中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

頑張れ、新井!

2008-07-12 22:32:14 | Weblog
 「試合時間が長い!」とこぼしたとたん、久々に3時間を切る、比較的スピーデ

ィーな試合を見ることができた。といっても、阪神打線が3安打に抑えられた完封

ゲームではあったのだけど…。0-1という僅差の接戦で、この手の試合は普通は

勝つのだが、まんまと広島投手陣にしてやられた。本当に「まんまと…」という感

じの負け方だった。「狐につままれたような完封負けですね」と隣に座っていた本

紙評論家・江夏豊さんに言うと「ほんとやなあ」とうなづいてくれた。

 勝敗は別にいいとして、気になるのが、3番・新井の状態である。前日から腰の

張りを訴え、2日続けて試合前の打撃練習をしなかった。しかも、この日は守備練

習すらなし。試合に出ているのだから深刻ではないにしろ、相当無理をしていると

思う。でなければ、あんなスイングにはならない。この試合の4打席、すべて右方

向への打球だったが、おそらく、左に打とうとしても腰が回らないのだろう。やむ

をえず、右に当てるだけ、という感じのバッティングに見えた。

 阪神の独走は、新井を抜きにしては語れない。林がリタイヤした今、新井まで戦

列を離れては、快進撃にかげりが生じる。しかし、試合に出ながら治せる代物では

ない。腰の痛みは本当に厄介なのだ。ただ、北京五輪を来月に控えている身だけに

休んで治したいというのも心のどこかにあって当然。星野ジャパンでは、4番を打

つ大事な体である。新井自身ももどかしいに違いない。

 オランダにいる星野監督は、何やら肋骨(ろっこつ)を3本骨折したという。何

やら暗雲がたちこめてきた感じではないか。本大会まで残り時間は少ない。全員が

ピシッといい状態で揃うのは、もはや無理かもしれない。そこで星野さんの手腕が

試される。「けが人続出だから…」という言い訳は聞きたくない。死んでも結果を

出してもらおう。それくらいの決意で、監督を引き受けているはずだからな。