中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

「蕭一傑」の可能性

2008-10-31 08:37:36 | Weblog
 大阪・中央区のNTT西日本本社で、ドラフトの模様をネットで確認しながら、注目左腕・藤原がどこに指名されるか、注目していた。阪神は早大の松本を横浜との抽選で外し、この藤原を指名した。おっ、こっちに1面が回ってきたか。そう思ったのもつかの間、楽天も藤原にきた。今度はつかむだろう。そんな予測をあざ笑うかのように、阪神はまたも外すのである。で、奈良産大の蕭一傑となった。

 俺には関係ないか。思った瞬間に携帯が鳴った。会社の野球デスクからだ。「奈良産大に行ってもらえます?」。ええよ。そう言ったそばからパソコンを片付け、NTTを飛び出した。光ファイバーならアッと言う間に奈良へ行けるが、こっちは生身の人間、時間がかかる。と言っても、45分で大学に着いた。会見はすでに終わり、専用グラウンドで仲間たちの胴上げが始まるところだった。

 そんな自分のことはどうでもよろしい。蕭くんのことだ。初めて取材する子だから、印象だけを書く。端正なマスクに、彼の真面目な性格がにじみ出ていたように思う。台湾から日本の日南学園に入り、そして奈良産大に入学した。柳川から近大に入って阪神に来た林とパターンは同じ。その林同様、温厚で野球に真摯(しんし)に取り組む好青年、といった感じか。

 記者との応対もきちんとしていて、とてもいい。激しさに欠けるのかな、と思ったが、大学3年まではストッパーをしていて、打者の胸元を計算して突けるという。内面は強いのだろう。たまたま「外れの外れ」という指名になったが、日本ハムが単独1位を予定していた(実際は違ったが)ほどの逸材である。阪神はそう嘆くこともない。

 この選手をどう育てていくか。これは首脳陣の手腕にかかってくる。同じ関西の大学で名を馳せた山口新投手コーチに、期待をかけたい。蕭の秘めたる可能性を引き出してくれることを切に望みたい。

 台湾で生まれ、文化の違う日本の高校と大学で、言葉を覚えながら野球一筋でここまでやってこれたというのは、相当な我慢と辛抱がいったことだろう。それに耐えてきて阪神の1位をつかんだのだから、これは一種のサクセスストーリーと言える。今からはその「第二章」。彼の成長と活躍を、温かく見守ってやろう。

 阪神のスカウト連中は、今回の結果にうなだれていると聞く。しかし、自分たちがチョイスした選手たちなのだ。少なくとも、表面上は胸を張ってほしい。でなければ、指名した選手に失礼だろう。ただ、返す返すも残念だったのは、ドラフト会場に新監督が行かなかったこと。新監督が行かないんなら、何の役にも立っていないSDが行けばよかったのだ。これは、ラジオで六甲おろしを歌いまくる熱狂的虎ファンが言っていた受け売りだが…。

実りあるドラフト会議に

2008-10-30 13:59:50 | Weblog
 もうすぐ、今年のドラフト会議が行われる。指名を待つ選手たちは、胸を高鳴らせていることだろう。意中の球団に指名されるのか、指名そのものがあるのかどうか…。4年ぶりに高校生と大学・社会人が同じ日になり、昔のドラフトが戻ってきた感がある。取材する側にしても、胸が躍る。

 今年のドラフトは「人材難」と言われてきた。実際、ある球団のスカウトからそんなことを聞いた。日本のドラフトを拒否し、メジャーへの挑戦を決めた田沢(新日本石油だったっけ?)ですら「豊作の年なら、並みの上」程度というから、全体的なレベルはそう高くはないのだろう。確かに、東海大相模の大田に数球団が競合するという状況をみれば、それもうなづける。

 阪神は誰を指名するのか。松本(早大)かそれとも“巨人ラブ”の長野(ホンダ)か。昨年の高浜と白仁田は、素質は持っていても、故障も持っていた。それを考えれば、やはり身体が強い選手、ハードなプロの練習に耐えられる選手がいい。即戦力ではなくとも、2、3年後に面白い選手。個人的にはそんな選手を獲ってもらいたい。

 闘争心旺盛な若い選手が鳴尾浜にうじゃうじゃいる。そういう状況を早く作ってほしい。そこから1人でも2人でも1軍にはい上がっていけるシステムになれば、強いチームになっていくだろう。真弓新監督が「若手の育成」を掲げているが、まずは育成するにたる素材を獲らないといけない。

 今からいくNTT西日本の藤原という投手は、どうだろうか。阪神の他に、ヤクルトとオリックスが狙っているという。さあ、会議開始まであと1時間。彼の心臓の鼓動が、ここまで聞こえてくるようだ。

「プロ」の引き際

2008-10-29 08:30:04 | Weblog
 高橋尚子の引退会見を見ていて、今なお尊敬してやまない「巨人・王選手」の引退をだぶらせた。王選手が引退したのは1980年だから、もう28年も前の話になる。40歳で現役を退いたスーパースターは「王貞治らしいホームランが打てなくなった」と語り、静かにバットを置いた。その年、30発を打っていたにもかかわらず…。

 「プロ」の引き際とは、こうなのかなと考えさせられた。もっとも、今ではメタボなおっさん記者も、当時はまだ鼻垂れ坊主の中学生。「まだやれるやんか!」と思うだけで、プロ的な発想をしたのは、ずっとあとになってから。この世界に入ってからかもしれない。

 彼女の言う“プロ高橋”とは、マラソンを走ることで生計を立てる「職業ランナー」のことで、それによって多くの人々に夢を与える選手のことだと理解している。肉体的衰えで、プロの走りができなくなった。夢を与えるようなパフォーマンスができなくなった。“本物のプロ”である彼女の選択は、当然と言えば当然で、むしろ、もっと早くてもよかった、と個人的には思う。

 強いランナーだった。2000年シドニー五輪での驚異的な優勝は、見ていて鳥肌が立った。この選手をしのぐものはしばらく出てこないだろう、と思わせるほど強かった。ただ、その後に国民栄誉賞を受けたのが心に引っかかった。「あんなものをもらって、プレッシャーにならなきゃいいがな」と。もちろん、彼女が悪いわけでも何でもないのだが…。

 一世を風靡したアスリートたちが、次から次へと退いていく。「悔いはない」と言い切るこの高橋や清原の一方で、野茂などはその反対で「悔いがある」と未練をのぞかせた。どっちがよくて、どっちが悪いと区別できない。それぞれが、己の信念、プロとしての決断の結果だから、周りがどうこう言う必要はない。我々庶民が言えることは、ただ残念、という気持ちと、お疲れさま、というねぎらいだけである。

 

「WBC・原監督」について

2008-10-28 07:51:40 | Weblog
 混迷の末、ようやく「WBC監督問題」が決着をみた。きのう行われた体制検討会議で、巨人・原監督に要請することで一致した、らしい。今朝の新聞に大きく出ているので、わざわざここで内容を紹介する必要はないが、やっと落ち着くところに落ち着いた感じがする。

 「現役監督は難しい」という前提からスタートした今回の監督問題。考えてみると、初めから“星野ありき”だったように思う。コミッショナーもそのつもりで絵図を描いていたのだろうが、その通りにはならなかった。

 王特別顧問を中心とした検討会議でも、根回し?の末に「星野」で固まりかけたものの、楽天の爺さんがポロッとしゃべってしまったことをきっかけに、海の向こうのイチローが「北京のリベンジにしないでくれ!」と正当なクレームをつけた。誰もが思っていたことを、メジャーの実力者が言ってくれたことで、変な“歪み”が一気に解消へと向かう。そして、原で決まった。

 さい配がどうこう言われるが、原さんでいいと思う。まず人間が悪くない。華もある。イチローや松坂、黒田らメジャーの実力者に囲まれ、笑顔でベンチに座っているだけでいいのだから、あれこれさい配を考えなくていい。裏で“根回し”だけをしておけばいいのだ。そして何より、若いのがいい。過酷なスケジュールに耐えられる若さは、今回の場合、絶対条件とも言える。

 前回のチャンピオンだが、気負う必要はない。少なくとも、個人的には負けてもともとと思っている。前回だって幸運なだけだった。これだけゴタゴタして連覇などと言えたもんじゃない。だから、原さんも気楽に行けばいい。アメリカでの本大会に出場すれば、それでよし、と言える。

 そして、阪神・真弓新監督である。会見をのぞいてきたが、はっきり言ってもう一つピンとこなかった。「誠心誠意」を2回言ったことが頭に残っているが、もうワンパンチ足りないような気がした。スマートだが、激しさがない。これは徐々に出てくるとは思うが…。ま、始まってみるまでは何とも言えない。評価は実際にシーズンがスタートしてからでいいだろう。

 原さんにしろ、真弓さんにしろ、肩の力を抜いていきまっしょい!

アントニオ猪木と「ブルースリ」

2008-10-27 08:20:49 | Weblog
 お前は「学習能力」がないのか!そんなことを言われているのだろう、きっと。今朝、自分のブログをデイリースポーツのHPで確認したら、例によって2行目の途中で切れ、また改行が変になっていた。以前にこれが「読み辛い」と指摘されたことで、少しやり方を変えてみた。それで何とかなっていたと思っていたのだが、何ともなっていなかったようだ。やっぱり、読み辛い。だから、またまたこのパターンでやってみる。

 「文字が詰まって読み辛いわ」とおっしゃる方、すみませんね。いろいろ試行錯誤しながらやってるんで…。少しの間、辛抱してくださいな。

 きのうの競馬・菊花賞を振り返らないといかんだろう。言葉もありません。自分の◎、2のノットアローンは一周目から果敢に逃げたものの、早くも3コーナー手前で大失速、4コーナーではズルズルと下がって最後方に沈んだ。ノリちゃん、それはないで!というこっちの声も空しく、馬券は紙くずとなって宙に舞った。勝ったのは、△の14オウケンブルースリ。押し出された1番人気でも、堂々たる勝ちっぷりだった。

 テレビを見ていたら、中継ゲストとしてアントニオ猪木が出ていた。猪木氏の首にはピンクのマフラー。その氏は、5のナムラクレセントを推している。ピンクの8枠か、それとも5のナムラか。どっちかを買い足そうと思ったが、やめた。かつて、買い足して成功したためしはない。ところが、その5ナムラが3着に激走するのである。

 猪木に「ブルースリ」の格闘技つながりに、氏の推した「ナムラ」。2着の1・フローテーションが拾えたら、あの馬券も獲れたいたのだろう。でもね、それはあとの祭り、アフターフェスティバルよ。しょうもない?ごめんちゃい。

 終わったことは忘れよう。切り替えの速さだけが取り柄の私、心は次の天皇賞・秋に飛んでいる。こっちも面白いぞ。ウォッカにディープスカイ、ダイワスカーレットなど、役者が揃っている。その頃は日本シリーズの真っ最中。また後楽園のウインズに出撃か。

 きょうは阪神・真弓新監督の就任会見が大阪市内のホテルで行われる。これからその会見を見てこようと思っている。何をどんな表情で語るか。スタートが肝心だけに、第一声に注目したい。

巨人はやっぱり強かった

2008-10-26 11:46:41 | Weblog
 東京から帰還した。逃げるように帰ってきた。別に逃げる必要など何もないのだ

が、心情的にはそうなのである。中日が負けただけで、阪神が負けたわけでも何で

もない。阪神が負けた中日が粉砕されたのが、どうも引っ掛かり、Gファンが大騒

ぎした東京をすみやかに立ち去りたかったわけだ。乗った新幹線は、朝一番ののぞ

み。午前5時前に起き、眠たい目をこすりながら、飛び乗った。

 一応、昨夜の試合を振り返っておく。中日の先発・チェンはもう少しやるかなと

思っていたが案外で、打たれるだろうと予測していた巨人・高橋尚が頑張った。八

回に中日が追いついたときは、逆転するかもしれん、と思ったが、ラミちゃんの一

撃がすべてを変えた。さすが4番、と言える勝ち越し2ランだったが、落合さんは

なぜ7回に投入した左腕・高橋を続投させたのだろう。同点に追いついたのなら、

浅尾でいいではないか。少なくとも、伏兵・寺内に二塁打を打たれた時点で、ラミ

ちゃんを歩かせるべきだった。そうすれば、原監督は李にバントをさせ、失敗して

くれたはず?だ。何かスーッと流してしまったような気がしてならない。

 クライマックスシリーズ第2Sを通してみると、やっぱり巨人の分厚い打線が目

についた。阿部がいなくて、高橋由がさっぱりでも、他で十分埋められる。小笠原

やラミレスが期待通りに働くうえに、脇役陣が各々の仕事をこなすのだから、強い

はずである。控えの層だけを比較すれば、阪神などとても太刀打ちできない。亀井

や脇谷、木村拓、大道…。こやつら本当に渋太い。加治前や寺内という連中まであ

の大舞台で打ってしまうのだから、恐れ入る。

 日本シリーズの展望についてはまた後日にしよう。それより菊花賞だ。京都競馬

場は雨だという。混戦に拍車がかかり、何が来るやらさっぱりわからなくなった。

こうなりゃ初志貫徹だ。◎の2ノットアローン、横典頑張れ!淀にそぼ降る雨を斬

り裂き、栄光をつかみとれ‼

「真弓新監督」に期待すること

2008-10-25 09:35:23 | Weblog
 少なからず、ガッカリした。今朝の某紙を読んでいると、コンパクトにまとめら

れた阪神の記事が目に止まった。東京のスポーツ紙は阪神の扱いなど楽天や横浜な

んかと同じ。だから探すのに苦労する。某紙も同じで、4面か5面の真ん中より下

にあった。記事は「真弓新監督、ドラフトは不参加」と報じていた。「出ないよ。

(経過が)わからないからね」。確かに、就任会見をした直後のドラフトで、さっ

ぱりわからない、のはわかる。しかし「出るよ」と言ってほしかった。

 これから阪神を“真弓色”に変えていく新監督にとって、ドラフトはその仕事の

第一歩ではないか。事情はわからなくてもいい。だが、会場に新監督が姿を現せば

他球団の関係者は「おっ、やる気満々だな」と思うだろう。指名が競合し、くじ引

きにもなれば、出て行ったらいいのだ。そして、その手で金の卵をつかみ取る。真

弓阪神は、そこからすべてが始まるのではないか。

 万事控えめでは、阪神監督なんて務まらない。巨人・原、中日・落合に対抗する

には、個性を全面に出していかないと。「控えめが個性なんだよ」と言われたら返

す言葉はないけど、個人的は積極的に動き回ってほしいのだ。

 秋季練習から秋季キャンプで、新監督がどんなアドバルーンをあげるか。小泉元

首相のように、キャッチフレーズはシンプルな方がいい。個人的には、林の再生と

バルディリスの強化、だろうか。この2人を軸に、若手の底上げを図ってほしい。

落伍者に構わなくていい。来季戦力になるヤツだけを徹底的に鍛え上げるのだ。

 そんなことで、菊花賞の予想に移ろう。秋華賞よりはるかに難しい。春の実績馬

か、それとも上がり馬か。春はマイネルチャールズと心中したが、この馬、どうも

本番に弱いようだ。となれば、ダービー2着のスマイルジャックか。しかし前走の

頭新聞杯が9着と負けすぎだしな。上がり馬のオウケンブルースリは前前日売りで

1番人気。しかし実力が抜けているとは思わない。押し出された1番人気だろう。

よって、今回は「騎手」で選ぶ。

 ◎2  ノットアローン(横山典)

 ○17 ダイシンプラン(安藤勝)

 ▲8  スマートギア (武豊)

 △7  ドットコム  (岩田)  9  マイネルチャールズ  (松岡)

 △14 オウケンブルースリ(内田)10 スマイルジャック   (小牧)

 買い方としては、◎○の3連複2頭軸流し、が妥当だろうか。横典が内枠で先行

し、直線粘りきる。そこに外から安勝が差し、武豊と岩田が猛烈な3番手争い。内

田は人気の重圧から掲示板に乗るのがやっと…。これでいい。

 日曜日までもう少し考えよう。巨人、きょう決まるかな。

「08年岡田阪神」を検証する(その3)

2008-10-24 10:31:03 | Weblog
 外は雨が降っている。しかも結構な降りっぷりだ。傘をさしてもビショ濡れにな

りそうだから、どうしたものか。部屋の外ではお掃除おばちゃんが「まだ空けない

の?」って感じでウロウロしている。思い切って出ていってもいいのだが、このブ

ログを書き終えてからにしよう。

 検証の3回目、つまり最終回だ。最後は各選手の通信簿でもつけてみようか。も

ちろん、独断と偏見だからご了承願いたい。5段階評価でいこうか。

 【投手】

 安藤 「4」  チーム最多の13勝も、大事な試合で勝てず。

 下柳 「4」  ベテランの味で11勝。こちらはこんなもの。

 岩田 「5」  終盤の巨人戦はいただけなかったが、実質1年目で2ケタは立

         派。来年はエースとして15勝を期待する。

 藤川 「5」  これは文句ないでしょう。CSの最後は評価の対象外。

 ジェフ「3」  少し衰えてきた。

 アッチ「3」  よくやったが、最後の最後でミスが続いた。来年に期待。

 渡辺 「3」  もっと制球を磨きましょう。

 久保田「2」  彼の実力からして、今年の成績は不本意。“劇場”はいらん。

 江草 「3」  よくもなし、悪くもなし。ただ、もうワンパンチ足りない。

 福原 「1」  よかったのは最初だけ。故障がすべて。

 阿部 「4」  これは掘り出しもの。来年は先発候補なるんじゃないの。

 石川 「4」  こっちも、もう少し早く出てきていたら…。

 【野手】

 金本 「4」  今年もフルイニング出場。終盤の不振がなければ満点だが…。

 新井 「3」  北京五輪がなかったら、文句なしの「5」。

 鳥谷 「3」  自己最多の80打点も、勝負強さが今一つ。3割打たないと。

 赤星 「4」  3割、40盗塁越えを素直に評価。

 関本 「4」  もう少しで3割。渋太さが増せばもっといい。

 矢野 「3」  こっちも北京五輪で疲れたか。

 平野 「3」  ハッスルプレーも後半息切れ。

 林  「1」  故障明け。それでも期待外れ。

 桜井 「0」  言うことなし。別にここに書かなくてもいいのだが…。

 今岡 「?」  わからん。

     
 ということで、満点をつけたのは、岩田と藤川のみ。私が選ぶチームMVPは、夢

を託して岩田としたい。彼がエースとして巨人に真っ向勝負し、勝ちまくる日を楽

しみにして、来季を待とう。さ、おばちゃんが部屋を叩いてきた。着替えて雨の街

に出るとするか。

「08年岡田阪神」を検証する(その2)

2008-10-23 10:08:43 | Weblog
 さあ「08年岡田阪神」を検証するの2回目だ。開幕から4月、そして5月の絶

好調時、個人的に思っていたのは「まず貯金を20に乗せること」と思っていた。

取材経験上、貯金20に達したチームが引っ繰りかえされたケースはなかったから

、それをクリアすれば確実に優勝できると考えていた。そして早々に達成する。追

いかけてくるチームもない。巨人が13差を逆転して「メイク・レジェンド」とか

言っているが、何も阪神が懸命に巨人に差をつけたわけじゃない。勝手に離れてい

いっただけで、普通にやっていればあそこまで離れなかった。せいぜい5差くらい

で首位をうかがう位置にいたと思う。要するに、巨人が不甲斐なかっただけの話。

それはともかく、7月初めの時点で、チーム内外(我が社を含め)にはすでに達成

が漂っていた。「あとは時期だけ」というような…。

 それを「油断」と指摘するのは簡単。確かに気の緩みのようなものがなかったか

と言えば嘘になる。負けても、GもDも追いかけてこない。林と新井が故障して離脱

しても、ゲーム差は詰まらない。新井が抜けた7月中旬、打てない時期が続き「こ

りゃ大変だ」と内心思っていたのだが、それでも下旬の巨人戦で優勝マジックが出

てしまった。これで「やっぱり大丈夫」となった。しかし、今思えばそのころから

悪魔は潜んでいたのかもしれない。

 巨人の大反撃が始まる前の9月中旬、ヤクルトに奇跡の3連続サヨナラ勝ちをし

た次の広島戦だった。退団した広沢前打撃コーチが、完封負けした試合後、まるで

監督であるかのように「あと10は負けるんだから」とコメントし、これが岡田監

督を激怒させた。打撃コーチはなぜ打てなかったか、その分析をするコメントをす

べきで「あと10負ける」などというコメントはもってのほか。しかも、貧打に何

の手も打っていなかった(ように見えた)。信頼して担当コーチに任せている指揮

官としても、裏切られた思いだったに違いない。優勝戦線の真っ直中にいるチーム

だっただけに、表面上は何もなかったかのように振る舞っていたが、本当に怒って

いた。同コーチだけの責任ではないにしろ、終盤の失速はこのあたりにも原因があ

ったと思っている。

 チームの「闇」の部分はあまり書きたくないが、ここだけは書かざるをえなかっ

た。9月下旬の巨人戦3連戦3連敗は、ずっと見てきた我々にも予感はあった。実

際、対戦が始まる前から記録ノートに全敗を予測して3つの黒星を入れていたぐら

いだ。もちろん、外れてくれることを祈ってはいたが…。

 いかん。朝からまたテンションが上がってしまった。掃除の時間だし、部屋を出

ないといけない。続きはあすの3回目にしよう。

渡辺西武、おめでとう!

2008-10-22 23:52:09 | Weblog
 いやはや、落合竜は渋太いわ。さすがにシーズン3位でこのクライマックスシリ

ーズにかけていたことだけある。藤川を打ち砕いて阪神を奈落の底に落とし、そし

て今度は巨人まで…。やはり“勢い”というのは大事なファクターだな。こんな短

期決戦は落合さん、うまいなあ。感心するよ。八回の大ピンチでも、岩瀬を投入せ

ずに小林だもんな。腹が据わっているというか…。阪神的思考ならば「岩瀬!」と

なるところなのに、そうしないんだもんな。

 それにしても原さん、なんで李にバントさせるのよ。同点の八回裏、無死一塁で

強打者・李。一発が怖くて怖くて仕方ないのに、初球からバントだもの。しかも失

敗。バントさせていい打者といけない打者がいるでしょうが。ま、そんなことはい

いか。

 西武が日本シリーズ進出を決めた。リーグ優勝の際、同い年の渡辺監督、そして

小野投手コーチに心から「おめでとう」とこのブログ上で言ったのだが、また言わ

せてもらおう。ナベちゃん、おめでとう。小野ちゃんには、東京ドームでの試合後

、直接携帯を鳴らして祝福した。「祝勝会が終わったばかりで、今ロッカーよ」と

言っていたが、電話に出てくれた。「阪神との日本シリーズが見たかったよ」と言

うと、彼も「俺もや」と返してくれた。うれしかったな。心から「日本一になって

な」と言った。巨人になっても、中日になっても、俺は西武を応援する。いわゆる

、猛獣つながり、ってやつさ。違うけどね。

 日が替わる。あすは検証の2回目を書く。だから寝よう。おやすみ。