中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

「岡田さい配」の考察

2008-07-23 15:16:48 | Weblog
 いい風が吹いている。右から左に吹き抜ける俗名「浜風」。晴れた甲子園独特の

風だ。しかし、これさえもちっとも心地よくない。それほど暑い。「夏は暑いに決

まってらあ」と言われそうだが、今年は別に暑くないか。朝、テレビで天気予報を

見ていたら「来週はもっと暑くなりそうですから、お気をつけて下さい」と言って

いた。これ以上、どう気をつけろと言うのだ。外に出るな、と言っても仕事がある

し、水を沢山飲め、と言っても限度があろう。甲子園も夜になればちょっとは涼し

くなるが、それもほんのちょっとだ。

 自然に関してブツブツ言っても仕方ない。マジックが出たきのう(22日)の試

合を少しばかり振り返ってみると、中継ぎ投手陣の踏ん張りが、逆転勝ちの最大の

勝因だろうが、こちらの目には「岡田さい配」が強烈に映った。二回表までに4点

をリードされ、その裏の攻撃。二死一、二塁で投手・上園の場面。代打は当然だと

しても、矢野を起用するとは正直思わなかった。こっちは勝手に「狩野ぐらいか

な」と思っていたのだ。確かに、上園と野口のバッテリーは生彩に欠いた。だが、

二回でそっくりバッテリーごと替えるなど思いも及ばない。その代打・矢野は凡飛

に終わったが、以降の2打席連続で適時打を放つ。岡田監督の「早仕掛け」がピタ

リと当たった。

 1軍昇格させたばかりの庄田をいきなり使い、これも貴重な働きをした。まさに

監督の采配は神懸かっていた。昨年も策がピタリと当たって驚いたことがあった

が、きのうの場合は特別。はじめから内海を攻略できるという自信のもとに動いて

いたとしか思われない。岡田監督の思考その他は、本紙好評連載「とらのしっぽ」

が詳しく解説してくれていますから、ぜひご参考を。

 とにかく、前夜の岡田監督は、かつての高校野球の名将、池田高校の蔦文也監督

を思い起こさせた。「虎の攻めダルマ」。さあ、きょうの巨人戦はどうだろうか。

1つ勝ったからええわ、となるかそれとも、もう一丁!となるか。いずれにして

も、ボーグルソンの出来による。相手は憎っくきグライシンガーだろう。マジック

パワーをとくと見せてもらおう。