DALAB情報発信用ブログ:OpenCAE+GPGPU+Peridynamics編

DALABで行っている研究活動の中で、OpenCAEやGPGPUや破壊解析の取り組みについてまとめてゆきます。

決済の仕組みについて

2005年10月11日 23時12分40秒 | Weblog
最近、便利になったなーと思うものとして、ウエブショッピングやETCシステムがある。これらを分析すると、階層的に次のような技術で成り立っている。
ウエブショッピングは、ホームページから注文した商品を、迅速安価に届ける宅配システムをその隠れた基盤としているし、ETCシステムも、路車間通信を基盤に、全国的な高速道路網による社会システムとなっている。それで、これらが本当に社会で活用できているのは、さらにこれらの共通基盤になっている、クレジットによる決済が可能になったからだと思う。
先に挙げた2つの例も、いちいち窓口に出向いて料金を払うとしたら、多分、利便性は大きく損なわれるだろう。これらが便利なのは、ウエブ上でクリック一発で注文できて、翌日には現物が届いて、後は勝手に引き落とされるからで、またカードさえ入れておけば、勝手に高速のゲートを通過して、後は勝手に清算されるからであろう。
つまり、これらの技術が社会で活用されるためには、便利な決済の仕組みを持つことが不可欠であり、それが今はクレジットカードになっている。
そこで、グリッドコンピューティングの今後を考えると、国家プロジェクトで予算が付いて専用計算機を導入して、一部の研究者が使う特別な道具ならば、それらは仲間内で勝手にやることが出来る。しかし、柴田らが提案するような、社会に展開するセミオープンなユビキタスグリッドを実現するためには、計算リソースを提供してくれた見返りに、何らかのメリットを返す必要があるが、現在はこの部分をまじめに考えていないから、グリッドが社会に浸透しないのだと思う。
そこで、クレジットの利用も考えるのだが、私的な購買活動とは異なるグリッドでは、組織での参加や現金の直接の取引において、問題が予想される。そこで、セミオープングリッドでは、グリッドを中心とした広域なコミュニティの中で、ネットワーク上に流通する仮想地域通貨を導入することを考えている。さらに、この仮想通貨を現実の世界で有効にするための、商店街や金融機関との連携も考えてゆきたい。
そこまで全体を見渡したプロジェクトを考えないと、先の2つの例のように、社会に展開してゆくシステムとして、グリッドが社会に受け入れられないと思う。技術者はどうしても要素技術の完成に全力を尽くそうとするが、そのシステムが社会に受け入れられるためには、資本主義の社会で、システムを維持運営してゆくだけの利益確保の活動を成立させないといけない。そのためには、クレジットに代わるさらに安心で便利な決済システムや、新しい地域通貨などの実現に取り組む必要があると思う。
また、建築から離れてゆくが、そこの所まで気を配って、ユビキタスグリッドを何とか実現したいと切望している。努力して、何とか実現するぞ!!

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