大坂の陣の時代をむかえていよいよ大詰めになった
大河ドラマ「天地人」。個人的には残念であるが、
私は今日は早朝から外出せねばならない
(つまり今回は、このレビューのために
月曜まで時間を費やすということができない)ので、
今回はいつもより手短に記していきたい。
まずは、今回のドラマと史実との相違点を
私の分かる範囲でまとめておきたい:
・大坂城にいる千姫を直接救出したのは、
堀内氏久という豊臣方の武将や、坂崎直盛という
徳川家の家臣であって、真田幸村でもなければ
ましてや直江兼続でもない。
・そもそも、真田幸村は大坂城が燃え始める前に
討ち死にしていたはずである。
・さらに幸村の実戦経験は大坂冬の陣の前の段階で
たったの一度か、多く見ても2度。しかもそれは
父親がする戦いに協力したかたちのものと思われる。
したがって大坂の陣の直前の幸村の実力のほどは
大坂方にとっては未知数だった可能性があり、
淀殿も幸村に対してはドラマのように
「頼もしい」などと評価していたとは思えない
(史実の淀殿たちは、真田幸村ではなく
むしろ父親の昌幸の参戦を期待したと思われる)。
秀忠は今回のドラマのなかで
さかんに娘・千姫の身を案じていたのだが、
彼はいざその娘の助命を画策しようというときに
どうして直接徳川に仕える家来たちよりも
外様大名の家来である兼続を信用して、兼続に
「大坂城攻め中止を父上(=家康)に諫言してほしい」と
頼む気になれるのだろうか。
たとえ秀忠の目には兼続が「義」に厚い武将に見えても、
それだけでは決して「秀忠を裏切らない」という保障には
なりえないのである(しょせん兼続は、自分の家来ではなく
ヨソさまの家来なのだから)。このドラマは例によって、
その点を動機付けるような描写がきちんと描かれていない。
そもそも正直言って私は、今回の放送の兼続の出番は
大坂・冬の陣の戦闘シーンだけで充分だと思っていたのだが
――まあ、やっぱり兼続はこの「天地人」の主人公、
そこまで言ってしまっては身もフタもないのだろう。
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大河ドラマ「天地人」。個人的には残念であるが、
私は今日は早朝から外出せねばならない
(つまり今回は、このレビューのために
月曜まで時間を費やすということができない)ので、
今回はいつもより手短に記していきたい。
まずは、今回のドラマと史実との相違点を
私の分かる範囲でまとめておきたい:
・大坂城にいる千姫を直接救出したのは、
堀内氏久という豊臣方の武将や、坂崎直盛という
徳川家の家臣であって、真田幸村でもなければ
ましてや直江兼続でもない。
・そもそも、真田幸村は大坂城が燃え始める前に
討ち死にしていたはずである。
・さらに幸村の実戦経験は大坂冬の陣の前の段階で
たったの一度か、多く見ても2度。しかもそれは
父親がする戦いに協力したかたちのものと思われる。
したがって大坂の陣の直前の幸村の実力のほどは
大坂方にとっては未知数だった可能性があり、
淀殿も幸村に対してはドラマのように
「頼もしい」などと評価していたとは思えない
(史実の淀殿たちは、真田幸村ではなく
むしろ父親の昌幸の参戦を期待したと思われる)。
秀忠は今回のドラマのなかで
さかんに娘・千姫の身を案じていたのだが、
彼はいざその娘の助命を画策しようというときに
どうして直接徳川に仕える家来たちよりも
外様大名の家来である兼続を信用して、兼続に
「大坂城攻め中止を父上(=家康)に諫言してほしい」と
頼む気になれるのだろうか。
たとえ秀忠の目には兼続が「義」に厚い武将に見えても、
それだけでは決して「秀忠を裏切らない」という保障には
なりえないのである(しょせん兼続は、自分の家来ではなく
ヨソさまの家来なのだから)。このドラマは例によって、
その点を動機付けるような描写がきちんと描かれていない。
そもそも正直言って私は、今回の放送の兼続の出番は
大坂・冬の陣の戦闘シーンだけで充分だと思っていたのだが
――まあ、やっぱり兼続はこの「天地人」の主人公、
そこまで言ってしまっては身もフタもないのだろう。
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