中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

さっぱり訳わからん!

2009-09-30 07:19:55 | Weblog
 長かった昨夜の試合にもかかわらず、朝早くにこうしてブログを更新しているのは、私事の用事があるためで、一晩中大勝の興奮で寝られなかったわけでもなんでもない。屈辱的大敗から一転、クリーンアップ揃い踏みでの圧勝。後に尾を引く負け方をしたのに、そんなもの関係ないわい!と言わんばかりに勝ってみせる阪神って、一体何なのか。試合を見ていてはたと考えてしまった。

 切り替えがいいのか、悪いのか。わけわからん。今年はずっとこんな感じだからなあ…。サヨナラ勝ちでグッと乗るかと思えば次の試合に負け、大敗で連敗地獄にはまるかと思いきや、次をすっと勝つ。これだから、大型連勝ができないかわりに、致命的な連敗もしない。「一進一退」がチームに染みついてしまったのかもしれない。

 でも、終盤の継投は意味不明だった。きのうも「筒井起用」がポイント。点差があったから1イニングぐらいは…という考えだったと思うが、今の筒井はそれに応えるだけの実力がない。この投手は、敗戦処理もしくは先発が早い回で潰れたときのロングリリーフでこそ光るタイプ。大事な接戦に使える投手とはとても思えない。なぜあんなに重宝するのか?何かで好かれているんだろう。阿部みたいに…。

 話題を変えよう。皆さん「オリ・岡田監督」と「阪神次期監督に星野SD浮上」に関心を寄せているようだが、これに関しては当然いろいろな感情がある。オリックスが岡田氏に関心を寄せているのは、当然の成り行きで、今回はこれを岡田氏が受けるかどうかがポイントだった。受けた―ということは、当分阪神監督の座が回ってこないと判断したからだと推測される。あくまでも推測、ですよ。

 星野SDの「うごめき」はもうずっと前から噂されてきた。はっきり言って閉口、です。理由はいっぱいあってすべてここには書ききれない。復帰してほしいというファンもいっぱいいると思うし、それは否定しない。ただ、個人的には「やめてくれ!」と思うのだ。理由を記すのは、またの機会にします。

思わず目が点になった…

2009-09-29 11:26:18 | Weblog
 前夜(28日)の屈辱的敗戦を振り返っておこうと、我がデイリースポーツをコンビニで購入し、記事を読んだ。そこで目が点になったコメントを、2つも発見した。1つは久保投手コーチの、そしてもう1つは真弓監督のそれである。

 いずれも、7回裏になぜアッチソンでなく筒井を投入したのか、という質問に関してのもので、私個人も気になって仕方がなかった点に答えていた。久保コーチは「アッチソンは同点か勝っているところでないと」と言い、真弓監督は「(投入は同点くらいからが一番いい。そうしょっちゅう、しょっちゅう使っていたらね」と話していた。「はあ?」である。

 このご両人、自分が何を言っているのかわかっているのだろうか?確かにこれまで、アッチソンにはよく投げてもらってきている。疲れもあるだろう。しかし、この8試合がもっとも彼の力が必要なところだろう。疲れなど関係ない。点差もかんけいない。ゼロで抑えてほしい局面では、すべて投入するつもりでないとあかんだろうよ。この期に及んで「同点か、勝っている場面で」と言っている余裕なんか待ったくない。

 首脳陣がこんなことを思っているから、大事なゲームが屈辱的な敗戦にまみれてしまうのだ。はっきり言って、きのうの試合を見る限り「このチームがクライマックスシリーズになど行ったらいかん」と感じた。4位に甘んじ、すべての膿を出さないと、本当の意味で強くはなれない。

 ファンの方だってそう思うだろう?気持ちはクライマックスシリーズに行って中日を倒し、返す刀で巨人もぶっ叩いてほしいのだが…。ああ、きょうの天気のように心は複雑極まりない。

「決戦の地・神宮」より

2009-09-28 16:04:38 | Weblog
 今はまだ薄日が差しているが、これからどんどん天気が崩れてくるらしい。きょうの初戦はできても、明日の第2戦、さらに明後日の第3戦が微妙。10月の日程が詰まりに詰まっているヤクルトにすれば、是が非でもやりたいところだろう。まして只今5連勝中と勢いがあるだけに、ちょっとやそっとの雨でやめてもらっては困る―というのが本音じゃないか。でも、お天道様の都合もあるしな。こればかりはいかんともしがたい。

 阪神にとっては決戦となるこの3連戦。2勝1敗以上が絶対条件になるが、果たして今日先発予定の高木を打てるかどうか。前回の広島戦でプロ初完投を完封勝利で挙げた高田ヤクルト期待の若手だ。阪神戦でも中継ぎで投げてきた記憶があるけど、さっぱり印象にない。何が特長の投手なのか…。ヤクルト担当に聞けば「カーブがよくなってから伸び始めた」という。緩いカーブと言えば、ユウキもそう。これを得意とする投手に阪神は弱い。それだけに心配になる。

 ちなみに、ユウキにも今年はしてやられているんだな。どうってことないように見えて、実に手強い。阪神ナインの意識の中に「オリを自由契約になった選手」という、どこか蔑んだものがあるのではないか。それを逆手にとられているような気がしてならんのだ。これは俺の思い過ごしかもしれんが…。ともかく、きょうの高木、あすのユウキは、館山、石川よりも格段に落ちる。そう思って自信を持ってかかろうじゃないか。

 この時期になると、球界はいろんな動きが出てくる。「隣りのチーム」でも大きなうねりが…。この話題はまたの機会にしよう。

同級生・山本昌の「あわれな姿」を見て…

2009-09-27 18:18:25 | Weblog
 このおっさん記者と同い年の山本昌を打ち込んで、阪神が大勝した。防御率10点台のベテラン左腕を先発させてきた時点で、敵将の“本気度”がわかろうというもの。別にこの試合を落としたところで、何の意味もなく、山本昌が好投すればそれでよし、程度のものだったのだろう。先に引退を表明した井上の「引退試合」に44歳を先発させるところに、ある種の意図を感じざるを得ない。

 二、三回と小刻みに得点を許し、五回狩野に満塁弾を浴びるなどして合計8点を失った。阪神にすればまさに「ボーナス試合」で、これが2番手で出てきた山井の先発だったらどうなっていたかわからない。勝ててよかった―というのが阪神の本音だろうが、そんな試合でボコボコにされた左腕の心情を思えば、やはり複雑なものがある。

 年齢的には横浜・工藤に次ぐ高齢投手。同い年のロッテ・小宮山も先頃引退を表明、工藤も戦力外通告を受けた。そんな中、山本昌は来季も現役続行するという。しかしながら、このような投球ぶりでは来季など言っていられない。かつてのような変幻自在の投球は完全に影を潜めた。前日の阪神・下柳にも言えることだが、この手の軟投派投手は、完ぺきなコントロールがあって生き延びていける。それがなくなれば、もう“退場”せざるを得ない。

 五回の連打は、我が身を刻まれるような感じすら受けた。中日の選手ながら、彼には本当に頑張ってほしいのだが…。試合後にあった井上の引退セレモニーを、山本昌をはじめ、立浪、そして阪神・矢野、金本、桧山らはどんな気持ちで見ていたのだろうか。

年に1度は必ずある「大逆転負け」

2009-09-26 21:30:11 | Weblog
 まさか負けるとは…ね。この期に及んで、モチベーションが下がっている?中日に5点差を引っ繰り返されるとはゆめゆめ思わなかった。桜井の2ラン、平野の適時三塁打が出た瞬間「ああきょうも勝った」と思ったこっちが浅はかだった。まだまだ俺も青いわ。投げているあの選手のことを考えんといかんわな。

 誰が悪いとは言いません。中12日も開け、苦手なデーゲームをパスしてこの試合に臨んだベテラン左腕のことは、一切言わない。彼もファンが多いことだし…また何か言おうもんなら、ちらっとこのブログに入ってきた初心者の読者に「あんた何様?」てな反撃を食いかねない。記者の本分は、歯に衣着せない批判記事、と某者の大ベテラン記者から教えられたものにすれば、何ともねえ…。ああ、これすら書けない俺は何様なのだろう…。

 この日から負傷・浅井に代わって1軍に初めて上がってきた柴田君は、大逆転負けのデビューをどう感じたか。なかなかこんなデビュー戦もないぞ。ある意味、いい経験になったと思う。プロ初打席が、あの速球派投手・浅尾だもんな。二ゴロの結果はやむなし。振ったからええやん、と俺は思った。

 この手の大逆転負けは毎年ある。あきらめよ。ヤクルトが勝ち、4位に転落したけど、追う立場の方が気楽でいい。直接対決の6試合を全部勝ってしまえばええんよ。面白い展開になってきたやないの。これって、負け惜しみかな?

土井さん、安らかに…

2009-09-26 10:13:28 | Weblog
 きのうの中日戦、阪神はよく勝った。以上。それと、中日・井上選手、ご苦労様でした。1989年にドラフト2位で入団し、ここまで21年。「阪神の外れ1位かも」というデスク指令を受け、鹿児島の片田舎に飛んだことが思い起こされる。あの時はこっちもルーキーで、初めてのドラフト取材だった。ともかく、あの丸刈り頭の井上君が引退というのだから、何とも感慨深い。

 土井正三さんが亡くなられた。67歳という若さだった。私が東京プロ野球遊軍だったから、今から15年ほど前になる。オリックス監督を辞任された後、土井さんは1年だけデイリースポーツの評論家をされた。一緒に椅子を並べ、巨人戦を見たものだ。今の原監督でないが、本当に「ジャイアンツ愛」にあふれる方だった。長嶋さんのこと、王さんのこと、川上さんのこと、そしてイチロー選手のこと…。かかわった方々のいろんな話を聞いた。イチロー選手のことはいろいろ言われているけど、巷間で語られているものとは全く違っていた。詳しくは書かないが…。

 そのしゃべりは面白かった。元々が関西の方。一旦関西弁になると、もう止まらなかった。その土井さんが膵臓ガンを患い、車いすで東京ドームに姿を見せたときは、ショックで胸が締め付けられたものだ。大好きな野球、大好きな巨人を見届けて逝った土井さん、どうか安らかに。

「クライマックスシリーズ」の意義

2009-09-25 08:08:51 | Weblog
 いつも聞く関西ローカルラジオの某番組で、某有名アナ(書かなくてもわかると思うが…)が、今朝のスポーツ紙から引用した金本のコメントを紹介していた。ジッと耳を傾け拝聴した。詳しい内容は“また聞きのまた聞き”だからここには書かないが、おおよそは「勝率5割も満たない状況で、さあ日本シリーズ、と言っても複雑なものがある」というもので、それに対して某アナは「僕の気持ちと同じ」と賛同していた。

 リーグ優勝を逃した悔しさが募るあまり、残されたクライマックスシリーズから日本シリーズに至る道に気持ちがスパッと切り替えられない。そんな複雑な思いを語ったもの、と思われる。確かにそうだろう。選手にとっての最大の目標は、長いシーズンを勝ち抜いての優勝のはずだから…。それが、巨人に20数ゲームも離され、4年連続のV逸となった。長期低迷期からすればそれでもいい方なのだが、常に優勝争いができるようになった最近では、不本意この上ない。主砲として、責任を痛感しているのはよく理解できる。

 クライマックスシリーズの制度は賛否両論がある。3位とはいえ、勝利5割に満たないケースや、2位と5ゲーム以上離されたら、クライマックスシリーズ第1ステージに出る権利を消滅させるべき―てな意見も聞く。心の中では、この案に賛成なのだが、現行の制度を各球団が了解し、始まっている以上、モヤモヤがあったとしても、現時点では「それはそれ」とすべきだろう。

 何にせよ、セ・リーグの3位争いはまだ続いている。選手も複雑だろうが、ここは割り切って「日本一への可能性」を追求してほしい。それが、V逸のせめてもの“償い”になる。5割に満たないチームが日本一になってもいいじゃないか。それくらいの腹の括りをして、阪神も、ヤクルトも、広島も残りを戦ってほしい。

 それにしても、中日・落合さんも嫌みなことをする。きょうの先発はハーラー単独トップの吉見が濃厚。中5日の巨人戦に投入せず、こっちに回してくるとは…。勝ちやすきに勝ち、タイトルを確定させてやりたいという考えも多少あったのだろうが、胸の内はもっと別なものがあるに違いない、きっと。阪神とすれば、きょうだけは絶対に勝ちたい。

「3連覇・巨人」の強さに脱帽

2009-09-24 07:50:04 | Weblog
 開幕前の順位予想が、これほどピタッとはまった年はない。2位以下は別にして、我がデイリースポーツの多くの評論家が「巨人独走」を予想し、その通りになった。エースと4番が抜けた中日の2位死守は予想外だったが、巨人が強い、ということには何ら狂いはなかった。日本人エース・内海がそれほどでもなかったのにこの強さ。やはい14勝1敗のゴンザレスが大きい。それと、山口&越智のセットアッパーコンビだ。個人的には、山口をMVPに、と考えている。それだけ、あの左腕の活躍はでかかった。

 外国人選手と日本人選手、ベテランと若手の融合が、これほど着実かつ正確に行われたシーズンも珍しい。選手個々の能力が抜けていたと言えばそこまでだが、それと共に、原監督の着眼点も見逃せない。坂本の1番と亀井の5番固定。これなどは最たる例だ。若き生え抜きの2人をしっかりオーダーの核に据え、さらに育成出身の松本を辛抱強く起用した。もっと言えば、中井や大田という次代を担う大砲候補を、ちゃっかりと1軍登録し、すぐ試合に使うなど、勝ちながら彼らに経験を積ませるということまでやっている。原監督の「したたかさ」を感じたし、かつての「ひ弱さ」など全く見られなかった。

 そんな巨人と対等に戦った唯一のチームが真弓阪神。これをどう捉えるか。よくやったとも言えるし、だったらなぜ20数ゲームも離されるのか、という思いもある。“アラフォー”を4人も抱える阪神は、今後戦力の低下は否めないし、急な世代交代もほぼ不可能。よほどいい助っ人でも獲らない限り、巨人との差は埋めようがない。むしろ、さらに開いていくだろう。ここは腹を据えて、3年後、5年後に巨人とV争いをできる体制を作るべきかもしれない。

 巨人3連覇を最も深刻に考えるべきは、本社首脳を含めた球団幹部である。目先ばかりを見たチーム作りでなく、大きな視点で戦略を練り直してほしい。坂井オーナーも気楽なコメントばかり出している場合ではない。星野SDも、いつまでもお客さんの接待ばかりしているのではなく、本気になって仕事してちょうだい。頼みますよ。この人たちの責任も限りなく大きい。現場ばかりに責任をなすりつけてきた本社首脳、球団幹部が“チェンジ”しなければ、阪神の明日はない。

「ON50年目の真実」に感銘

2009-09-23 08:10:15 | Weblog
 「シルバーウィーク」もようやく最終日に至った。本当なら、きょうの横浜対阪神戦を観た後に、このブログを更新するつもりだったが、試合直後に帰阪するので実に慌ただしくなる。大型連休最終日で新幹線の車中も大混雑するだろうから、結果がわからない今のうちに書いておこう。巨人がリーグ3連覇を決め、阪神は横浜に痛恨の3連敗―となることが濃厚(相変わらず悲観的…)だからな。気分も滅入っているだろうし。

 先日、某国営放送がオンエアしたドキュメント番組に、深い感銘を覚えた。巨人の全盛期を築いた長嶋茂雄、王貞治両氏の真実を描いた番組だった。食い入るように見た。2日後の再放送まで見た。脳梗塞で倒れ、懸命のリハビリを続けている長嶋さんが、あのロングインタビューを受けたのにも驚いたが、現役時代の苦悩を描いた内容にはもっと驚いた。

 長嶋さんの口から「長嶋茂雄から逃げ出したかった」といったコメントが出た。王さんは「できるなら打席から逃げ出したかった」と言った。あれだけの大ヒーローが、そんな苦悩を抱えながら国民の期待に応えようとしていたとは、当時は考えもしなかった。四十半ばの年代からすれば、ONはすでに英雄であり、心の憧れであった。常に威風堂々としていて、格好良かった。あの2人は、それを「虚像」だと言ったが、その虚像に沿った立ち振る舞いを懸命にしていたというところに、凄まじさすら覚える。

 ファンの、国民の期待に応えようと努力を重ねていたON。番組を見ていて、今のプロ野球選手はどうなのか、ふと思った。ONレベルの苦悩を持つ選手は、メジャーのイチロー以外にはいないだろう。

 今週、番組の続編(第2回)が放送される。これもまた見逃せない。

「弱い阪神にまた勝った~」の大合唱

2009-09-22 18:52:49 | Weblog
 試合後のライトスタンドから飛び込んできた上記タイトルの大合唱には、思わず笑ってしまった。今季82敗を喫し、阪神戦の負け越しもすでに決まっているにもかかわらず、連勝したぐらいで天下を取ったように叫んでいる。横浜ファンにすれば、せめてもの憂さ晴らしなのだろう。それは理解できる。本拠地でもあるし、せいぜい叫べばいい。しかし、虎ファンにすれば、腸が煮えくり返る合唱だったはずだ。くそ弱い横浜に「弱い阪神~」と言われてしまったのだから…。

 言われても仕方ない試合だった、冷静に見て。岩田が崩れてからは、逆転しそうな雰囲気もなかったし、最後に出てきた筒井あ3失点するに及んで、白けムードがどこそこに漂っていた。絶対負けられない―というムードもすでになく、ベンチもただ流れに任せているだけ。これでは勝てるはずがない。

 試合前の打撃練習をバックネット裏の記者席から見ていて、真弓監督ら首脳陣が頻繁に笑みを見せているのには驚いた。おそらく、スタンドの最前列に知り合いでも来ていたのだろう。だが、その笑顔がチーム状況にマッチせず、違和感だけを感じてしまった。

 巨人がきょうにもリーグ3連覇を決める。その一方で、阪神は勝率5割にも満たない3位争いを、汲々とした状態で戦っている。空しいが、その空しさはもうしばらく胸の中に押し込めるしかない。残り12試合。虎の行く末をしっかり見届けよう。