黒い瞳のジプシー生活

生来のさすらい者と思われた私もまさかの定住。。。

2022年正月のレビュー

2022-01-03 23:36:50 | 日常
新年、明けましておめでとうございます。
ツイッターでは一足先にあいさつしたが、
ここでは正月休み中に見た番組の感想などを書いていきたい。

まず、昨年ツイッターでも取り上げたドラマ「倫敦ノ山本五十六」。
このドラマの時代は連合艦隊司令長官として活躍する
真珠湾攻撃以前の山本五十六を主人公にしたものだが、
この「倫敦ノ山本五十六」は、真珠湾攻撃後の彼と同様
本来「勝てる男」なのに最初から勝ち目の薄い戦いを強いられ、
そこで何かを成さねばならない悲哀をかかえていたのが印象的だった。
そんな彼と同郷で、同じ悲哀をかかえて生きた先人・河井継之助に関連して
山本はこんな言葉を語ったという(これはドラマではとりあげられていない):
「私は河井継之助が小千谷談判に赴き、天下の和平を談笑のうちに
決しようとした、あの精神をもって使命に従う。軍縮は世界平和、
日本の安全のため、必ず成立させねばならぬ。」
最初から勝ち目の薄い戦いを強いられ、そこで何かを成さねばならない
立場に置かれた時、人はどのような心構えをもてばいいのか――
映画「燃えよ剣」の土方歳三のように、ひたすら自分の夢を追うことだけを
考えるというのも一つの解なのかもしれないが、山本五十六にとっては
帝国海軍の軍人として使命感を持つことがその解だったのかもしれない。
なまじ本来「勝てる男」だからこそ難しい使命を任されるし、
辛さのあまり退役したいと思っても許してもらえない。
そういう事情もあるので、「誰かがこれをやらねばならぬ」という使命感で
臨むしかなかったのかもしれない。
――ところで、ドラマでは山本が上司たちや国民の天動説的な外交姿勢や価値観に
悩み苦しめられ、最終的にはそのせいで英米との交渉も失敗に終わったのだが
今の時代の日本人は大丈夫なのだろうか。
ドラマの時代の山本の上司たちや国民のように、
天動説的な価値観で他国を見誤ってはいないだろうか。

一方、これはまだ放送開始されていないが、今年の大河ドラマは
北条義時を主人公にしたという「鎌倉殿の13人」である。
この時代が題材であるなら、埼玉ゆかりの武将、比企能員や畠山重忠なども
出るのだろうが、個人的に彼らはいずれも北条氏の被害者だと思っているので
北条氏に対しては実はあまり良いイメージがない。
当時、キラ星のごとく存在したであろう数多の有力な坂東武者たちを
政敵とみなして次々に消していったというイメージの北条氏であるが、
考えてもみるとそういうやり口は鎌倉殿こと源頼朝も同じだっただろうし、
何より、この大河ドラマの世界観でいえばこうしたイメージは
あくまで結果論にすぎず、当時の北条氏にしてみれば、
ただ毎日を必死で生きていたら結果的にそういうふうになっていった
――というところなのかもしれない。
まして、これは同じ三谷幸喜さんの大河ドラマの題材になった
新撰組にも当てはまることだろうが、鎌倉幕府の運営に携わる人たちも
組織運営のノウハウや後継者の育成や選び方など、分からないことだらけで
その苦労たるや後世の江戸幕府の比ではなかったのかもしれない。
初期の鎌倉幕府のドロドロとした権力闘争に、彼らの「生みの苦しみ」を
感じとるべきなのかもしれないのだ。

それでは、今年もよろしくお願いします。

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