中村正直の「頑張れプロ野球」

ベテラン野球記者の本音ブログです。

やっぱりスピード指数よ!

2008-06-29 21:41:39 | Weblog
 すっかり忘れていた。身も心も「秋田モード」になっていたせいか、今春の競馬

・G1で欠かさずやっきた“メタボ親父予想”を忘れてしまった。今、秋田から戻

り、宅配されているデイリースポーツを見て「しもた!」と気付いたわけ。終面を

みると「④アルナス戴冠だ」とある一方で、スピード指数必勝作戦で「1位⑨デピ

ュティから3連単軸1頭マルチで⑪⑩②⑭①へ」とある。何?結果は確か、そのデ

ピュが逃げ切って、2着が②のサムソン、クビ差の3着が①のインティライミだっ

たんじゃなかったか。ということは、大当たりだよ。

 もし、自分で予想していたら⑥のアドマイヤオーラからいくところだった。これ

が何と最下位。スピード指数が春最後のG1を締めくくる一方、こっちは予想する

ことすら忘れる始末。何とも締まりない。

 締まりないと言えば、阪神もそう。前日(28日)は最高の勝ち方をしながら、

一夜明けたこの日は目を覆いたくなるような負け。ジェフが勝ち越され、久保田が

ダメ押し点を奪われるという、これまでにない「悪い形」で負けちまった。きのう

「横綱に推挙しようか」などと書いた自分が情けない。1つ良い形で勝ったくらい

で浮かれていてはダメということか。今後は一歩進んで一歩さがる、というような

戦いになるかもしれない。あんまり一喜一憂はしないようにしよう。

 ところで、秋田空港で「比内地鶏入りきりたんぽラーメン」というものを食し

た。秋田名物がふんだんに入っている塩ラーメンだが、これがなかなかいけた。こ

れも秋田名物「とんぶり」入りの餃子と併せて食べたらもうお腹一杯。阪神惨敗、

宝塚惨敗(馬券は前もって買っていた)のうさを、食べることで晴らしてきた。こ

うして着々と腹回りが太くなっていくのだ。トホホ…。

秋田にやってきたぞ

2008-06-28 23:56:05 | Weblog
 さあ、待ちに待ったリーグ戦再開だ。というわけで、勇んで秋田に飛んできた。

秋田と言って思い出されるのは、十数年前の近鉄担当時代。当時、トレーバーとい

う助っ人が近鉄にいて、そいつと金田(正一)監督が大げんかし、取材も何もしっ

ちゃかめっちゃかになった。大げんかになった理由は、九回表のデッドボールじゃ

ないかなあ。確か、園川っていう左投手がぶつけたのがきっかけで、大乱闘に発

展、外野付近で両軍がもみあったかと思ったら、それが収束後、今度は金やんにケ

ンカをふっかけた。猛突進していったと思ったところに金やんの足蹴り炸裂。また

また大乱闘…。こないだのことのように覚えている。

 仰木さん、元気だったな。ブライアントもいた。野茂もいた。石井もいたし、阿波

野もいたよ。近鉄、おもろいチームだった。そんなことを、本紙評論家の江夏豊さ

んに話すと「近鉄なんかもうないんだよ‼」と笑いながら一蹴された。「今の若い

子は知らないんだから、近鉄なんて」。確かに。いつまでも懐かしがっていてもし

ゃあないか。時代は変わったんだから。

 あの当時と球場はすっかり違っていた。「秋田こまちスタジアム」って言うだっ

て。地方には続々といい球場ができる。倉敷マスカットスタジアム。富山アルペン

スタジアム。松山坊ちゃんスタジアム、長崎ビッグNスタジアムに高松オリーブス

タジアム(だったっけな)。両翼100メートルの球場は、ひょっとして甲子園よ

り大きいかも…。我が郷土・三重にはこんな球場はない。少なくとも、ナイター設

備があって、プロ野球が開催できる球場はない。素直にうらやましい。

 阪神は秋田でも強かった。以前に「大関級」の強さと書いたが、そろそろ横綱に

推挙してもいいかな、と思う。このまま、突っ走るか。もう一つ勝って、中日との

“最終決戦”に備えよう。そうそ、昼間に食べた稲庭うどん、おいしかった。やっ

ぱり秋田だわ。

星野が負けた阪神2軍戦

2008-06-27 17:00:33 | Weblog
 阪神の2軍戦を久々に見た。とある2軍の関係者から「こんな日だけ来るんや

な」とチクリと言われたが、最初は何のことやらさっぱりわからなかった。なんだ

、星野さんか…。いや、別に広島の指揮をとった北京五輪野球代表・星野監督を取

材しに来たのではない。単に、秋田へ移動する阪神1軍の練習取材を手伝う前に、

のぞいただけの話である。先発が鶴ということで、ちょっとだけ足を止め、彼の投

球を見た。

 プロ初先発となったロッテ戦で一死も取れずにKOされたとき、このブログで「こ

れからが彼の野球人生にとって正念場だ」という主旨のことを書いた。あの屈辱が

今回の登板に生かされているかどうか。興味を持って彼の投球を見たのだが、まだ

ピンとくるものはなかった。結果だけをみると、7回1失点と上々なのである。星

野監督に“初黒星”をつけた平田2軍監督も「きょうの鶴はよかった」と評価して

いた。しかし、だからと言って1軍で通用するレベルになっているかといえばそう

じゃない。2軍だから抑えられた、という感じにしか見えなかった。

 交流戦で楽天が甲子園に来た際、同じプロ3年目の左腕・片山を見たが、何とも

スケールの大きいピッチャーだな、という印象を持った。彼の放つオーラ(そこま

で大袈裟なものではないが)を感じたわけだが、それが鶴には感じられない。全体

的にまとまっているのが、逆に「小ぢんまり感」となって物足りなさを覚える。ま

だまだこれからの選手だし、これ以上のことは言えないが、現状はそうだ。今後の

努力次第で、オーラを纏えるようになるとは思う。ただ時間がかかる。

 野手でこれといった選手がいなかったのも、寂しい限り。快勝の試合後もよく練

習していたが、1軍レベルで見るからどれも物足りない。桜井や庄田といった1軍

でも実績のあるヤツらが、もうひと伸びしていない。“星野広島”に勝っても、ど

こかすっきりしないのである。

閑話休題その2

2008-06-25 20:07:00 | Weblog
 やっぱり、野球がやっていないと寂しい。顔を洗う、歯を磨く、メシを食うとい

うのと同じレベルにあるから、どうも体に変調をきたすのだな。シーズンオフなら

ともかく、シーズン中に2日以上試合のない日があるのはいかん。衛生上好ましく

ない。今は仕事柄そうではないが、野球がすべてだった高校、大学の頃なら、間違

いなく発狂していただろう。好きなチームが負けたことで、何回かラジオをぶっ壊

した経験がある。若気の至りとはいえ、ラジオには気の毒なことをした…。

 連休中で、何もすることがない。読書で時間を潰していたとき、野球関連のニュ

ースが飛び込んできた。日本プロ野球機構と選手会の話し合いで、現行9年のFA資

格取得年数を、2007年以降に入団した大学生・社会人に限り、7年に短縮する

ことで合意したという。23歳で入団した選手は、30歳でFA権を取得できるとい

うわけ。これには付帯条件があって「国内移籍に限る」とある。メジャーに挑戦す

る場合は、やはり9年待たないといけないのである。

 双方が合意したというのであれば、それはそれでいい。ただ、この問題に関して

いつも思うのは、選手側に「日本球界を発展させる」という気持ちがあるのかとい

うこと。己の権利を主張するのは文句ないが、自分だけがよければそれでいい、と

いうのであれば「それはどうか?」と言いたくなる。これまでの経緯を見ると、メ

ジャーに挑戦したいから、FA取得年数を短縮してくれ、という風に思えて仕方なか

った。メジャーに行くことが日本球界の発展につながるのであれば、それはそれで

いいが、そうじゃないだろう。空洞化が叫ばれる昨今、もう少し危機感を持って選

手会も考える時期にきているのではなかろうか。

 朝、衛星放送でメジャーの中継を見ることがある。イチローが出ていた。チーム

がクソ弱く、物憂げな表情を見るにつけ、「それでいいの?」と思ってしまう。夢

の3000本安打を日本で達成すれば、どれほど盛り上がることか。テレビではな

く、ナマのイチローを我々日本人は見たい。松井秀喜もそう。松坂だってそうだ。

FA取得の年数が短縮され、その恩恵に与る選手たちがどんな生き様を見せるか。

注意深く見ていくことにする。

閑話休題

2008-06-24 19:58:22 | Weblog
 司馬遼太郎を気取っているわけじゃないが、プロ野球もないから、ちょっと下世

話な話をさせてもらいます。「野球のブログのくせに!」とおかんむりの皆さん、

少し我慢してくださいませな。

 先日、神戸の会社を辞した際、上司に連れられて三宮のとある店に入った。阪急

三宮の駅から生田新道を少し歩いた左手の「ノアールビル5階」(と言っても、ほ

とんどの方はわからないだろうけど)にある「まる九」という店。「地鶏・黒豚・

馬刺し」が売りという店で、元阪神(オリックスでもいい)の野田浩司氏がオーナ

ーになっている。かつて、デイリースポーツで評論家をしていただいていたことも

あって、一度顔を出したいと思っていたところに、上司から誘いをいただいた。

 野田氏はあいにく所用で留守だったが、ビルの5階という少し不便な立地条件に

もかかわらず、何とも居心地のいい店内の雰囲気に、食欲が爆発。競馬好きだけに

さすがに馬刺しはまずいと思って遠慮したが、地鶏と黒豚はたらふくいただいた。

炭火焼きで直に焼いて食べた地鶏は、さすがに美味。「オーナーからの差し入れで

す」と言われていただいたカレー風味のチキンカツは、衣が薄く、サクッという歯

ごたえで絶品。ただし、メニューにはない逸品だけに、これは店に行って掛け合っ

てみるしかないだろう。

 黒豚のしゃぶしゃぶは「2人前からです。でないと、コクがでませんから」とい

うことで勧められるままに。黒豚は薄く切ってあり、2人前ながら量的にはさほど

でもないが、野菜と実にマッチしていた。野田氏が熊本出身ということもあり、か

らしれんこんなども自慢の一品としてメニューにあったが、もう腹いっぱい。我々

が店をのぞいたのが週明けの平日(午後8時)とあって、比較的すいている方だっ

たが、これが土日ならば容易に満員だったことが想像できる。

 「まる九」(神戸市中央区北長狭通1-3-11 ノアールビル5F

        ☎078-321-0474)

 阪神戦やオリックス戦を観戦しに遠くから来られた方、一度どうでしょうか。運

がよければ、オーナー・野田氏から現役当時の面白エピソードが聞けるかも…。ま

たあのチキンカツが食べたいなあ。

 

やっぱり「甲子園」だ!

2008-06-22 22:47:49 | Weblog
 ほとほと感心した。阪神の勝利に、ではない。金本の2アーチに、でもない。確

かに金本の2連発はすごかったが、感心したのは、甲子園という球場にだ。この前

も「恐るべし、阪神園芸」と書いて、グラウンド整備の卓抜さを紹介したのだが、

今回は本当に感心した。まあみなさん、聞いて下さい。試合開始は午後6時なの

に、2時間前の4時の段階で雨が降り続いていたんでっせ。誰がどう見たって中止

ですよ。それくらいの雨の勢いだった。でもできたのだ、ちゃんと。

 午後3時。一塁ベンチの中で、土砂降りのグラウンドを不安げに見ていたら、隣

で阪神園芸の方が「4時に雨が上がれば、何事もなかったかのように試合が始まっ

てますよ」と言う。その言葉が信じられないほどの降り方だったのだ。ところが、

4時前に小降りになった。「4時に開門します」という球団関係者の言葉が信じら

れなかったが、雨は4時半には止み、約1時間で試合のできる態勢ができあがっ

た。内野一面に敷いてあったシートも効いたが、それよりも、水をすみやかに下に

落とすグラウンドと、手際のいい整備がすべて。フツーに試合が始まり、終わるの

を見て、ただただ感心するしかなかった。

 さてさて、交流戦も終わった。通常の試合が再開するまで、日にちがあるし、こ

のブログもお休みにするか。この間を利用して、見苦しい私めの写真を替えること

にしよう。兄貴の友人で、大学の先輩でもある方からも「あれはやめた方がいい」

と指摘されたし、嫁からも「替えなさい!」とピシャリ言われた。何も好きこのん

であれを貼り付けたわけじゃないのだが…。まあええわ。そうだ、この場をお借り

して、交流戦優勝のソフトバンクに「おめでとう」と言わせてもらおう。よかった

ですなあ、新井コーチ。今度一杯飲ませて下さい。


新井が心配だあ!

2008-06-21 22:38:08 | Weblog
 まあ、こんな日もある。土曜日の甲子園。大勢の阪神ファンが交流戦優勝を願っ

て集ったのに、散発4安打で今季3度目の完封負け。七回に久保田が2点を許した

段階で100%負けを確信した。九回には雨も降ってくるし、苦労してチケットを

買われた皆さん、本当に残念でした。滅多に球場に来られない方にすれば「こんな

日もある」ではすみませんね。

 負け自体は特段どうってことないのだが、気になるのは、新井と鳥谷の急降下。

特に、新井の打撃はちょっと心配だ。3割3分も打っている看板打者に対して偉そ

うなことを言うつもりは毛頭ない。しかし、この間の楽天戦から、どうも凡打の内

容が悪いような気がしてならない。楽天の3年生左腕・片山に2三振を食らったと

き「新井は崩れてきたのでは…」と思っていたが、この試合でもスウィーニーの投

球に全く合っていなかった。

 疲れもあるのだろう。懸命に突っ走ってきたから無理もない。いくらスタミナに

は自身があっても、バテてくる時期だ。幸いにして、明日の試合が終われば、5日

間の「修正時間」がある。ここでリフレッシュすれば、また元の力強い新井が帰っ

てくると信じる。

 前半戦の快進撃は、新井をおいては語れない。ちょっとやそっと打てなかったぐ

らいで、批判する必要もないし、してはいけない。ここは温かく見守ってやろうじ

ゃあないか。たとえ、打率が3割を切ったとしてもいいじゃないか。そこから這い

上がってくるさ。新井とはそういう男だ(と思う)。

 それにしても、岩田よ。また勝てなかったなあ。これで交流戦勝ちなしか。白星

がほしいだろうが、慌てるな。ここは我慢だ。プロ入りしてから2年間の苦しさを

思えば、何てことない。堪え忍ぶうちに、また運が向いてくるさ。

上原は北京に必要か?

2008-06-20 08:20:03 | Weblog
 野球(阪神戦)がない日は、どうも力が入らない。十何年も生活サイクルが阪神

取材中心になっているため、これがないと何か足らない感じがするのである。担当

記者時代は「負けんですんだ」とホッと胸をなで下ろしたものだが…。来週は5日

間も野球がない。寂しいもんだ。

 朝、目覚めてすぐに我がデイリースポーツに目を通すと「星野、守護神は上原」

と出ていた。北京五輪の守護神として、巨人・上原を起用したいという。上原とい

えば、不調で2軍に落ちたまま、まだ1軍に復帰していない。そんな右腕を、メダ

ルが至上命令という五輪に連れていくというのは、星野監督も相当な決断だ。大舞

台に強い彼の「経験」が、北京で生きると考えているのだろう。
 
 しかし、本当に彼が必要なのか。藤川がいるし、岩瀬もいるじゃないか。上原が

1軍でバリバリ投げているならわかる。だが、実力不足で2軍にいる状況ではない

か。確かに大舞台に強い。WBCでもよく投げた。昨年のアジア予選でも奮闘した。

その頃の上原にはある種のオーラがあった。だが、今はない。4月に「メジャー志

望」を口にして以来、それが消えた。

 上原の不幸は、FA権を取得した際の会見で、自らの願望を口にしてしまったとこ

ろから始まっている。「その件はシーズンが終わってから話します」と言えばよか

ったのに、思いを素直にしゃべったがため、周りが白けてしまった。しかも、自分

も結果を出せない。「そんな実力でメジャーなんてよく言えたな」という雰囲気が

生まれ、それがまた上原を苦しめた。言った彼も悪いが、あの会見をさせてしまっ

た球団も悪い。下工作でも何でもして「その件は話さないように」と納得させてお

くべきだった。

 まあいい。上原が北京に行くなら、それはそれでいい。頑張ってほしいという他

ない。日本のために、とは言わない。自分自身のために頑張れ。上原はまだ老け込

む年齢ではない。

岩隈が見たかった…

2008-06-18 22:31:44 | Weblog
 試合はまた、敵将・野村監督の継投が裏目に出て阪神が楽勝した。プロ3年目で

初先発となった左腕・片山には驚いたが、関本が初回に一発かまして優位に立ち、

そのまま押し切った。試合後、広沢打撃コーチが「奇襲は猫だましのようなもの。

慌てたら足下をすくわれる」と言っていた。猫だましかどうかはわからない。奇襲

かどうかも、阪神サイドがそう思うだけで、野村監督にすれば「予定通り」だった

かもしれん。だが、そんな“想定外”にも、岡田阪神は落ち着いて自分の相撲を取

りきった。

 結果的にこの2連戦を連勝したわけだが、個人的にはすでに10勝を挙げている

岩隈を見たかった。確か、交流戦初年度だったと思う。この甲子園で岩隈を打って

勝ったことがあった。対戦していれば、そのとき以来だったのだが、今回は縁がな

かった。ハーラートップをいく楽天のエースに対し、猛虎打線がどう立ち向かう

か。新井が、金本がどうやって攻略するか。いい投手を打って勝ってこそ、その勝

ちに意味がある。勝ちは勝ちでも、自分たちの実力を測るには、エース級を打つに

限る。

 そういう観点からみれば、今年の阪神はエース級と当たっていない。ソフトバン

ク・杉内、西武・涌井くらいか。日本ハム・ダルビッシュも、ロッテ・成瀬とも対

戦しなかった。巡り合わせがよかったとも言えるが、強い今年なら彼らと当たって

も十分勝負になったと思うがどうか。

 週末に予定されている日本ハム2連戦。17日に7イニングを投げているダルビ

ッシュはさすがにこないだろう。最終戦に中4日で登板してくるか。優勝がかかっ

ていれば、来てもおかしくはない。そうなれば、また面白くなる。岩隈を叩くチャ

ンスがなかった分、ダルを粉砕するとしよう。ダルよ来い!心の中で念じつつ、週

末を待とう。

ノムさん、それってどうよ…

2008-06-17 23:04:27 | Weblog
 痛快な逆転勝利だった。千葉での2試合で20点を取られ、打ち負けてきた阪神

だったが、甲子園に帰ってくれば、やはり違う。地元の大声援に後押しされるよう

に、土壇場の八回裏に代打攻勢が奏功して逆転。野村楽天をうっちゃった。逆転打

を放ったのが、高橋光というのが地味であっても、こういう選手にスポットライト

が当たるのは見ていてうれしくもなる。ファンにとってはたまらない連敗ストップ

劇だっただろう。

 タイトルの「どうよ…」と言うのは、試合のことじゃない。試合前のことだ。午

後6時開始を前にしたグラウンドで、新井の表彰式があった。おそらく、通算20

0号本塁打の連盟表彰だったと思う。阪神選手は岡田監督以下、選手、コーチ全員

がベンチ前に並び、新井に対して拍手を送っていたのだが、三塁ベンチはという

と、数人がバラバラにベンチ前に出て見ているだけ。記者席から野村監督を探す

と、最前列で身を乗り出してはいたが、前には出てこなかった。

 それはなかろう。たとえ表彰が相手チームだからといって、知らん顔をするのは

いかがなものか。連盟表彰されるぐらいだから、一つの偉業である。快く称えてや

るのが礼儀とちゃいまんのか?表彰式の間の、あのだらけた三塁ベンチといった

ら…。そうしろ、と野村監督が言ったのなら言語道断だし、何も言わなかったのな

ら、それもおかしい。

 数多い著書の中で、野球人としての在り方も説いている野村監督だけに、あの光

景には少なからず違和感を覚えた。表彰の終わりに、新井は三塁ベンチに対しても

頭を下げていた。何とも律儀なことではないか。個人的には、新井が逆転打を打っ

て勝ってほしかった。