古希来記

古希を過ぎて気ままな暮らし。
見たり聞いたり感じたり、とりとめもないが折々のつぶやき。

ザイル

2009年11月30日 | Weblog
 一か月ほど前、里からも近くの高い山からも、ほとんど見ることはない小さなピークまで、ヤブコギをした。
踏み跡はけもの道で、それもあるような、ないようなところだったが、木々の葉が半分ほどは落ちていて見通しはよく迷うようなことはなかった。
 秋の日を浴びていい気分で歩いていたが、ピーク直下の斜度がきつく、わずか4~5メートルだったが頼りにしたい木の根も岩もないとこがあった。
同行の若手は難なくクリアしたが、歳でバランス感覚の衰えている身には冷や汗ものだった。

 下山後にザイルを新調した。
その後はザックのなかに入れておいて常時携行しているが、ザイルを持っているというだけで安心していられる。

 まだ山では出番はないのだが、意外なところで大いに役立った。
近くに住む5歳の孫が熱を出して、数日預かった。
少しくらい熱があってもじっとして寝ているような子ではない。
当家にある古いおもちゃ類にはほとんど手を出さず、持参のミニ自動車なども、そう長くは遊んでいられない。
 ザイルは孫の相手をしながらロープワークの練習でもしようかなと持ち出したのだが、すぐに取り上げられてしまった。
そしていたく気に入ったようで、結んだり解いたり、ロープの端を持って二階に駆け上ったり、駆け下りたり、先に小さなバケツを吊るして小物類を入れて運んでみたり、など小一時間ほどは遊んでくれた。

 この写真はそのヤブコギ時の一枚。
暖帯落葉樹林帯というのか、この一帯にはつつじなどの低木類がなくて明るい疎林だった。遠くでニホンジカが鳴いた。山を歩いていて自然に溶け込んでしまったような錯覚に浸るひと時だった。

指導碁

2009年11月22日 | Weblog
 ここのところ囲碁との係わり合いは囲碁のカルチャー教室が中心にになっていて、対局といえば4~5子から星目風鈴までの多子局の指導碁がほとんどである。
それはそれで面白いのだが、今回はこちらが石を置いて教えてもらう機会に恵まれた。

 5子局。先生はNHKのテレビ囲碁などで聞き役として人気の高い中島美絵子プロである。
日本棋院がネット対局を開設して五年、そのキャンペーンで無料指導碁の企画があり、それに抽選で選ばれたわけである。(最近は籤運がいい、つい三週間ほど前にも井山新名人のライブトークがあり、小生の質問が運よく取り上げられて記念品を頂戴した)

 指導碁だから勝っても負けてもいいのだが、やっぱり勝ちたい。みっともないような負け方はしたくない。
その日、その時まで、かなりのプレッシャーだった。
対局開始が午後7時だったので、夕食はアルコール抜きで(アルコールが入ると経験的にろくなことがない)備えた。

 しかし、打ち始めると、いつものことだが雑念はあらかた消えて、なんとか集中して打てた。終盤、勝ちが見え始めてからも震えることもなかった。

 勝たしてもらったが、局後の講評にも大いに納得した。

 この花はハクサンフウロ、今夏の槍沢での一枚である。