中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

岩田よ、今が正念場だぞ

2008-07-15 20:37:16 | Weblog
 外出から帰ってきてテレビをつけると、いきなり「0-6」という数字。何じゃ

こら!松田優作ではないが、思わず画面に毒づいた。えっ、松田優作の「何じゃこ

ら!」を知らんてか。「太陽にほえろ」のジーパン刑事ではないか。当時の松田優

作はかっこよかったなあ。銃弾を腹に受け、血がドクドク流れ出るシーン。両手で

腹をさわり、例の言葉を吐くのである。40歳台以上の諸兄なら、ご存じですな。

 そんなことはどうでもいい。とにかく阪神よ。休みのときはテレビでビール片手

に観戦するのだが、いきなりその意欲もなくなった(と言っても、最後まで見たの

だが…)。先発・岩田の大乱調が原因らしい。5回で降板するまで、何と被安打が

今季最多の11。いいように打たれた。

 矢野と初めてバッテリーを組んだ前回の巨人戦で、新しい一面が出たと思って喜

んでいたらこれだ。真っ直ぐもダメ。変化球もダメ。これではどうしょうもない。

先日、関大のOB・上田利治さんがテレビ解説で甲子園にきた際、後輩の大活躍を「

本当によくやっているよな。今年は投球フォームがよくなったから安定感がある。

彼がローテの中できちんと投げているのが大きいよ」と手放しでほめていた。だが

一方で「長い回を投げられないのは、持病(糖尿病)の影響があるのかもしれな

い」とも。ただ、この試合に限って言えば、長い回も何もない。たった2イニング

で6失点なんだから…。

 開幕から3カ月半、岩田は先発ローテーションの中でよく投げてきたが、相当疲

れもたまっていると思う。何せ実質1年目の、経験が浅い投手だ。これまで大崩れ

がなかったこと自体が不思議なわけで、ときにはこういう試合だってある。ただ、

これが何試合も続くといけない。この時期の調整法など、ベテラン・下柳に聞いて

みたらいい。見て、盗めばいい。今後本当の「エース」になれるかどうか、岩田に

とってこの夏場が正念場だ。

 打線も川島の前にお手上げ状態。見るべきものは何もなかった。息子が「金本が

せめて1点をとってくれたらなあ」とブツブツ言っていたが、確かにその通りだ。

しかし、新井が腰に張りを訴えて以降、打線は急激に落ち込んできた。やはり、彼

に引っ張られてきた、というのが改めてわかる。辛すぎる9連戦の初戦。岩田同

様、ここが最大の正念場になるだろう。