古希来記

古希を過ぎて気ままな暮らし。
見たり聞いたり感じたり、とりとめもないが折々のつぶやき。

榊 莫山を悼む

2010年10月28日 | Weblog
 榊 莫山が亡くなった。
書のほか水墨画、詩やエッセイなど、多方面で作品を残した。
その書は肩の力を抜いて、腕の動くままに薄墨をポッとにじませたような線に独特な雰囲気がある。
柔らかく暖かい。
書ならば勁い線が自在に動き回る明末清初の壮年期の王鐸ファンなのだが、莫山も好きである。


澄明な水墨画はいい。
エッセイもいい。
嘗て野口英世の母が息子に宛てた手紙を日本の手紙三筆の一番だと書いていたことがある。
この手紙を取り上げ、賞賛しているその心根に大いに共感したのを覚えている。

詩というのか、賛というのか、
「花アルトキハ花ニ酔ヒ、風アルトキハ、、」
には、花と風を借用させてもらった。

花アレバ 花ニ添イ
風アルトキハ 吹カレルママニ
行キ交ウ人ハ 花カ風カ
悠々緩々 澹々ト歩ク
山ノ道

出来の良しあしはわからないが、山の名刺の裏に刷り込んでいる。

曼荼羅院遊風莫山居士 ご冥福を祈ります。


この花は先日、苗場山に登ったとき、あと少しで高層湿原という急峻な登山道で見つけたもの。
たった一花だったが、花のない時期なので目に焼き付いた。
図鑑で調べてみたのだが、ユキミバナかスズムシバナのどちらからしい。

天上の楽園

2010年10月24日 | Weblog
 若手のSちゃんが企画してくれて、Fちゃんと小生夫婦の四人で苗場山に行ってきた。
初日は晴れたり曇ったり、時々はガスが吹き抜けるという天気だった。
登りで汗が吹き出ているときに、ちょうどガスが来て涼しくしてくれる、、なんて言うわけにはいかなかったが、まずは快適な日和だった。

最後の急坂を上りきると、明るく広大な別天地が目に飛び込んでくる。
こんなに広い山頂部を持つ山は他には知らない。

小屋で一泊、その朝は快晴だった。
冷え込んで、マイナス10度ほどの寒気だったが、持っていた衣類はみんな着込んで日ノ出の写真を撮りに出かけた。
日の出の写真はうまく撮れなかったが、振り向いたら草紅葉が朝日に映えていた。
添付のものは、その一枚である。

地酒飲み放題

2010年10月21日 | Weblog
 山の友人の誘いで県酒造組合による「群馬の地酒を楽しむ会」に行ってきた。
最近はすっかり酒量は落ちていて、そのうえ晩酌はもっぱらウイスキーのお湯割りである。
日本酒かぁ、、と思ったのだが折角の機会なので、逃す手はない。
又、今回の会場はすぐ近くのホテルだった。
定員150名、会費4,000円だった。

参加した蔵元は20社、そのほとんどが一度は見たり聞いたりしている。飲んだことのある銘柄も多かった。
銘柄の数がありすぎてどの酒が美味いのかわからないので、目当ての蔵元の担当者に
「辛口で一番のウリはどれですか」と聞いてから注いでもらった。
それぞれがいい味だったが、注いでもらったのは大吟醸酒ばかりだったようだ。

後半では酒を飲みながら景品の抽選もあって盛り上がった。
おおよそ四人に一人が当たるようだったが閉会の挨拶が済むまで、はずれ又、はずれでがっかりしていたのだが、、
その挨拶の後に最後の一本の抽選があった。
なんと当たったのは小生だった。
これも、ひとえに日ごろの、清く正しい行いのせいだ~!?

この花は二週間ほど前、赤城で見つけたウツボグサ、いつもは夏の暑い時期なのに今年はかなり遅咲きだった。

熊とドングリ

2010年10月14日 | Weblog
 ここのところ、熊の被害のニュースが頻繁である。
山のドングリが不作で、餌を求めて里に下りてきてきているのだという。
しかし、山を歩いていると、足元にはドングリは今年は例年になく沢山落ちている。
そんなニュースを聞くたびに、納得できないでいた。

群馬森林管理署主催の「国有林の管理経営に関する意見交換会」に出席してきたのだが、その席で某氏曰く
「熊は落ちてしまったドングリは食べない習性がある。今年は猛暑の影響でよく熟さないで落ちてしまうのが目立つ」のだという。
すとんと腑に落ちるとはこうゆうことかと妙に納得した。
又、広葉樹などの天然林を伐採して針葉樹などの人工林を増やしために全体的にドングリの供給量が減っているのだという話にも納得だった。

この意見交換会では熊のことは、ドングリとの関連よりも「熊はぎ」の剥皮被害の方が本筋だったのだが、話題に枝葉がついたわけだった。
まぁ、熊が里に出てくるのには他にも色々な事情があるのだろうが、山の生態系になにか異変がおきているのかとも思う。

この花は10月1日、赤城で見つけた遅咲きのホツツジ。

日光白根山

2010年10月12日 | Weblog
 久しぶりに日光白根山を歩いてきた。
女房と一緒だった。
女房はものの10日も山に行かないと「最近はどこにも行ってない」なぞと云う。
そんなわけで、今回は女房のリクエストだった。
休日や祭日はできるだけ避けたいのだが、天気優先で三連休の最終日だった。

 この山も人気の山で賑やかだった。
しかし、いつものことだが、山頂周辺でのんびりしていたり、草の実の写真を撮ったたりしているうちに、
山は静かになり、下り始めたころには、人声は絶え、人影は遠くの方にまばら。
大きな山の懐の中に取り残されたような気分に浸るのはこんな時である。
山歩きの楽しみの一つである。

 さすがに好天に恵まれた休日、帰りの道路は大混雑だった。
鎌田から老神まで、途中少し流れても沼田インターの手前まで、断続的にのろのろ運転だった。
高速に乗ったら赤城インターから前橋インターまでは事故渋滞、いつもの倍近い時間がかかった。
もっとも急ぐ旅でもないので、途中パーキングエリアで腹ごしらえをした時間も含めてだが。
腹が満たされていれば、渋滞も鼻歌気分である。

 この写真は賑わう山頂周辺である。