育てていたフラックス(亜麻)の花が咲きました。
直径3㎝ほどのはかない花で、午前中に咲いてすぐに散ってしまいます。
『亜麻色の髪の乙女』の亜麻は
この植物の茎からとった繊維のことで、リネンと呼ばれています。
麻という字がついてもアサ科アサ属の麻とはまるで違った植物です。
これがリネン布です、画像右側部分が漂白していない本来の色です。
でも何か土色っぽくて乙女の髪のイメージじゃない…?
…と、思ったら
ヨーロッパでは従来は川の水に浸して茎の繊維を取り出していたのですが
環境保護の観点から20世紀入ると禁止され、
畑に刈り取った亜麻を畑の土に敷く製法に変わったのだそうです。
それで土色がかっているのでした。
水を使った製法だとこの様な色になるとのことです。
この色なら納得です!
亜麻色の髪の乙女が、無理なく思い浮かびます。
クロード・ドビュッシーの『亜麻色の髪の乙女』の元となったと伝えられている
ルコント・ド・リールの詩集『古代詩集』が発表されたのが1852年、
19世紀なので、亜麻色といえばこの色を指したことでしょう。
色見本のサイトでも、これが亜麻色とのことでした。
明治期に日本にフラックスを導入したのは榎本武明ですが
第二次大戦後に化学繊維の台頭で栽培は廃れていまいました。
これからは天然繊維の良さが見直されて、
また栽培が盛んになるかも知れませんね。
そもそも「麻」は植物表皮や葉茎などから取られた繊維の意味で
特定の植物から取られた繊維の意味ではなかったのでした。
現在の日本で衣料や寝具の品質表示に許可されている「麻」は
リネン(亜麻)とラミー(苧麻)だけとのことです。
これからは「麻」の、さらりとした涼感が嬉しい季節です~♪
いろいろな髪の乙女(笑)
1910年クロード・ドビュッシー
GSブームの頃の1968年(昭和43年)ヴィレッジシンガースのヒット曲
2002年(平成14年)リバイバルヒットした島谷ひとみのカバーバージョン
ルコント・ド・リールの詩「亜麻色の髪の乙女」の訳詩は「ニャンちゅうさん」のサイトにあります。