健康塾通信

皆様がより健康であるための情報やご家庭でお手軽にできる健康法をお伝えいたします。

リンパ・・・その1

2007年05月08日 23時05分33秒 | Weblog
先週のFMかわさきの放送の中で今月19日にアートフォーラムあざみ野で行われる「初めてのリンパドレナージュ」のご紹介をいたしました。

お約束いたしましたようにその講座にさきがけて今月は「リンパのマッサージ」やリンパの簡単な解剖学などのお話をお届けしてまいります。

リンパ液はこれまで血液ほど日常会話に登場しなかったかもしれませんが、近頃は注目を浴びる機会がふえました。それは健康にも美容にも大切な働きを持っているからです。

まず動脈血は太い血管からだんだん細くなって、毛細血管迄流れていきます。
うすい壁でできた毛細血管の小さい隙間からしみ出た血漿成分が組織間液と呼ばれて、組織や細胞に栄養などを運び、その中の老廃物が静脈の中にとりこまれますがこのとき静脈で回収し切れなかった老廃物がリンパ管に流れ込みます。

このリンパ管に流れ込んだ時点でリンパ液になるのです。

少しわかりやすくまとめてみました。

<血液循環ルート>
心臓→動脈→細動脈→毛細血管→細靜脈→静脈→心臓に戻る
           
<リンパ循環ルート>  
      毛細血管→毛細リンパ管→浅・深リンパ管→
リンパ節→リンパ本管→静脈→心臓に戻る

それではまずリンパが運ぶものをあげていきたいと思います。                                                         
① 死んだ細胞・・細胞分裂を終えたあとの死んだ細胞
② 老廃物・・・・代謝の際に発生する不要な物質
③ 脂肪・・・・・体内で利用されず余った脂肪
④ たんぱく質・・分子量が大きいのでリンパ管で運ばれる
⑤ 糖質・・・・・体内で利用されず余った糖質
⑥ 化学物質・・・有害なたばこの煙や排気ガスなど
⑦ 乳酸・・・・・疲労物質
⑧ 細菌・ウイルス・・リンパ節にはいり免疫細胞がやっつけます。

これらのものを運んでいるリンパの流れは、下水道といってもよいと思います。

このリンパ液は管の中を一方向に流れて行きますので所々に逆流を防ぐ為の弁がついています。そしてその流れはとてもゆっくりで、リンパ管は皮膚のすぐ下を流れているので強い圧迫で流れが滞ります。

ですから局所のしめつけや立ち仕事、同じ姿勢の持続はむくみの原因になります。

さらに、大切なことはリンパ液の中には免疫細胞がたくさん分布しているので外から進入する細菌などの病原菌の感染から体を守ってくれています。

リンパ循環のルートでおわかりいただけたように皮膚のすぐ下を流れる毛細リンパ管から皮膚の浅い層にある浅リンパ管や深部の深リンパ管といわれる数本のリンパ管が一つのリンパ節に入り込み合流して序序に太くなり、リンパ本管に入っていきます。

そして最後には静脈の中に入り込んで心臓にもどっていきます。
ですからリンパは渋滞した静脈を助ける抜け道ともいわれます。
その70%が皮膚組織を通っているのでリンパ管は最前線の防衛隊として私たちのからだを守ってくれているのです。

では次回はリンパ管の途中にあるろ過装置ともいうべきリンパ節のお話をしてまいります。

 

血液の話

2007年05月08日 07時29分03秒 | Weblog

私たちのからだの約60%が水分だということでしたが、今回は体液の中の血液についてお話いたします。

血液は血管の中を流れていますが、この体液の循環に関係するものを
ひとまとめに循環器系と呼んでいます。

私たちの身体はいろいろな器官が集まって、からだの生理作用の目的別に
器官系が分かれています。
たとえば骨格系や呼吸器系・消化器系などなど・・その系統は10系統に分けられています。

その中の循環器系というのは心臓・血管・リンパ管などが体液の循環に
かかわっています。

そしてこの循環も血液が流れる血管系とリンパが流れるリンパ管系の
2種類の循環があります。

まず今回は血管系の中の血液についてですが、血液は単に循環している
だけではなく、からだの状況に応じて必要とする臓器に適量の血液を分配しています。

たとえば食事のときは消化器系に血液を供給することで、
その機能を助け、栄養や水分の吸収を効率よくしてくれます。
ですから、食後すぐ動くことで、血液が筋肉運動の方にかかわってしまうので、食後の運動や入浴などは避け、食休みをすることが必要になります。

学習するときは脳への血液を供給し運動のときは、肺や心臓、大きな筋肉に酸素や血液を送り込むことになりますね。

さらに血液は動脈と静脈があります。

動脈・・・心臓から出て行き、細胞に栄養と酸素を運びます。

静脈・・・心臓にもどる循環で老廃物や二酸化炭素など余分なものの回収
     をします。心臓より下では手足の筋肉の動きで押し上げられています。

もう一度血液循環をまとめますと
心臓を出た動脈血が太い血管から徐々に細い血管に移動して毛細血管と
いう薄い壁で細かく枝分かれした血管から液体成分を染み出します。
ここで細胞が酸素と栄養を受け取り、二酸化炭素や老廃物など不要になったものを再び毛細血管が回収して細い静脈からだんだん太い静脈に入り心臓にもどります。

このように血液を通す役目の動脈と静脈、そして各細胞と物質を交換する役目の毛細血管があるということはおわかりになりましたか?
ですから毛細血管は植物の根っこや枝のように全身に大きく広がって
からだの隅々まで栄養を届けたり、いらないものを受け取ったりしているのです。

この循環器系の正常な働きの為には高血圧、糖尿病、高脂血症、肥満、
喫煙、運動不足、ストレスなど、まさに生活習慣をもう一度見直して健康の管理
を心がけて行きたいと思います。