MOMOSE'S DOOR Day book in New York

NY在住のシンガーソングライターが『自称シンプルライフ』を語ります。ぷぷっと笑ってホロっとなるよなDay book.

朝方のナチュラルセッション

2005-09-03 11:42:11 | 音にまつわるお話
9月に入り、真夏に比べて
夕方頃から吹く夜風が何気に涼しくて気持ちがよいのです。
そんな夜風にあたりながら
アパートの前にイスやテーブルをおいて
近所の人たちとオシャベリをしたり、
トランプゲームをしたりする人たちの姿をよく見かけます。

そんな中、
昨夜、夕方6時頃。
ブラジル人のお友達のレイラさん主催の
セッションパーティに出かける際、
メンテナンス屋のフランクのおっちゃんが、
仕事アケの一杯をひっかけた後らしく、
アパートの入り口横にデッキチェアを置いて
それはそれは気持ち良さそうに寝ていたのです。

ですが、、。

朝方の4時半頃。
アタクシがパーティからぐったりしながら帰ってくると、
もう、とっくにオウチに帰ってるはずの
フランクのおっちゃんが、
ものすごい豪快なイビキをかき、
おまけに、お約束のごとく、
ケツまでバリバリかきながら
まだ寝ていたのです。

しかもです。
朝方とあって、
そのイビキにナチュラルエコーがかかり、
なおかつ、そこにです。
最近、早起きのジョーイの部屋から
またもや、木魚の音が重なったのです。

ポクポク、、ポク。
グオ~~~~ゴゴっ~~
ポクポクポクポク
グオ~~ゴゴ~ーーーークエっ!!
チーン

、、、

アタクシ、
ミュージシャンとして長年、
いろいろなセッションに参加したり
たくさんのライブを見たり聞いたりして参りました。
しかも、今しがたブラジル人のレイラさん達とも
民族打楽器コラボによる大セッションに参加してきたばかりです。

ですが。

ナチュラルエコーのかかったイビキと
木魚とのコラボレート。

こんな意表をついたものすごいセッションを
垣間みたたのは初めてでございます。

それは、
微妙に気持ち悪く、
ほどよく、前ノリなリズム。
とはいえ、木魚本来には
魂の叫びといわんばかりのブルーステイストもある。
そして、自然が生み出す欲も豪もない
人間本来の動物的サウンド『イビキ』。

とっなるとです。
何かこう、このサウンドに
メランコリックで繊細な
メロディをくちずさみたくなってくるのです。

そう、メランコリックで繊細といえば
もう、これしかありません。

”よよよ~れ~ひ~~””

あの、ヨーデル特有の絶妙なひっくり裏声が加えたい、、。

この瞬間、
まさしく、
アタクシの中の見解では
新しいジャンル 
『ヨーデルブルース』たるものが誕生したのです。

そして、

”よよよ~れ~ひ~~ シュビドゥビィ~””

なんとなく青江三奈風に口ずさんでみましたが
とてつもなく、気持ち悪かったです。

と、
こんな暢気な事をやってる場合ではございません。
アタクシの住んでる地区は
けして、治安がいい場所とは言いがたいところでございます。
とりあえず、
ヨーデルブルースはさておき、
高らかにイビキをかいてる
フランクのおっちゃんに向かって、

『なんにも取られなかったの? 
危ないよ~。早くかえんなよ~』

っと、ワサワサ揺り起こしながら耳元で叫ぶと
フランクのおっちゃんは、
大あくびをしながら

『大丈夫だよ~この年まで独身でいるとね~
女性からも物取りにも見放されちゃったかもね~~アハハ~』

アメリカンジョーク、、
時に涙を誘うせつなさよ、、。

ネイティブアメリカンの
生ブルースが胸に沁みた瞬間でした。

<本日の教訓&発見>

ブルースは理論よりもまず呼吸。
これ、人間、今を生きる為の基本かもね。