噛噛堂 あと2112冊

遅読、積ん読、併読、乱読。それでも読んどく、70までの2112冊。いよいよカウントダウン。

龍馬 (四) 薩長篇

2010年05月30日 | 「この人」を見よ棚
はー。やっと四巻目。
かなり息切れ気味のところへもってきて、
四巻に入ってからことさら、手紙やらなんやらの「原典記載」が多くなって、読みにくいことこの上なし。
その揺り戻しのように、おりょうが出れば必ず濡れ場。
原典と濡れ場のサンドイッチ状態だけが読後印象って…(苦笑)


長次郎も亡き今や、動機は「あと一冊なんだから」という、もったいない感のみ。



それにしても。



別の本が読みてえーっ!
龍馬のまんなかで本を叫ぶ。

new102冊目(全108冊目)

龍馬 (三) 海軍篇

2010年05月30日 | 「この人」を見よ棚
それにしても今さらになって思うのは。
「竜馬がゆく」は小説だったのだなー。 ちゅうこと。(あたりまえだって)

司馬遼マジックですか、リアル竜馬としか思えなくなっていて…

司馬竜馬とはまた別のこの津本龍馬。
司馬竜馬では、「時代」というでかい屋台骨といっしょになって「竜馬」が3Dよろしく飛び出してくる感じがしていましたが、
津本龍馬はかなり平板。
そのかわり、土佐弁はたっぷりと味わえます。

new101冊目(全106冊目)

龍馬 (二) 脱藩篇

2010年05月30日 | 「この人」を見よ棚
いますねぇ、確かに。長次郎。(あたりまえだって)
ドラマと違って、この長次郎は龍馬とはちょっとタメな感じです。
ま、最初に見ちゃって刷り込まれたせいもあってか、
ドラマの方の、
「坂本さま~ぁ
なカンジの長次郎の方が噛噛堂には気分です。

げ。まだ3冊もあるってか?!

new100冊目(全106冊目)

龍馬 (一) 青雲篇

2010年05月30日 | 「この人」を見よ棚

津本陽    集英社文庫  2009年(2001年単行本)

龍馬の呪縛から逃れられない…



と、いえばカッコいいけど。違います。
大河ドラマ「龍馬伝」は、「弥太郎伝」でもいいんじゃないか?というほど、弥太郎インパク値が高いのはもはや常識。
しかしアタシがこのドラマにて何よりもショーゲキを受けたのは、
饅頭屋の長次郎。

ここ毎週、長次郎を見るために「龍馬伝」につきあっていると言っても過言ではありません。
その長次郎なんですが。
あんなに夢中になって「竜馬がゆく」を読んだはずなんですが。

記憶にございません(汗っ)

竜馬以外、ほとんどスルーしてたのかアタシ。
しかしどんなに面白かったといったとて、ついこの間「読んだはず」の本を再読てのもシャクなので、
津本版「龍馬」でなぞってみることにした次第…

new99冊目(全105冊目)

「事業仕分け」の力

2010年05月13日 | よのなか棚

枝野幸男    集英社新書  2010年

「片付け、しなきゃなー」
と言う定番のボヤきでエンジンがかからなくても、
「仕分け、しなきゃ!」 これで一気にスイッチが入る今日この頃です。
今期一度も着ることのなかったセーターも、天下る先なくズバッと「仕分け」してみました。
(ちいせぇ~)

まさに、旬の一冊。
そして、10年後に必ず読み返したい一冊ですね。
現在の政治の旬が、10年後に熟成の芳香を放っているのか、はたまた腐臭を撒き散らしているのか…

new98冊目(全104冊目)

新国民病ロコモティブシンドローム

2010年05月12日 | 体棚

サブタイトル「長寿社会は警告する」
中村耕三    NHK出版 生活人新書  2010年


「メタボ」って、「メタ」で新鋭感出しながらも「たぼ」で一気に間抜け感炸裂、
緊迫感のない事態になっていると思うのですが、今度は「ロコモ」とな。
「ロ」も「コ」も「モ」も、思いっきり脱力音。
ヤシの木陰からビーチボーイズたちがロコモコ丼を手に「ココ~モ~♪」とあらわれそうなキブンですが。

いやいや。
高齢「化」社会じゃなく、もはや高齢社会に世界一のスピードで突入しているこの日本。
ロにもコにもモにも、思いっきり濁音と吃音をつけて「ロ゛ッゴッモ゛ッ!」としたい事態です。

ロコモ=ロコモティブシンドローム=運動器症候群。
簡単に言うと、長寿化に膝・腰(等の運動器)の健康が追いつかない事態。のこと。
リタイア後はアレをしてコレをして…などとの画策も、「歩けて」こその計画じゃん!と思い至る50代は必見の書です。
そのリタイア世代を親にかかえる40代も、購入で損はなしの一冊。

五十肩で苦しみぬいた時期、ドクターから「骨にはトゲは出てないな~」と言われたモノの、
「先生、ト、トゲって何ですか?」と聞けるような雰囲気のドクターでなかったこともあり、謎のままだった「骨のトゲ」等についてもわかりやすく解説。
骨粗鬆症のことも、
大腿骨頸部骨折のことも、
変形性膝関節症のことも、実にわかりやすく解説されています。

それらを「知った」上で、ではどうすべきなのか。
予防方法、治療方法の解説についても抜かりはありません。
噛んで含めるような解説と、繰り返されるロコモ予防の提唱。
中村氏の静かな熱意が伝わる良書です。

…要介護になってから、そんな話は聞いていなかったということがないように…
長生きがもはやリスクを背負う時代、だれもが潜在的患者である以上、まずは知るところから。

そして、…歴史上初めて出現した「集団的な規模で直立二足歩行が困難になっているという事態」…
これがどんな震撼とする事態なのか、
それは足腰が弱った人が少数派であったときの対処方法を、単に延長したくらいでは対応できない状態
なぜなら、東京駅のように1日に100万人以上の人が利用するような駅のシステムは、1日100人が利用するような小さな駅の運用システムの単なる大型化ではすまないのと同じです…から、、、
乗る側にスイカの知識がなければ、駅員を1000人増員したって間に合わない!
というわけで、40代50代にとどまらず、日本車両に乗車する全員が必読かもしれません。

new97冊目(全103冊目)

眠狂四郎無頼控 (三)

2010年05月09日 | そのむかし棚

柴田錬三郎    新潮文庫  昭和35年

眠狂四郎シリーズ新装版で店頭平積み?!
ついこのあいだまで、たいがい数巻欠け状態。
図書館でも書庫から出してもらわなくちゃならなかった眠シリーズが。
GAKTO効果ですか。
しかし新版はやっぱり丸々大活字。
疾風を起こして、一身を竜巻と化した狂四郎が、ぴたっと、静止相にかえった時、すでに、数個の生命は、あの世に送られていた…
こんな描写も丸々大活字じゃあ、フットワークが重すぎるというものです。
というわけで、今後も眠シリーズは書庫から出してもらう昭和版で読み進めたいと思います。

第三巻にいたって、上記抜き書き部分じゃないけど、
あまりに「あの世に送られ」る人数の多さに辟易とする部分もあるのですが。。。
時代モノのオヤクソクとして、そこはサラリとスルーしましょう。
それよりなにより第三巻は、狂四郎と女たち
運命の一対である美保代をも、静香が見せた命を賭けての誠意を前に、
「よし!美保代をすてる!おれは、お前を妻にする!」…



って、おいっ!

さてさて、そんなナルシーなキャラ部分は、やっぱりGAKTOでナイスキャスティングなのではありますが、
そのルックスにて、女子であれば敵をも惑わせてしまう…ほどの美オーラって部分はいかがなものでしょう。
ま、遠いですからね。
舞台は。
ズームないし。

new96冊目(全102冊目)

長谷川りん二郎展

2010年05月05日 | 見て記て
平塚市美術館    4月17日~6月13日
レンピッカ、必見!
…の、意気込み鼻息心意気で幕あけた4月でしたが。
でしたが。

諸事情により、東京までは行ってるバヤイじゃないし。
行けたとしたって、どうせザ・ミュージアムなら平日だろうと混んでるだろうし。

だからって、「でもしか」で観に行ったわけではありません。
長谷川潾二郎。
全124作品中、22作を噛噛堂お買い上げ。(…この見方で2倍スリリング)
うち噛噛堂大賞は「室内」、準大賞は「茄子其他」。(…この見方で更に2倍真剣)

いやいや、「室内」。
潾二郎16歳の作品とは。
モチーフが“読書する女”、、というところに必要以上に惹かれた気もしますが(笑)

ごく少ない“生物”を描いたの中の有名作は愛猫タロウを描いた「猫」。しかしこれは猫なので却下(苦笑)
ただし、猫好き友人3人のために絵葉書を土産にするのはやぶさかじゃございません。

このごく少ない“生物”モチーフの他は、おおかた“風景”か“静物”モチーフなのですが、
独特の“静物”世界にドップリとハマりました。
てゆーか、しまいにゃ笑いだしたくなるほど。
いや、実際ニヤついちゃってたな。
だってその超気まじめな仕事ぶりに対して、選びだされ、セッティングされた“静物”たちといったら…!

「なんでこれ?」

「なんでこの配置?」

シュールです。
いえーい。

GWさなかというのに、ゆ~ったりの~んびりじ~っくり観ることのできた平塚市美術館にも、いえーい!

普通の家族がいちばん怖い

2010年05月02日 | よのなか棚

岩村暢子    新潮文庫  2010年(2007年単行本)

ついこの間、知りあいの「うちのコ(14歳)まだ本当にサンタさんがいると思っているの」…
なる発言になんともコメントを返せなかったという経験をしたばかりのところにこの本です。

223世帯を対象にした「正月」「クリスマス」を主軸に、七夕、ひな祭り、節分等のその他年中行事の実態調査。
ただの実態調査なんだが、この現実を養老孟司の帯広告通りホラーと感じるか、
どこが悪いの?と感じるか。
これは世代間的な感想の差が現れるであろうな~、と予想した当のジブンは、
ある部分はホラーと感じ、ある部分はアタシもそうだしーと思い…
なんとなれば、私好みにこだわって各種行事をアタシルールで演出していく主婦年代と、伝統浸み込み主婦年代の分岐点が、生年1955年前後なのだというからむべなるかな。

ま、伝統行事といったって太古の大昔から続いているわけでもなく、
七夕なんか太陽暦の7月7日にするもんだから梅雨のさなかにやってるわけだし。
盆暮れ正月にこそシャカリキに働かなくてはならない人(&そういう人のいる家族)はもはや少数派ではないと思うし。
もちろん文庫版あとがきの通り、…人はどうも私を、日本の伝統行事推進者か保存委員みたいなお堅い人間だと思っているらしい。はて、困った。だから今一度言わなくてはいけないだろう。「この本は、日本の伝統行事や正月の伝承り御節が衰退している事を嘆いたり戒めたりしている本ではありません」と。
そういう本なのです。誤解のないように。文脈が批判風である箇所もあるけれど。

223世帯をただただ浮かび上がらせただけのこの本が放つものについては、
各章各章辿りながら、ぜひとも「誰か」と語りあいたい。
そんな、ただごとではない気分に満ちて、いったん読み終えた、という一冊でありました。

new95冊目(全101冊目)


それにしてもこのタイトルとサブタイトル。
著者のスタンスに反して、読者に予断を許しまくってしまうこのタイトルのつけようは…