黒い瞳のジプシー生活

生来のさすらい者と思われた私もまさかの定住。。。

風呂場にスズメバチ

2009-11-17 17:22:56 | 日常
昨日の疲れがどうにか取れて目を覚まし
寝ぼけまなこでまずはトイレに行こうとしたら
バスタブの縁に見慣れぬ何かが居るのを見つけた。
季節はずれのゴキブリだろうか、それにしては大きいなと
思いながらメガネをかけて目を凝らして近づいてみると、
なんとそれはゴキブリではなく一匹の巨大なスズメバチで、
出口を求めて風呂場を飛び回るでもなく
時々バスタブの底に滑り落ちそうになりながらも
モゾモゾと縁の周りをはいまわっている
(ちなみにバスタブにはお湯も水も一切入ってなかった)。
頭が半分寝ぼけていたこともあって
しばらくは目を凝らしてジッと見つめていたものの、
それはやはり、どう見てもスズメバチであった。

――外は雨。予期せぬ恐怖のあまり、
「トイレに行きたい」という生理的要求が、ひっこんだ。


とりあえず風呂場のドアを閉めて
スズメバチが別の部屋に行かないように閉じこめたものの、
しばらくはどうしたらいいか分からなかった。
私の(実体験ではなく)見聞きした知識によれば、
スズメバチはゴキブリ以上によく飛びまわり
下手に近づくと刺してくるかお尻から毒をかけてくる。
その毒にやられれば、きっとひとたまりもないだろう。
何とかして外に追い出したいものだが、
そのための道具として活用できそうなものが
我が家にあるとは思えなかった。

家には誰もいなかった。
トイレで用を足したり家のなかをグルグル回りながら
おおよそ10分ほど考えあぐねたあげく、
私は素人考えで風呂場にワナを仕掛けることを思いつく。
ビニール袋のなかに黒糖味のアメちゃんを入れて
風呂場のドアの外の私の手の届く範囲に置いて
スズメバチをビニール袋の奥深くに誘いこむつもりだった。

――が、スズメバチはなかなかワナに近づいてこない。
アメちゃんの匂いにさえ気づいていないのか
私が最初に見たときと同じように、
スズメバチは鈍い動作でバスタブの縁を右往左往するばかり。
次第に、こちらがシビレを切らし始めた。


私はまた数分ほど考えた。

アメちゃんの匂いがちゃんとスズメバチに
届いていないのだろうか。
でもあんまりスズメバチに近づくのは恐いし――
こちらが近づいたためにスズメバチがパッと飛んできたら、
運動神経の悪い私はどうしよう??

・・・・・・いや、もしかするとこのスズメバチは、
体が弱っていて動きも鈍っているのかもしれない。
時間が20分近くたっているのに、相変わらずモゾモゾとして
ほとんどその場を動かないのだから。


――そうだ、水鉄砲ならあった!!


たいてい、虫は水圧に弱い。
私は遠くからスズメバチの体を濡らして
スズメバチを飛び回れなくしてしまう方法を
思いついたのだった。

私は急いで水鉄砲に水を満たしてそれを手にすると、
万一スズメバチがこちらに飛んできても
風呂場のドアでスズメバチの攻撃を防げるよう、
風呂場のドアの外からスズメバチを狙って
一心不乱に水をかけまくった。
スズメバチのほうはしばらくは水圧に耐えていたが、
やがて案の定バスタブの底に落下した。私はすかさず
風呂場の備え付けのシャワー(お湯)を勢いよくかけて、
ついにスズメバチをバスタブの底から
お湯と共に排水溝へ流し出すことに成功したのである。
スズメバチが排水溝に流されまいともがく姿や、
流されそうになりながらも
お尻から一生懸命毒をかけようとしていたしぐさが、
未だに目に焼きついているが・・・・・・


一件落着した今だからこそ
こう思う余裕も出てくるわけだが、
スズメバチには気の毒なことをしてしまったようだ。
(心なしかスズメバチが茹であがっているように見えたし)
こんな退治の仕方はしょせん無知な人間のやることだが、
あの時の私はこれしか方法が思いつかなかった――
ただそれが全てなのである。


注):以上のような方法では、
スズメバチ退治における安全性は保障できません。
良い子はマネしないでね^^;


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