

すると、信号が変わり、
モデルのような、女優さんのような、
奇麗な奇麗なそのおねーさんは
マンハッタン5番街の交差点を
顔色ひとつかえず、
颯爽とモデル歩きで去って行きました。
強烈な残り香を放ちながら、、。

 卑怯ですよ、、。

しかしながら、

 スカしたモデルのすかしっぺ。
 ある意味、アイデンティティを保っている、、。

妙に感心。
 
NY、マンハッタンという場所が
『最も刺激的な街』と言われる意味が
 違った角度でわかった気がします。

<本日の教訓>

何事にも動揺しない顔色とやらを研究しよう。


ららら、ミゼラブル

2005-09-05 17:07:49 | day book in NY 2005~(FC2)

アタクシのオフシャルのHP
http://www008.upp.so-net.ne.jp/momose/

http://momosesdoor.web.fc2.com/index.html
を7月初頭にリニューアルしてから
HP&このdaybook(ブログ)を
ご覧になっている読者&ファンの方から

『HPのトップ画像の
 新聞を読んでいる画像がニューヨーカしてますね』

とか

『車内で読んでる新聞はタイムズとかですか?』

なんていうありがたい
コメント&質問メールを頂く事が頻繁にあるのです。

  ニューヨーカー。

とても良い響きです。

かつて、

『ねえ、ちょっとあの女、きたなくなくない?』

っと、
東京都内、大井町線車内にて
向かい側に座っていた今時の若いおじょーさんに
徹底否定文&指をさされた経験のある
このアタクシがニューヨーカー。
ついにきた。
何か、こう心底血が燃えたぎるような瞬間です。
すっかり有頂天です。
確かに、
あのトップ画像の写真を見る限り

NY→地下鉄→新聞→現地在住→ニューヨーカー

という図式が成り立ち、
ある意味、ニューヨカーっぽく見えないこともない。

ですが、、。

『NY→地下鉄』

ここまではいいのですが、

『新聞→現地在住→ニューヨーカー』

実はですね、、
この部分に大きな誤解が生じておりまして、、
とりあえず、
その誤解を解くべく、
いや、、むしろ
この場を借りて先にお詫び申し上げておきます。

 大変、申し訳ありません。

HPトップ画像でアタクシが読んでいるのは
タイムズでも、デイリーニュースといった
ネイティブニューヨーカー御用達の
『ニュースペーパー(新聞)』ではなく、、

あれは、、
 車内に落ちていた
 メキシコ系ラティーノ経営の
 スーパー激安特価掲載の折り込みチラシです。

ちなみに、
その時のシチュエーションを補足いたしますが
あれは、地下鉄、Qラインの車内にて、

 『サボテン99ドル、本日限り』

と、いうコピーがかいてある
魅力的なチラシを拾い、

『ねえ、ちょっと~サボテンって食べれるの~~??
  ってか、どうやって喰うんだ?
 焼くのか?炒めんのか?煮るのか?生か?』

っと、真剣に悩んでいたところを
その日、友人宅のホームパーティから、
一緒に帰ってきた面倒みのよいアニキ肌の
イタリア人カメラマンのジュゼッペにーさんが
フイフチで撮った画像でございまして、、

しかも、後日。
その画像がメールで届いたのです。
その際、こんなタイトルがついておりました。

 『miserable&poor&japanese less』

直訳するとこうなります。

 『みすぼらしい&貧困&日本人小娘』

異国の方にも『女全面否定』されました。

これ、、

大井町線車内で言われた
 
『あの女きたなくなくない?』

と、なんらかわりません。
いや、、どちらかというと
三段階でたたみかけてきている言葉の羅列に
もはや返す言葉がない。

とはいえ、
彼は今、国に一時帰国しているのですが
面倒見のいいアニキから
今朝方、このようなメールが来たのです。

『オリーブ&ビネガー&キュウリ&アボカド&ライム
  でパックしろよ!毎日だぞ!』

、、、

再び、お詫び申し上げます、、。
にーさん、、ほんとに申し訳ありません。

せっかくオシエテ頂いた
にーさんの現役エステシャンの彼女直伝の
その、ローマ発、現地エステパック法やらですが、、
その材料、
アタクシとっては高級食材です。
手がでません、、。
それにですね、
多分、万が一、手に入れとしても迷わず
食してしまうでしょう。

っと、未だ返事を書けず。


しかしながら、
出発点がNY→地下鉄にも拘らず、

チラシ→ラティーノ地区在住→サボテン→メキシコ店→南米

一体、どこに行こうとしているんだ、、、>自分、、。


<本日の反省>

せめて洗顔石けんで頭を洗うのは止めよう。


朝方のナチュラルセッション

2005-09-03 11:42:11 | 音にまつわるお話
9月に入り、真夏に比べて
夕方頃から吹く夜風が何気に涼しくて気持ちがよいのです。
そんな夜風にあたりながら
アパートの前にイスやテーブルをおいて
近所の人たちとオシャベリをしたり、
トランプゲームをしたりする人たちの姿をよく見かけます。

そんな中、
昨夜、夕方6時頃。
ブラジル人のお友達のレイラさん主催の
セッションパーティに出かける際、
メンテナンス屋のフランクのおっちゃんが、
仕事アケの一杯をひっかけた後らしく、
アパートの入り口横にデッキチェアを置いて
それはそれは気持ち良さそうに寝ていたのです。

ですが、、。

朝方の4時半頃。
アタクシがパーティからぐったりしながら帰ってくると、
もう、とっくにオウチに帰ってるはずの
フランクのおっちゃんが、
ものすごい豪快なイビキをかき、
おまけに、お約束のごとく、
ケツまでバリバリかきながら
まだ寝ていたのです。

しかもです。
朝方とあって、
そのイビキにナチュラルエコーがかかり、
なおかつ、そこにです。
最近、早起きのジョーイの部屋から
またもや、木魚の音が重なったのです。

ポクポク、、ポク。
グオ~~~~ゴゴっ~~
ポクポクポクポク
グオ~~ゴゴ~ーーーークエっ!!
チーン

、、、

アタクシ、
ミュージシャンとして長年、
いろいろなセッションに参加したり
たくさんのライブを見たり聞いたりして参りました。
しかも、今しがたブラジル人のレイラさん達とも
民族打楽器コラボによる大セッションに参加してきたばかりです。

ですが。

ナチュラルエコーのかかったイビキと
木魚とのコラボレート。

こんな意表をついたものすごいセッションを
垣間みたたのは初めてでございます。

それは、
微妙に気持ち悪く、
ほどよく、前ノリなリズム。
とはいえ、木魚本来には
魂の叫びといわんばかりのブルーステイストもある。
そして、自然が生み出す欲も豪もない
人間本来の動物的サウンド『イビキ』。

とっなるとです。
何かこう、このサウンドに
メランコリックで繊細な
メロディをくちずさみたくなってくるのです。

そう、メランコリックで繊細といえば
もう、これしかありません。

”よよよ~れ~ひ~~””

あの、ヨーデル特有の絶妙なひっくり裏声が加えたい、、。

この瞬間、
まさしく、
アタクシの中の見解では
新しいジャンル 
『ヨーデルブルース』たるものが誕生したのです。

そして、

”よよよ~れ~ひ~~ シュビドゥビィ~””

なんとなく青江三奈風に口ずさんでみましたが
とてつもなく、気持ち悪かったです。

と、
こんな暢気な事をやってる場合ではございません。
アタクシの住んでる地区は
けして、治安がいい場所とは言いがたいところでございます。
とりあえず、
ヨーデルブルースはさておき、
高らかにイビキをかいてる
フランクのおっちゃんに向かって、

『なんにも取られなかったの? 
危ないよ~。早くかえんなよ~』

っと、ワサワサ揺り起こしながら耳元で叫ぶと
フランクのおっちゃんは、
大あくびをしながら

『大丈夫だよ~この年まで独身でいるとね~
女性からも物取りにも見放されちゃったかもね~~アハハ~』

アメリカンジョーク、、
時に涙を誘うせつなさよ、、。

ネイティブアメリカンの
生ブルースが胸に沁みた瞬間でした。

<本日の教訓&発見>

ブルースは理論よりもまず呼吸。
これ、人間、今を生きる為の基本かもね。