中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

キャンプ総括忘れてた!

2008-02-26 19:59:34 | Weblog
 休んでいるんです。骨休め、ちゅうやつですわ。沖縄・宮崎・高知に24連泊して、しばしの休憩、その後再びエンジン点火、と思っていて、こないだ「ほな、また!」てな締めをしたんですが、1日休んで“忘れ物”に気付いたんです。せっかく12球団を回ったのに、総括的なことを何にも書かないというのは、このブログを楽しみ?にしているマイノリティな読者に申し訳ない。ということで、1日置いて総括を書いてみようと思います。

 【凄かったヤツ・ベスト3】

 1・ダルビッシュ(日本ハム)
    とにかく考え方がすごい。発想がすごい。目標が高い。球がすごい。
    以上!
 2・川上(中日)
    今月4日に北谷で見て、鬼気迫る投球練習に目を奪われた。さすが最大の    ライバル・中日のエース。ブルペンを“戦場”と思っている。その気迫は
    やはり凄い。
 3・三浦(横浜)
    またしても投手ですんません。何せ、ブルペンを見るのが、今回の主眼で    して…。阪神が嫌いな投手の1人。あの練習を見て「今年はやられる…」    という恐怖心を抱いた。この男も太い“芯”を持っている。

 【活躍するだろうルーキー・ベスト3】

 1・ 長谷部(楽天)
    これはやる。コラムで「下柳+石川(ヤクルト)」と書いたが、忘れてい    た。和田(ソフトバンク)の要素も持っている。リズムがいい。球持ちが
    いい。制球力がいい。頭もいい(に違いない)。これは打線次第だが、普    通のチームなら15勝はする。
 2・ 篠田(広島)
    線は細かった。でも、黒田が抜けた穴が大きい広島だ。必ずこの男が使わ    れるに違いない。その意味でも、やれるだろうし、何せ、阪神が不得意と
    するような投手。この手には、横浜、ヤクルトが結構やられるだろう。
 3・ 大場(ソフトバンク)  
    普通に10勝以上はする。疑いようがない。なぜ1・2位にしないかとい    うと、当たり前だからである。

 番外 中田。これは、言うまでもない。素材は超一級品。慣れれば、上位に挙げ    た3人を上回る。ただ、一線級から打ってないのがひっかかる。筒井、で    はねえ…。

 【順調なキャンプを送った球団・ベスト3】

 1・ 西武
    宮崎・南郷で気候に恵まれた。それだけ。
 2・ 巨人
    ここも気候的なもの。寒かったが、雨に祟られた沖縄組より、順調だった
    のではないか。ただ、3班に分かれた練習方法には、疑問符が付く。あの
    やり方はどうだろうかな。
 3・ 日本ハム
    ここはいい。中田とダルビッシュ。投打の若きヒーローが活気を呼んでい    た。見ているだけで楽しい。1~3位の順番逆でもいいが、やっぱり、今    年は気候的なものがかなりある。

 【意外な掘り出しもの?ベスト3】

 1・ 林昌勇(ヤクルト)
    これには正直言ってビックリした。ブルペンでの練習。低めに投げた速球    が、地を這うように進み、浮き上がってくる。ロッテの渡辺俊介のよう。

 すみません。ここでアクシデント発生!。これを打っている最中、うちの愚息が
 このパソコンに水をこぼしてしまって…。えらいこっちゃ!もうパソコンを閉め てシャッタアウトします。ほな、さいなら!

頑張れ、育成・田中!

2008-02-24 21:03:51 | Weblog
 高知空港に向かうタクシーの中で、悲劇的な結末を聞いた。ラジオから「サヨナラ、満塁、ホーム、ラ~ン!」との叫び声。打たれたのは、阪神の5番手・能見。打ったのは…というと、途中出場の田中。あん?田中って誰よ。恥ずかしながら、全く知らない。田中のファンには申し訳ないが、この道20年のおっさん記者が知らない若い打者に打たれるなんて、能見も情けない。抑えて当然、という状況の中で手痛い一発を喫した能見には、これがトラウマになるかもしれない。たかがオープン戦だが、悪いイメージを払拭するには、今後の努力しかないだろう。

 この試合、8回表まで実際に見てきたが、目に付いたのは、オリックスの若い打者の方ばかり。3安打の坂口とか、同じく3安打の下山とか…。左腕・中山もいい感じで投げていたし、4点を許したとはいえ、先発・岸田も首脳陣の期待がわかるような球を放っていたように思う。阪神から移籍した吉野は、あの頃と変わらない感じだったが、全体的に見れば、オリックスの方が元気があった。

 サヨナラ満塁本塁打のオリ・田中に目がいくが、阪神の田中もおもしろい選手だ。誰?秀太のこと?昔なら必ずそんなリアクションをしたが、この間から見てきているから、よ~く知っている。背番号「120」のあの子。そう、昨秋の大・社ドラフトの育成枠で指名した田中だ。なぜこの選手がここまで残っているか。不思議に思っている読者も多いと思うが、とにかく元気がいいのだ。紅白戦を見たが、一塁に入って誰よりも声を出している。「ナイス、ボ~ル!」。投手にかける声の大きいこと、大きいこと。体はそれほどでもないし、打撃もまだプロというレベルには達していない。アマチュアの元気なアンちゃん、て感じだが、それでも彼のやる気が球場に充ち満ちる感じがするから、おもしろい。おそらく、岡田監督もそのあたりを買っているのだろう。

 この日は途中出場して四球を選んだ。一回だけスイングした(ファウル)が、目一杯振っていた。この姿勢なんだな、阪神の若手にほしいのは。泥臭くてええんよ。球に食らい付く。食らい付いたら離さない。ピラニアみたいにいけば、必ずいいいことがある。そうだ、虎の田中を「ピラニア君」とでも呼ぼうか。

 ということで、今年のキャンプ巡りもおしまい。極寒の中、大阪に戻ってきました。しばしの間、このブログも休息します。じゃ、また!

虎今季初勝利、まずはめでたし

2008-02-23 18:49:30 | Weblog
 岡田阪神が“今季の連敗”を「3」で止めた。安芸で行われたオリックスとのオープン戦初戦を快勝。沖縄での練習試合で3連敗を喫していたから、どうなることやらと思っていたが、最初の試合でスッと勝った。相手が若手主体だったからとか、先発・金子に2安打無得点に抑えられたとか、そんなことはどうでもいいのだ。「最初の試合に勝った」という事実が大切。昨年は、このオリックスに安芸、高知で連敗し、結局一度もオープン戦で勝てないまま、公式戦に突入。その公式戦でも1つ勝つのがやっとで、苦手にしてしまった。その意味でも、一発目のオリックスに勝つ―のは、3年ぶりV奪回への絶対条件であった。と、勝手に思っている。

 赤星が打って、新井も打って、今岡も打った。これに桜井が絡んでいれば打線はめでたし、となるのだが、そううまくはいかない。全体的な「波」とすれば、開幕直前に大きなうねりが来ればそれでよし。3月の半ばまでは、どんなに打てなくても心配することはない。主力打者がケガさえしなければいいのだ。中日・森野のような状態になることだけが、一番怖いのである。

 そんなこんなのオープン戦初戦。勝ったのはめでたいのだけど、やっぱり一つくらいは文句を言っておかねばなるまい。この試合でマウンドに上がった投手の中で、一番注目していたのが、岩田、ではなく、4番手で投げた鶴だった。プロ3年目の本格派右腕。熱心な阪神ファンならご存じだろう。去年の秋季キャンプで、2日目かそこらで「ろっこつの疲労骨折」でリタイヤした、あの子だ。ルーキーイヤーからとにかく故障が多く、2軍でも試合に登板できていない。それが、この試合で投げるというから、ちょぴり期待して見た。結果は、1回を2安打2四球2失点だったのだが、そんな数字は別にいい。入団当時評判だった「キレのいい真っ直ぐ」さえ見せてくれれば…。だが、見せてくれなかった。
 
 緊張もしたのだろう。それは分かる。でもなあ、甲子園の大観衆の前で快刀乱麻の投球をする投手なら、何か光るものを見せるはずだ。残念ながら、このおっさん記者には見えなかった。他の人には見えたかもしれないから、あまり多くを書かないことにする。次の登板に期待しようか。

 あした(24日)の先発は正田らしい。オリックスの主力打者も出るみたいだから、目を見開いて見ることにする。「連勝」を見届け、大阪へ戻ろう。

フォードってのは…

2008-02-22 18:46:12 | Weblog
 一体、どないなったんや?やる気がないのか、もう日本のキャンプに飽きたのか、疲れたからちょっと休んでいるだけなのか。阪神の新助っ人・フォードさん。この日も、安芸のグラウンドにヤツの姿はなかった。前日から「右ひざの違和感」でお休み中なのだが、本当にそうなのか。2日前の紅白戦で3安打を放ち、株をグイッと上げた矢先の“連休”だけに、どうスキッとしない。関係者にそれとなく聞いても、ムニャムニャと言葉を濁すばかり。何なんだろうねえ、全く。

 いろんな球団のいろんな助っ人をこれまで見てきたが、フォードのようなタイプはおよそ知らない。来日当初から、あの白い顔とにやけたような笑いに“違和感”を抱いていたのだが、人は外見だけで判断してはならん、と思い、とやかく言うのを避けてきた。今もそう思う。キャンプを見ただけでは、その選手の本質はわかるはずもない。今はダメでもオープン戦から公式戦にかけて変ぼうするタイプの選手もいる。だが、ルーはちょっとわからない。このおっさん記者の引き出しをもってしても、判断がつかない。

 入団時の触れ込みが「ピート・ローズばりのガッツを持つファイター」ではなかったか。フェンスを恐れない外野守備も、彼の謳いの一つだったように思う。元気のいいヤツ、と思っていたのに、沖縄・宜野座のキャンプでは「疲労」で休むありさま。疲れが原因で練習を休むファイターなど、聞いたことも見たこともない。昨年末のデイリースポーツ紙上で「決して過大な期待をするべからず」と書いたことがあったが、この現状は期待をするもなにも、その以前の問題なのだから全くお話にすらならない。
 
 この罵詈雑言が、彼の眠れるガッツを目覚させることにならないか。今後、もしオープン戦などで打ったりしても、本番が始まるまで、知らんぷりを決め込もう。大きく取り上げるのは、公式戦に入ってからでいい。とは言っても、実際は無理なんだけど…。

 ルーの話はここまで。この日、2軍が先にキャンプを打ち上げ、帰阪した。もう少し大社1巡目の白仁田を見たかったな。ブルペンでチラッと見たとき、身体の細さが目についた。下半身が他の投手に比べてまだまだ細い。本紙評論家・小山正明氏が「球離れが遅くていい」と賞していたように、素材はいいのだ。基本的な体力さえつけば、面白い投手になる。3、4カ月後、彼がどうなっているか。楽しみだ。その頃のルーは…。日本にいるかなあ。

赤星の男気

2008-02-21 18:44:27 | Weblog
 この日の安芸市営球場は、約6000人のファンで賑わった。昼間は半袖一枚でもいいくらいのポカポカ陽気。午後0時半から行われた紅白戦では、新外国人投手・アッチソンが先発、新井や今岡といった主力どころも出場とあり、ファンはおろか、我々報道陣も注目して試合をみた。記者席ではなく、スタンドでスコアをつけていたら、顔が痛い。土佐の日差しの強さといったら、やはり南国である。

 じっくりと新助っ人・アッチソンを見たのは、これが初めて。大柄な割には、投球フォームが小さいのが特長なのだろう。豪快さは全くない。その代わり、助っ人にありがちな制球難はなさそうだ。2回を投げて無安打無失点。四球を1つ与えたが、ボールになったのは変化球ばかりで、速球はほとんどコントロールされていた。実戦初登板で、すべてを見せたとは思わない。まだまだ隠しているものがあると推測する。ただ、この2回を見た感想を言えば「ストレートの球威がもう少しほしい」ということ。初めて対戦する打者は、小さなフォームに戸惑うかもしれないが、慣れてくれば、今の球威ならばガツンといかれる。

 彼に対して、今季で2年目のボーグルソンは、2回を1失点ながら、球威はあった。初回坂、鳥谷を連続見逃し三振に仕留めた真っ直ぐなんかは、去年のいいころのものと感じた。この投手は意外にやるのではないか。ひょっとしてエース格になったりして…。

 この紅白戦の詳しい情報は、デイリースポーツ紙上の虎番原稿をじっくりと見てもらうとして、本題に入る。タイトルにした「赤星の男気」だ。紅白戦を見終え、ホテル(選手と同宿)に帰ると、選手会長・赤星が少し遅れて戻ってきた。すると、入り口の前に立ち止まり、待っていた大勢のファンにサインを始めたのである。「さすが選手会長や!」と感心して見ていたら、その一団が「選手のサイン、写真撮影はお断り」というロビーになだれ込んできた。赤星がホテル関係者に了解を得て、即席サイン会が本価格的に始まったのだ。ファンを縦に並べ、順番にサインと写真撮影に応じていく。先頭まで行って、声をかけた。「会長、大変やね」。すると、こっちを向いて「いやいや。1回くらいはやらないとダメですから」と微笑んだ。その間も手は動かしていた。

 赤星は「沖縄では4回もやったんですよ」と言った。だが、それは球団を通しての、球場でのサイン会だろう。ホテルでやるのとは違う。まして、サイン禁止エリアなのだ。「禁止だからね。ごめんだけど、また今度ね」とか何とか言って断っていいのだが、それを承知で自らがホテルに頼んでやってあげた。「さすが赤星さんよね」と言うファンの声が飛び込んできた。あの瞬間、ロビーで待っていたファンはラッキーだった。でも、原則禁止なのだからね。みなさん、ご協力してあげてくださいな。

 でも、ファンを大事にすることはいいこと。できる範囲で、サインや写真撮影に応じてやってほしい。これは我々新聞業界の人間だって同じ。読者がいてこそ商売になる。もっと読者目線に立った記事をかかないといかんです。

土佐でモグラ叩き、の巻

2008-02-20 17:48:04 | Weblog
 快晴の安芸で行われた阪神のキャンプ初となる紅白戦。何やら、一番ハッスルしたのは、新助っ人のフォードだったとか。右、中、左に打ち分ける3安打で、実戦派を大いにアピールしたらしい。「えっ、実際に試合を見たんじゃないの?」と突っ込む読者のみなさん、申し訳ない。実は、見とらんのですわ。絶好の野球観戦日和にもかかわらず、何をしていたかというと、現地休みのようなものをいただいて、少し近場のゴルフ場まで「モグラ叩き」に行ってたわけです。長い長いキャンプ取材の合間には、こんな日があってもいいでしょ。

 でかけた先は、阪神1軍宿舎からほど近い「土佐カントリークラブ」。クラブハウスから外に視線を落とすと、広大な太平洋が一望できる。この日はまたキラキラと輝いていた。真っ青な土佐の海。風もほとんどなく、気温も適度で気持ちいい。コースもそこそこ広く、爽快感がある。これでスコアさえよかったら申し分ないのだが、そうもいかないのがこのスポーツ。こん身の力を込めて打った球は、どこかのイージス艦みたいに制御不能。あっちにピューン、そこにドテッ‼ご主人さまの意志などお構いなしに、暴れ回るのである。あれだけ叩けば、土佐のモグラも怖くて顔を出せまい。どうだ、参ったか!

 スコアは書かない。皆さんの想像にお任せします。そんなこんなのプレーが終わり、クラブハウスまで戻ると、大阪・北陽高校の元野球部監督で、阪神・岡田監督の恩師である松岡英孝さんが来られていた。出身が高知で、春夏の甲子園期間中を除けば、大半がこちらで暮らしているという。その松岡さんが理事をしているのが、この土佐カントリーだった。「みなさん、高知に来られたおりにはまたここでプレーしてくださいよ」。70歳とは思えない元監督のパワーに触れ、こちらもスコアなど忘れて元気をいただいた。またモグラを叩きたいと思います。

 その松岡さんが、今年の岡田阪神を心配していた。「ピッチャーが少し弱い感じがするんで…。何とか2位、もしくは3位まで入ってもらわんとねえ。4位では寂しいから。何とかねえ」。教え子を気遣うのはよくわかるが、大丈夫ですよ。普通にやれば、3位以上にはなりますから…。21日には、グラウンドに岡田監督を訪ねて激励するという。パワーを指揮官に注入してやって下さい。頼みますわ。

若虎よ、安芸で吠えろ!

2008-02-19 17:50:20 | Weblog
 早いもんです。1月31日に沖縄・那覇に入ったと思ったら、もう宮崎へ移動。宮崎の晴天続きに喜んでいたら、もう高知へ飛ばなきゃなんない。一旦、キャンプが始まってしまうと、トントン拍子に時間が過ぎていき、立ち止まって「フーッ」と深呼吸するヒマもありゃしない。選手もそうですが、我々報道陣もこうやって1年を過ごすわけであります。光陰矢の如し、歳月人を待たず―と言いますが、まさにそうですなあ。

 宮崎から高知への移動。昔は小さいプロペラ機が直行で飛んでいたのだが、2、3年前に廃止になった。乗客数が限られていることから、採算がとれないという理由だと思う。そらもっともな話。だが、この時期にキャンプ巡りをする我々からすると、こんな不便なことはない。直行だったら30~40分で行けたところが、大阪回りだと3時間もかかる。「難儀なこっちゃなあ…」と独り言をこぼしつつ、朝目覚めて用意していたら、なんてこった!搭乗便が機材整備で1時間遅れるとのこと。それでは次の乗り継ぎ便に搭乗できんじゃないの‼慌てて変更し、さっさと宮崎市内のホテルをチェックアウトした。予定より1時間40分も早い便に乗り、伊丹で長い時間の待ち合わせ。そしてようやくの高知入り。ハプニングには慣れているはずでも、歳をとれば体にこたえる。

 安芸に来たのは去年11月の阪神秋季キャンプだから、ついこの間のこと。そのときと状況が違うが、沖縄での調整ぶりを遠くから見ていると、やはり活気が足りないようだ。練習試合の3連敗はそんなに気にせんでいいが、この前も書いたように、アピールする中堅・若手にどうも覇気が足りん気がしてならない。中田に打たれた筒井が号泣したとか、狩野が罰のしごきを受けたとか、そんな話は一切聞かない。キャンプという場所は、若手がガムシャラにできるところである。なのに、何か阪神の選手はおとなしい。実際は無茶苦茶やっているのかもしれず、我々が知らないだけかもしれんが、そうであるなら、目に見えたところでやった方がいい。アピールすることが何より彼らには大事なんだから。

 金本が練習に参加したらしい。高知の宿舎(選手たちと同宿)に入ると、本紙のトラ番を含め、各社の担当記者たちが熱心に仕事をしていた。おそらく、金本があすの朝刊を大いに沸かすのだろう。金本や新井は、放っておいてもきっちり年俸分の活躍をする。心配はいらない。そんな選手より、この時期大きな活字にならないとダメなのは、高浜、白仁田、野原といったフレッシュな面々だ。アニキに「俺も原稿にしてくれよ」と言わせてみろよ。そうでないと、強くならん。

 安芸は思ったより暖かい。もうすぐ春、だな。

石井ピンのやる気を見た

2008-02-18 19:23:50 | Weblog
 南郷、か。そう言えば、この間来たな。去年の10月中旬だったから、4カ月ほど前。クライマックスシリーズをにらんだ阪神の主力が「フェニックスリーグ」に出場するというので、飛んできたっけ。たった4カ月前のことでも、随分と昔のように感じられる。あのときは冷たい雨が降っていたが、今度は快晴。12球団キャンプ巡りの最後が、この南郷・西武。

 紅白戦の前にのぞいたブルペン。毎度毎度はじめにブルペンの話をかくのは、その都度言っているように、この場所こそが「プロの音」を一番感じられるからだ。中日からFAの人的補償で来た岡本がいた。中日と西武は、ユニホームの色彩がよく似ているので、あまり違和感はない。ただ、実に楽しげに見えた。移籍したてなのに、妙に和んでいる。42歳と若い渡辺新監督の明るいムードが、このあたりにも浸透しているのだろう。いいじゃないの。

 我々がブルペンに足を運ぶ前から、延々と投げ込んでいる男がいた。見覚えのある「ほんわかした」あの顔。間が抜けているのか、やる気がないのか、それとも…。いや、地顔なのだ、あの顔は。そう、コラムのタイトルにした石井ピンであります。えっ、ピンとこない?それは失敬。FAで入団したベテラン左腕・石井一久のことです。我々の間では「一」を「ピン」と呼ぶ慣習がありまして…。その左腕が、状況を設定し、1球1球丁寧に投げていた。

 直球にスライダー、カットボール、フォーク。投げていた球種はこれくらいだったと思うが、昔の「暴れん坊」のイメージはすっかり消え、技巧派の熟練の味がにじみ出ていた。内に外にボールの出し入れをしながら、想定の打者を抑えていく。受け手が「100球を越してからだいぶいい感じになってきたな」と声をかけると、あのやる気のない顔、いや、真剣な顔で「うん」とうなづく。結局150球で終わったのだが、横で見ていて楽しかった。

 石井一と言えば、阪神は去年苦い思い出がある。9月末のヤクルト戦。リーグ優勝を目前にした山場の8連戦の最初のカードがヤクルトで、あろうことかいきなり連敗。窮地に立たされた第3戦目、この石井一にトドメを刺されたのだった。今でも瞼に焼き付いている。「3番・野口」。岡田監督の大ばくちも実らず、老練な左腕に2安打完封負けを喫した。このシーズン限りでやめることになる古田前監督の怨念?の前に敗れ去り、虎は見事にキバを抜かれたのだった。

 その左腕が今年、ナベちゃん(渡辺監督)を助けようとしている。助けたってくれよ。頼むわ。我が同級生を男にしたってくれ。交流戦では別に見たくもないけど、同じリーグでは鬼神のように頑張ったって。

 7回戦の紅白戦を全部見て、宮崎に戻った。まだ契約を完了していないG・G佐藤は紅白戦にも出れず、一人室内でウエイトトレをしていたという。気の毒に…。これにて駆け足の12球団キャンプ巡りが終わった。さあ、次ぎは高知だ。虎のオープン戦を見てくる。

楽しみなGの若手野手みっけ!

2008-02-17 17:17:33 | Weblog
 2度目の巨人キャンプであります。時間的な余裕ができたことで、ブラッとサンマリンスタジアムに出かけてまいりました。前日に続き、快晴のウィークエンド。土曜日のソフトバンクが約4万人を集めたらしいが、巨人はどうなのか。ちょっぴりワクワク、それでいて「帰りの渋滞に巻き込まれたらどうしょう…」なんて不安も抱きつつ、現地に到着したわけだ、多少の混雑はあったものの、割合スムーズに見ることができた。前回もリポートした通り、敷地が広大で、人で人でごった返すなんてことはない。どこに行っても、適当に見れる。それぞれのグラウンド近辺の案内ボードには、お客さんのためにスケジュール表が張ってあった。それを見ると、午後1時から紅白戦が組まれている。よし、これを拝見しよう。てなことで、4回の表裏までじっくりとチェックした。

 先発がアゴ倉、いや門倉と、野間口。門倉の方は2回を6人でピシャッと抑えてベテランの貫禄を見せた。フォームに余分な力が入ってない感じで、スッスッと軽く投げていたのが印象的。緩い変化球も巧みに使い、若手たちをキュッとひねった。これはちょっと意外。一方の、野間口。今年は先発候補に入ってくるのだろうが、コントロールが若干甘め。2回4安打2失点という内容は、本人も納得いかないだろう。2番手は久保と金刃。久保は特に印象なし。金刃は右打者への内角速球に見るべきものがあった。キレがいい。変化球でかわすタイプの投手というイメージがあったが、少し変えないといけないかも。

 表題の楽しみな野手とは、2年目の内野手・坂本のこと。1打席目で野間口から初球を左翼スタンドに運ぶホームランを放った。回の先頭打者で、こっちが一瞬携帯電話に気を払っていたときにガツンだ。正直言うと、球種はわからん。おそらくだが、簡単に取りに来たファーストストライクの速球だったのだろう。右から左に流れる風にも乗り、打球はグングンと伸びた。初球を振る。目一杯スイングする。それが若手打者に求められているものだが、坂本はきっちり実戦した。

 青森・光星学院から大型野手の期待を受けて入ってきた選手だったな。正遊撃手・二岡を脅かす存在に、ひょっとしてなるかもしれない。これからのアピール次第だが、その端緒となる一発だったように思う。だたし、2打席目は左腕・金刃の内角速球に手が出ず、見逃し三振。プロはそんなに甘くはない。

 目に付いたところで言えば、そんなものだったか。ラミレスや高橋由などは欠場だったし、小笠原、谷、二岡はまだリハビリ中。巨大戦力がすべて出揃うまでは、まだまだ時間がかかる。その間が、坂本ら若手がどれだけアピールできるか。こうして他球団のことをゆっくり考えるのもいい。
 
 さあ、あすは南郷の西武。これで12球団すべて見終える。

そんなにイメチェンが必要なの?

2008-02-16 17:34:39 | Weblog
 快晴の土曜日。混雑必至のソフトバンク、巨人両キャンプを避け、宮崎市内から日南まで足を伸ばした。途中で道路工事をしている海岸ルートをパスし、山道を延々と走ること約1時間ちょっと。宮崎の山々を眺めつつ、観光気分に浸っていると、広島が第2次キャンプを張る「天福球場」に着いた。まあ、きれいになったこと。この前訪れたのは、7年前の2001年だから変わっていて当然でも、変わりようにはビックリ。球場入り口はきれいに整備され、スタンドも見やすくなっている。右翼スタンド後方にあった古くさかったブルペンも、今や室内練習場になっていて、実にこぎれい。巨人のサンマリンスタジアムに行ったときも書いたが、時の流れをしみじみと感じた。

 球場のイメチェンはいい。その時代に即して変えていかなければ、ファンにもあきられる。古きよきものを残しつつ、新しきを採り入れる。何事もそうだ。しかし、いいものを捨てて、全面的にイメチェンを図る、というのはいかがなものか。この日、フリー打撃で投げていた守護神・永川。新聞紙上では、新フォームを練習中、などと書かれていたが、実際に見て「これでいいの?」と思ってしまった。彼らしい豪快なフォームをやめ、こじんまりとコントロール重視の投げ方になっているのである。

 ちなみに、去年の成績が61試合に登板し、4勝7敗31S、防御率3・06。阪神の久保田や藤川に比べると、明らかに悪い。7敗という負け星も多すぎると感じる。だが、決してダメな数字だとは思わない。確かに、コントロールを乱して四球を連発、自滅する悪癖を持った投手ではある。安定感には欠けるけど、投球フォームを全面的に変えるほど深刻ではない(と思う)。永川の持ち味と言えば、大きくふりかぶったあの独特のフォームから繰り出される速球と、落差の大きいフォーク。完ぺきに抑えたときの威圧感と、綱渡り的なピンチに陥ったときのハラハラ感は、見ていてあきない。もちろん、これは敵側としての見解ではある。

 新フォームがしっくりとくるかどうか、これからの結果にもよるだろうが、失敗したとき、広島はまた抑えに苦しむことになる。と、気楽に日南の話を書いている間に、阪神はまた日本ハムに練習試合で敗れたそうな。中田にまたもや筒井が三塁打を喫したとか…。何をやってるんだか、全く。練習試合での3連敗は、別にどうでもいいが、中田と匹敵するくらいに強烈な光を放ったヤツはいないのか。みんな、怪物君に食われてしまったのか!試合を見てないから、これ以上は言えないが、ボチボチ危機感を持ってやらないと。キャンプは長いようですぐ終わる。