英国の欧州連合(EU)離脱決定により、投資銀行の収入は約80億ドル(約8400億円)縮小し、証券会社はトレーディング事業の一部撤退を強いられる可能性があると、ボストン・コンサルティング・グループがリポートで指摘した。
15日公表された調査リポートによると、合併・買収(M&A)の助言や株式の引受業務、債券セールス、証券取引で得られる収入は2016年に約2040億ドルと、前年の2280億ドルから減少する見通しだ。
英EU離脱決定の直接的な影響を踏まえ、従来予想の2120億ドルから下方修正された。
欧州域内のM&A手数料収入は最大で60%減少する可能性があるという。
既に苦しい状況に陥っている欧州の銀行は、一部のトレーディング部門を他のEU加盟国に移すコストの高さから、むしろ撤退を選択する可能性があるとリポートは分析。
フィリップ・モレル氏の主導でまとめられたリポートは、「一部の銀行にとって、英EU離脱決定は撤退の加速につながり得る」と指摘。
「市場の動揺や企業の信頼感喪失を通じた短期的な収入見通しと、企業の変革が妨げられることによる長期的な収入見通しの両方に、英EU離脱決定は影響を及ぼす可能性が高い」と続けた。
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イギリスの銀行は拠点を移転する時のコスト高から移転よりも、むしろ閉鎖、あるいは撤退の可能性が加速するとあります。
ブレグジットは短期・長期共に銀行の収入減少を招きます。
EUがイギリスに対してどういった態度で臨むのか見ものです。