中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

「試練の9月」をどう戦うか

2009-08-31 14:50:23 | Weblog
 「民主圧勝」から一夜明け、何か変わったかと言えば何も変わってない。そら変わるわけないやん、たった一夜で…と言われるかもしれないが、この先も変わるはずはない。政権与党が自民から民主に代わり、総理が麻生氏から鳩山氏に代わるだけのことだ。我々庶民の生活が一気に変わるかと言えば、明らかに「NO」。民主が政権を担当する4年間で、少しはマシになればいい、と思う程度で、それ以上のことを望んではいけない。見てご覧なさい、全国でどれだけ素人同然の候補者が通ったと思ってるのよ。彼らに何ができる、っていうの?何もできません、しばらくは。もしかして、最後までできないかもしれん。

 もう勝った負けたはどうでもよろしい。今回の選挙で当選した「先生方」には一刻も早く「以前よりましな政治家」になってほしい。小沢某のような“選挙家”ではいかんよ。本当に国民のために働いてくれないと。頼むよ、ほんまに。

 勝った負けたで大事なのは、阪神の方よな。クライマックスシリーズ進出に向け、この9月は1つたりともおろそかにできん。3位・ヤクルトとの差は「5」。あすからの直接対決で少なくとも勝ち越しておけば、十分追いつけると見ている。全部勝て、というのは酷な話。だから、2つでいい、今回は。

 調子の上がっていない選手を無理に使う必要はない。今で言えば、腰などに不安がある赤星を無理使いしていないのは大正解。捕手だって、狩野と矢野のすみ分け
ができている現状でいいと思う。真弓監督には、周囲に遠慮せず、己の信念に従ってさい配してほしい。当然「己の信念」をはっきりさせての話だが…。

 ここに来て「真弓色」というものを見せ始めている感じは受ける。だが、まだ足りない。もう少し自分の口で、または他のコーチの口を借りて「俺はこうしたいんだ!」というものを言えばいいのに、と思う。就任1年目で、こんなに語らない監督も珍しい。そこんとこは大いに不満である。

 ともあれ、あすの初戦、安藤で何とかいただきたい。館山さえ潰せば、勝ち越したも同然。初戦必勝あるのみだ。
 

選挙、行ってきましたで!

2009-08-30 14:20:40 | Weblog
 甲子園に“出勤”する前に、衆議院議員選挙の投票に行ってきた。国民の義務でもあるし、行かないわけにはいかない。「政権選択選挙」と言われる今回、果たしてどっちに入れるべしか…。何てことは全く考えず、いつも通り、己の信念を貫いて1票を投じた。自民も民主もいれていない。いずれの党もいい加減だし、候補者に何の魅力も感じなかったので、全く違う候補、政党に入れた。といっても、○福○現党ではありません。

 民主圧勝、政権交代確実の情勢だけど、本当にそれでええのかね。一度やってみたらいいとは思うが、あまり勝ちすぎてもあかんのじゃないか。鳩山氏が総理になり、影のボスが小沢某。それに、常に上から目線でしゃべる管氏がいて、フランケンシュタインのような岡田某…。彼に何ができるのか。過剰の期待は禁物で、国民はよく目を凝らして見ないといけない。

 選挙一色という日に行われる今季最後のTG戦。またまた下柳vs高橋尚かね。前回は何げに勝てる気がしていたけど、今回はわからん。これまでとは違い、巨人の4番・ラミレスが当たりに当たっているからなあ。きのうの弾丸アーチなどホント素晴らしかった。下柳がこの助っ人をどう料理するか。打たれても単発ならいい。走者をためてのゴン、が怖い。

 高橋尚からは3、4点は取れるだろう。よって5点以上取った方が勝つ。きょうは楽観的にいこうかな。勝ちますよ、絶対。記者席から「念」を送っておきますわ。

「光」が見えた初戦快勝

2009-08-29 14:40:02 | Weblog
 何や変な天気の甲子園です。「今、梅雨でっか?」というような、ムシムシとした空気で鬱陶しい。シャツに汗がまとわりついて気持ち悪いこと。季節が2カ月逆戻りした感じすらする。あしたは衆議院議員総選挙だというのに、何か行く気も失せるねえ、こんな天気じゃ。

 初戦首位・巨人に勝ったとて「政権交代!」にはならないけど、それでも阪神にすれば多少の光が見えた気がした。活躍した連中がいいじゃないか。ダメ押し点を叩き出した高橋光は別にして、8勝目を挙げた能見、逆転3ランの狩野、3安打と爆発の桜井、そしてセフティーバントから足で内海をかき回した大和…。「これからの阪神を担う選手たち」でもって優勝マジックが点灯している巨人を倒したことが大きい。

 大和などは攻守共にまだまだ力不足は否めないけど、ああしてスタメンで使っていくうちに必ず成長する。ああいうセフティーバントで内海を崩したというのは、彼にとっても大きな自信になるだろう。ミスはミスとして反省すればいい。

 さて、問題のグライシンガーだ。このカード、いつも初戦は能見で取るけど、2戦目は必ずこのグライに完敗してきた。そのパターンも今回で4度目。ボチボチ何とかならないものか。巨人が能見を何とかできなかったのだから、反対も十分有り得るのだが、それでも何とかしたい。その前に、先発予想の阿部が木っ端みじんにされるだろうが…。いつぞやの筒井と同じよ。早めの継投でいかんとしゃあないやろうな。

 話は変わるが、横浜スタジアムでの試合途中に外野フェンスから転落して重体だった男性が亡くなられたらしい。これはもうお気の毒としかいいようがない。楽しいはずの野球観戦が一転、とんでもない悲劇となったのだから…。事故が起こったとき、一緒にいた子供さんが泣きじゃくっていたという。そんな光景を想像するといたたまれない。今後二度と野球での悲劇が起こらないことを、切に望む。

久々の甲子園、だが…

2009-08-28 16:25:56 | Weblog
 約4週間ぶりに、阪神が甲子園に戻ってきた。個人的にはこの間、高校野球取材班に差し入れをするために来たのだが、阪神の仕事となると、ほんに久々。こうして記者席からグラウンドを見ていると、やっぱり8月も末だなあということを痛感する。まして、巨人に優勝マジックが点灯した状況ではなおさらのこと。去年は反対だったのに…とグチを言っても始まらない。これが現実なんだから。

 きのう(27日)の試合は振り返るまいと思っていたけど、まだ悶々としている部分があるので少しだけ書いておく。久保や江草にどうこう言うのではない。あの球審に対しては言っておこないとな。山本さん、それはないだろう!

 七回二死満塁から久保がジョンソンに与えた押し出し四球。確かに、最後のあの外角への真っ直ぐは、ほんの少しだけ外れていたかもしれない。でもね、あれをボールと判定してどうするのよ。状況は0-0の投手戦。あの最高のボールがストライクとなり、なおも緊迫の試合が続くとなれば、観衆のボルテージはもっと上がるでしょうがよ。何も阪神が負けたからどうこういうんじゃない。球審は「試合の空気」を読んでジャッジをしてほしいんだ。あれが反対であっても、俺は何も言わないよ。「しょうがないな」と苦笑いするだけだろう。

 これを含め、きのうの球審はおかしげなジャッジがたくさんあった。それも含めてプロ野球とはいえ、もう少し審判も腕を磨いてほしいもんだ。コースをきっちり取れ、と言ってはいない。「状況を読む力」を養ってほしい。

 ということで、今季最後のTG戦。阪神最後の意地に期待するが、マジックが点灯した巨人の勢いは止められんやろうな。悲観的で申し訳ない。

一皮剥けてきた感がする桜井

2009-08-27 13:56:24 | Weblog
 3カード連続負け越しで始まった今年の長期ロード。その時点でまさか勝ち越しができるとは、はっきり言って想像すらしなかった。それが何と30年ぶりとなるロード4カード連続の勝ち越しに成功。チーム全体の状態は決して盤石ではないのに、着実にカード2勝1敗で借金を減らしてきた。ということは、今までが「負けすぎ」であり、普通やればこれだけの力があったということになる。

 きのう(26日)の試合は、五回の一挙9点がすべてだったが、個人的にはブラゼルの1イニング2本塁打より、桜井の単打1本の方が目に止まった。助っ人の一発で同点とし、次がその桜井。左腕ウォーランドの投じた内角低めの真っ直ぐをうまくバットを出してセンター右に運んだ。思わず「うまい!」と唸ってしまったバッティング。もしこの一打がなければ、ブラゼルの一発止まりで終わっていたかもしれない。

 それと八回表に工藤から放った左前打も見事だった。内寄りの真っ直ぐだったと思うが、これもきれいにバットが出た。はっきり言って「もう終わった」と思っていた桜井が、使われていくうちに変ぼうを遂げだしたように感じる。何があったかはわからない。もしこのままのペースで打ち続け、シーズン最後まで右翼のポジションを守りきったのなら、来年また期待できる。真弓監督には投手の右左にかかわらず、使い続けてほしい。もう一歩、なんだから。

 きょうの時点で、ヤクルトとの差が「6・5」。これはもう射程距離内と考えていいんじゃないか。追う方の強味をいかんなく発揮して、残りの約1カ月で追い抜いてしまおう。こうなると、ヤクルトが最下位・横浜に弱いのが阪神には追い風となってくる。その前に、三浦攻略だな。いつも書いているように、最初の一、二回が勝負。調子が出てくる前に叩き、逃げ切りといこう。

とりあえず、ホッ!

2009-08-26 12:24:01 | Weblog
 前日に花巻東・菊地くんがの「メジャー志望」について書いたら、今日付けの新聞には「決めた 国内一本」とあった。あらっ…そうなの?「8割方メジャーに視線がいっている」なんて書いた手前、拍子抜けというか何というか…。でも、よかった。菊地くんにはどの球団であれ、日本でしっかりやってから目標に向かってほしい。タイトル通り、とりあえず、ホッ!だ。

 全国優勝した中京大中京のエース・堂林くんは、投手の未練を断ち、野手1本でプロで勝負するみたいだ。確かに、投手としてのセンスもあったと思うが、見るからに野手向き。あの打撃センスはすぐプロでも通用する。もちろん、個人的な観測であるが…。体格もルックスもいいし、彼も阪神が獲ってほしいね。中日にかっさらわれる前に、すっと指名したいところだ。

 で、阪神である。前日(25日)の横浜戦。勝つには勝ったけど、すっかり横浜に助けられた。本紙3面連載「みやんじぃの世界」にも書かれているように、横浜は負けるべくして負けた。六回裏の攻撃がそのいい例。

 1-1の同点で、一死一塁。打者が2番・藤田。安藤の初球、高く浮いたボール球の速球を打つ(結果はレフトへ勝ち越し2ラン)のだが、あのクソボールを打つ気がしれない。次が打撃好調の内川ということを考えれば、じっくりとボールを見極めるのが2番の役割と違うのか。ストライクなら積極的に初球から打つのもいいけど、完全なボール球だよ。

 その前に、この打順であれば一死からでも犠打、もしくは足を絡めたエンドランという策を採るのが普通じゃないか。右から左に吹く風に乗り、結果的に勝ち越し2ランとなったけど、風が逆、もしくはなければ完全な左飛に終わっていたはず。初球のボール球を簡単に打ち上げて凡飛となれば、ベンチのさい配も疑われる。きのうの試合は一事が万事だったように思った。

 この横浜がヤクルトに強い、というのが不思議でならない。相性、と言えばそれまでだが、これも野球の難しいところなんだな。

すっかり「秋気配」の横浜

2009-08-25 14:45:13 | Weblog
 「夏」の高校野球が終わり、すっかり秋めいた感があるが、実際、横浜に着いて「夏が終わったんだなあ」という実感を持った。空は青いが、空気がほどよく澄んでいて気持ちがいい。そう言えば、去年のこの時期にも横浜に来たんだっけな。あのときは甲子園で巨人にトドメを刺せなかったのが原因となり、横浜にもいいようにしてやられた。そこから凋落の道を辿っていくことになるのだが、もう1年が経ったんだな。時の移り変わりは本当に早い。

 ところで、花巻東の菊地雄星くんは、メジャー志望なんだねえ。日本のプロも選択肢の1つにあるようだけど、うちを含む各紙の原稿を読む限りは、8割方メジャーに心が傾いている感じがする。本人の意志なんだから、それに対してどうこうは言えないけど、何だかなあ…という感は否めない。

 去年の田沢(レッドソックス)のように、社会人の選手が日本のプロ球団にドラフト指名されず、海に渡ったケースはあるけど、彼は高校生だからねえ。数球団の競合が予想される超有望選手が行って先例を作ってしまえば、これからどんどん同じように日本のプロをパスしていく選手が出てくるだろう。

 彼のメジャー志望は、ドラフト1位でいくはずだった阪神やその他球団にとっては相当こたえると思う。戦略の方針転換すら真剣に考えないとあかんかもしれない。それはいいとして、菊地くんにとっても「いきなりメジャー」でいいのかどうか。まだまだ未完成な18歳、言葉もままならない異国できっちりとしたプロの身体を造り、活躍できるまでなれるのだろうか。その点において心配になる。

 毎年言われていることだが、日本プロ野球機構はMLBとしっかりとした話し合いの場を設け、選手獲得についてのルール作りをするべきじゃないか。若いいい選手を獲られたい放題では、日本のプロ野球に未来はない。ほんと、しっかりやってほしいもんだ。

大井監督、おめでとうございます!

2009-08-24 15:47:23 | Weblog
 今、高校野球の閉会式を万感の思いで見ている。いや、このブログを書いているから、横目でチラリと見ているというのが正解か。夏が終わった。終わりました。素晴らしい記憶を刻んで「09年夏」がフィニッシュであります。

 どこかの元総理じゃないけど、一言でこの決勝戦を表現するなら「感動した!」となるかな。優勝した中京大中京のエース・堂林君、彼の打撃はすごい。ホントにセンスの塊だ。最後、エースとしてあと1人が取れず、優勝インタビューで「すみません」と謝ったが、誰に謝ることがあろうか。泣いてそういう彼を見て、こっちも思わず涙が出てしまった。

 ああ、高校野球。ものすごい追い上げを見せた準優勝・日本文理の大井監督にはあえて「おめでとうございます!」と言いたいなあ。新潟県勢初のベスト4から準優勝だもん。よくぞここまで鍛え上げたもんだ。試合後、大井さんが漏らした言葉が印象的だった。「野球は甘くない」―。

 あしたから横浜に行くが、この言葉は胸にしっかりと刻んでおきたい。本当に、野球は甘くない。高校球児から学ぶものは多い。また学ばせていただいた。ありがとう、甲子園。これで、秋が来る。

こっちに来いよ、菊地くん!

2009-08-23 20:30:18 | Weblog
 気分転換に出掛けた田舎から、たった今戻ってきた。子供の友達家族(何と全部で8家族)と共に、中型バスを貸し切っての一泊二日小旅行。行く夏を惜しむように海に入り、夜は宴会、そしてきょうの昼はバーベキューをして帰ってきた。いやあ、疲れたけど楽しかったですわ。残念だったのは阪神戦が見られなかったことですかな。せっかくサヨナラ勝ちしたというのに…。
 
 おのおのがた、レポートありがとさんです。そんなことがあったんですなあ。金本が怒りましたか。年に1度はあるんです。自らの不甲斐なさに対する怒りを爆発させることが…。バットを叩き付け、ベンチを蹴って、見ているおこちゃまたちによくない!という声に対し、個人的な意見を申しますれば、あれもプロとしての感情の発露であってそう責められるものじゃない、と思うんですよね。死球を受けても平然と一塁へ歩く金本ですよ。そんな彼でも抑えきれない自分自身への怒りがある、ということでしょう。
 
 ただ、それがチームのサヨナラに結びついたという「結論」はいかがなものかとは確かに思う。それ以上は書けません。

 話題を変えて高校野球。菊地くんの花巻東は惨敗しましたな。準々決勝のあのアクシデントがすべてだったんだろう。決勝のマウンドに立たせてやりたかったのはやまやまなれど、これも高校野球。勝った中京大中京は立派だし、花巻東も春に続いてよく頑張った。菊地くんには、阪神にきてほしいねえ。何とかくじで引けないものか。それと新潟に日本文理。以前、箕島元監督の尾藤さんと日本文理を訪ね、大井監督を取材したことがあった。愉快な監督さんで、子供思いだなあという印象を持った。あすの決勝戦が楽しみだ。

照る日、曇る日いろいろよ

2009-08-22 05:10:38 | Weblog
 結局0-9ですか。笑うしかないよな、この惨敗じゃ。しかしね、この試合だけを楽しみに京セラへ足を運んだファンがいるわけで、一つくらい「見せ場」を作ってくれてよかったんじゃないか。それが「ブラゼルの出場」だけではやっぱり寂しい。あの程度の広島投手に完封負けは、きょうの2戦目、あすの3戦目に影響を及ぼす。結果的に負けでも「猛追」が欲しかった。

 タイトルにも書いたが、照る日、曇る日いろいろある。今年の阪神はこんなもの、とスパッと切り替えてきょうの試合を見ようよ。ご指摘の「能見」についてはすんませんがまた後日に。気分転換で田舎の海に行くので、中継が見られない。またレポート頼みますよ、おのおのがた。