粘土工作になると、俄然と目を輝かせる子がいます。その反対に下を向いてしまう子、その極端な違いは描画よりも大きく、指導の上での問題提起のひとつです。学校の授業ではあまりなされていないことですが、ダ・ヴィンチ教室では粘土工作をするときは必ず、設計図(正面画と側面画・背面画)を描かせています。確かに想いのままに触らせて、できた偶然性もまた、創作物のひとつであるという考え方も指導論としてあるでしょう。しかし、その点に有効性が発揮されるのは高学年・中学生まで待たなければ活かされてこなことも事実です。 「どんなカタチをしているのかな?大きさは?」そこまでは幼・小学年生でも描くことができます。「じゃあ横向きは?後姿はどのように粘土で作るの?」この時点で、中・高学年の子でも考え込んでしまいます。(考え込むことは、とてもよい時間です)奥行きやふくらみといった「三次元」」に意識が薄く、ワンコの鼻が飛びだしていない横顔の絵も見受けられます。
たとえばクジラの立体像を観る機会は多くはないでしょうが、博物館などでいろいろな方向からクジラを観ることに興味を持つと、スケール感のある塊として記憶されます。これはビデオや図鑑でみるのと同じ「クジラの記憶の引き出し」ですが、多角的に観る子の記憶の引き出しの中には複数枚のビジュアル集が入っていてペラペラとめくり、必要なアングルがスラスラ描けることにもつながります。 4年生の子との会話で印象的な言葉がありました。「私の後ろに広がる景色をつくってみよッと!」この子に「自分との距離感」」と「自由に観るアングル」」が意識付けられたこがわかります。さくらちゃん(3年)
*自作キャラクターの後ろにあるコンセプトノートには、一人ひとりの想いが濃く記載されています。これだけでも素晴らしい発想の痕跡になります。だからこそ、胸を張って制作に集中できるのですね。Good!Good!!です。