この日の横浜スタジアムは実に賑やかだった。試合前の阪神ベンチに、あの大物
俳優・渡辺謙氏が現れたと思ったら、お笑いのダウンタウンや雨上がり決死隊、キ
ャーン、山口智充らが大挙してやってきた。横浜の親会社・TBSの番組に出演して
いる彼らが始球式をするというので、試合前から騒々しかったのだが、実際はそん
なに盛り上がってなかったようにも見えた。開始までの数分間だから、彼らがスタ
ンドを笑かすには、少し難があったようにも思う。しかし、こっちの前を横切って
いった松本氏は、何だかオーラのようなものを感じたな。
大の阪神ファンで知られる渡辺氏などは、試合中、我々が見ていた記者席までや
ってきて、デイリー軍団の後ろの席に座って見ていたのだよ。少しの時間ではあっ
たけど、近くにあの渡辺謙がいると思うと妙にソワソワしてしまって…。年甲斐も
ない話だが、何せ大好きだった「独眼流政宗」だぞ。しょうがないじゃないの。
試合は普通に阪神が勝った。最初からわかっていることだから、それはよろし
い。ここで書きたいのは、大量得点差の八回から出てきた3番手・太陽のことだ。
大量得点差で負けているときの登板はあっても、反対のケースはこれまでになかっ
た。しかし、気楽に投げられるのは同じこと。まして、相手はもう試合を捨ててい
るのである。すんなりゼロでいくのが普通なのに、代わり端の小関に四球を出し、
続く仁志にも安打されて結局この回2失点。九回にはその小関に一発まで食らって
しまった。大勢には全く影響はなかったが、太陽本人には辛い失点だ。彼は「あす
なき身」の男なのである。
プロ8年目。期待された大型右腕も、故障などもあり、鳴かず飛ばずでここまで
きた。最後の挑戦とばかりに、今季はサイドに変えた。とにかく、何でもいいから
結果が必要なのだ。こんな試合の登板で、コツコツ普通に無失点を重ねていくこと
しか生きる道がない。なのに3失点。「背番号15」は、いつまでも待ってくれな
い。弱肉強食のこの世界。残った結果がすべて、なのだ。
しかし、横浜は弱い。マシンガンだったあの頃は、もう帰らない。ああ、ヨコハ
マ、たそがれ…。
俳優・渡辺謙氏が現れたと思ったら、お笑いのダウンタウンや雨上がり決死隊、キ
ャーン、山口智充らが大挙してやってきた。横浜の親会社・TBSの番組に出演して
いる彼らが始球式をするというので、試合前から騒々しかったのだが、実際はそん
なに盛り上がってなかったようにも見えた。開始までの数分間だから、彼らがスタ
ンドを笑かすには、少し難があったようにも思う。しかし、こっちの前を横切って
いった松本氏は、何だかオーラのようなものを感じたな。
大の阪神ファンで知られる渡辺氏などは、試合中、我々が見ていた記者席までや
ってきて、デイリー軍団の後ろの席に座って見ていたのだよ。少しの時間ではあっ
たけど、近くにあの渡辺謙がいると思うと妙にソワソワしてしまって…。年甲斐も
ない話だが、何せ大好きだった「独眼流政宗」だぞ。しょうがないじゃないの。
試合は普通に阪神が勝った。最初からわかっていることだから、それはよろし
い。ここで書きたいのは、大量得点差の八回から出てきた3番手・太陽のことだ。
大量得点差で負けているときの登板はあっても、反対のケースはこれまでになかっ
た。しかし、気楽に投げられるのは同じこと。まして、相手はもう試合を捨ててい
るのである。すんなりゼロでいくのが普通なのに、代わり端の小関に四球を出し、
続く仁志にも安打されて結局この回2失点。九回にはその小関に一発まで食らって
しまった。大勢には全く影響はなかったが、太陽本人には辛い失点だ。彼は「あす
なき身」の男なのである。
プロ8年目。期待された大型右腕も、故障などもあり、鳴かず飛ばずでここまで
きた。最後の挑戦とばかりに、今季はサイドに変えた。とにかく、何でもいいから
結果が必要なのだ。こんな試合の登板で、コツコツ普通に無失点を重ねていくこと
しか生きる道がない。なのに3失点。「背番号15」は、いつまでも待ってくれな
い。弱肉強食のこの世界。残った結果がすべて、なのだ。
しかし、横浜は弱い。マシンガンだったあの頃は、もう帰らない。ああ、ヨコハ
マ、たそがれ…。