現状で、療法士の数は不足しています。
療法士を確保できずに施設基準を取れない病院も少なくありません。そして、制度上は1日3時間できるはずの急性期~回復期のリハビリが、療法士の不足で2時間未満にとどまる病院が『普通』です。介護保険の分野では、全くの不足と聞いています。(理由はわかりません。病院指向が強いのでしょうか?)
そうはいうものの、養成校は『乱立』と言われており、養成校における教員不足は明らかで、教育の質の低下を心配する人もいます。特に、卒業直後に『教員』になるような人もいて、臨床経験がゼロではさすがに教育は困難でしょう。
以下が私見です。
●養成校は確かに多すぎるようだ。
●しかし、地域の隅々まで療法士が充足するためにはまだ時間がかかる。
●量の充足を、質の向上や職域拡大につなげる努力が必要である。
●神経科学のような研究分野を志す人が増えて良い。(CI療法のSteve WolfはPTです)
●教育の質については、調査していないのでわからない。
●将来的に養成校は淘汰されるだろう。一方で、学校経営だけ考えれば安泰との見方もある。(就職できるかどうかにかかわらず、国家資格が取れる専門学校は数多く存続しているのと同じ。)
●療法士の活躍の場を広げられるように、医師、経営者を教育することも重要。
●今年度から理学、作業、言語という区分が医療保険から消されたことは、専門性から考えて暴挙と言わざるを得ない。
(Transdisciplinary approachを、療法士の専門性を消してしまうように勘違いしている病院もありますが、それは誤りです。専門性を明確にしつつ、役割を柔軟にオーバラップさせてアプローチすることによって、より効果的な治療ができる、というのが正しい考え方です。嚥下訓練と食事介助、移乗訓練とトイレ介助・・・その違いすら見えなくなっているようでは・・・。)