日帰りで長岡(新潟県)に行った。
その一番の目的は、かの地ゆかりの偉人、河合継之助と
山本五十六の記念館に足を運ぶためであった。
まず、河合継之助の記念館に行ってみて初めて感じた
ことは、戊辰戦争のころも長岡藩士が会津藩を盟友の
ように考えていたらしいということ。
長岡藩もいよいよ薩長と戦わねばならなくなると、
まず先に一番大事な牧野のお殿様を会津藩に避難させる。
そして、河合継之助が膝を討たれて再落城しても、
そこで「もはやこれまで」――ということにはならず、
行ける人は会津にむかってなおも戦い続ける。
長岡藩はそれほどまでに会津藩を信頼し、また会津藩を
残して戦線離脱するなど思いもよらないことだった――
少なくとも、私にはそのように感じられ、これに強い
インパクト感じたのである。
そして、当時の薩長軍を「官軍」と呼ばず、あくまでも
「西軍」と呼んでいるところに強いインパクトを感じた。
一方、山本五十六の記念館に足を運んでみると、米軍に
撃墜された五十六の戦闘機の左翼の一部が展示されていた。
アメリカと戦うことに反対していたにもかかわらず
戦うことになってしまい、それでも逃げず、腐らず、
誠実にベストを尽くしてきた末に撃墜された人の無残な
残骸。そんな人を支えていたであろう使命感、あるいは
自尊心を想像すると、何とも言いがたい心境になった。
幸い戦争と無縁の生活をしていても、やりたくないこと、
困難なことと向き合わねばならないことがある――
そう思うにつけ、たとえ真似はできないとしても
心の琴線に触れる生き方ではあった。
河合継之助にしても山本五十六にしても、解釈によっては
不本意な戦いを強いられながらも誠実に戦いと向き合った
という点で共通している。だからこそ、私も彼らの記念館に
足を運んでみたくなった。――ただし、少なくとも
河合継之助については、本当にそれが不本意な戦いだった
と言い切れるとは限らない節もある。半藤一利さんは、
『もう一つの「幕末史」』のなかで評している――
(河合継之助は)「『どうしてもやるというなら存分に
戦ってみせる』の存念です。必ずしも、あくまで局外の
中立の立場を固守し、なんとか長岡藩を戦争回避の場に
持っていこうとするものではありませんでした。」
――「武装中立論者・継之助」という人物評に対し、
こうした異論があることについて問うてみたい
気もしたが、ついにそんな勇気は出なかった。
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その一番の目的は、かの地ゆかりの偉人、河合継之助と
山本五十六の記念館に足を運ぶためであった。
まず、河合継之助の記念館に行ってみて初めて感じた
ことは、戊辰戦争のころも長岡藩士が会津藩を盟友の
ように考えていたらしいということ。
長岡藩もいよいよ薩長と戦わねばならなくなると、
まず先に一番大事な牧野のお殿様を会津藩に避難させる。
そして、河合継之助が膝を討たれて再落城しても、
そこで「もはやこれまで」――ということにはならず、
行ける人は会津にむかってなおも戦い続ける。
長岡藩はそれほどまでに会津藩を信頼し、また会津藩を
残して戦線離脱するなど思いもよらないことだった――
少なくとも、私にはそのように感じられ、これに強い
インパクト感じたのである。
そして、当時の薩長軍を「官軍」と呼ばず、あくまでも
「西軍」と呼んでいるところに強いインパクトを感じた。
一方、山本五十六の記念館に足を運んでみると、米軍に
撃墜された五十六の戦闘機の左翼の一部が展示されていた。
アメリカと戦うことに反対していたにもかかわらず
戦うことになってしまい、それでも逃げず、腐らず、
誠実にベストを尽くしてきた末に撃墜された人の無残な
残骸。そんな人を支えていたであろう使命感、あるいは
自尊心を想像すると、何とも言いがたい心境になった。
幸い戦争と無縁の生活をしていても、やりたくないこと、
困難なことと向き合わねばならないことがある――
そう思うにつけ、たとえ真似はできないとしても
心の琴線に触れる生き方ではあった。
河合継之助にしても山本五十六にしても、解釈によっては
不本意な戦いを強いられながらも誠実に戦いと向き合った
という点で共通している。だからこそ、私も彼らの記念館に
足を運んでみたくなった。――ただし、少なくとも
河合継之助については、本当にそれが不本意な戦いだった
と言い切れるとは限らない節もある。半藤一利さんは、
『もう一つの「幕末史」』のなかで評している――
(河合継之助は)「『どうしてもやるというなら存分に
戦ってみせる』の存念です。必ずしも、あくまで局外の
中立の立場を固守し、なんとか長岡藩を戦争回避の場に
持っていこうとするものではありませんでした。」
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こうした異論があることについて問うてみたい
気もしたが、ついにそんな勇気は出なかった。
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