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噛噛堂 あと2112冊

遅読、積ん読、併読、乱読。それでも読んどく、70までの2112冊。いよいよカウントダウン。

日本辺境論

2010年01月27日 | よのなか棚

内田樹    新潮新書  2009年

「はじめに」で、すでに面白さが約束された一冊のあのカンジを得て、ついニマニマ。
そして中盤で、ぐうの音も出ない 状態。
中盤以降に、古今の哲学者たちが登場するあたりでやや足踏みしてしまうも、
実にすがすがしく読了っ。





で、何をどう感じ入ったのか、っちゅうハナシになりますと、
うん。もう一度読んでみます。

いや、とりあえず付箋だらけマーカーだらけなんで、そこだけでも。

ま、著者も相互に関連のない事柄をランダムに列挙している人間をつかまえて「相互に関連のない事柄をランダムに取り上げている」と文句を言われても困る。そういうことをやろうと思っているわけですから。 と言っている通り、あちらにもこちらにもと散漫に広がってゆく論件の山なんですから、ただ楽しみ、時に立ち止まり、時に感に入りと、それだけでもいいじゃないですか。
そうして何回かめかの読了の後に、ぐうの音も出ないところから「ぐう」くらいは音を出せるようになるのかもしれませんから。

とりあえず本棚にしまいこまず、いつパラリとしてもいいように、手元に置いておく本となりそうです。

new66冊目(全72冊目)

Q&A整形外科100の常識

2010年01月26日 | 体棚

松井達也    文芸社  2005年

あの、完治までに約2年を要した肩関節周囲炎(通称五十肩)以来、
この先の老化とともにわが身に切実なのは、恐らく内臓系よりも整形外科系なのではないかと自己診断。
いや、実際どっちもだけど。
あの激痛の、あの拘縮の、あの「なんでこんなことができないのか!」な日々の記憶がまだあるうちに、
骨やら関節やら筋肉やら靭帯やら腱やらに、今年はもうちょっと肉薄してみようかと密かに一年の計を今月中旬くらいにたてた次第。

しかし質問だけ見ると、別の意味で回答したくなるものも。
歳をとったし動きたくないので一日中ベッドの上で過ごしています。 …ねえ。
いくら高価でもよいから、よく効く薬をください。 ですか!
ガングリオンなので心配ないと診断を受けましたが、名前が気になります。 そりゃねぇ。ガングリオン。
いえ、どれにもこれにも、きっちりきちんとお答えが用意されていますけど。


それにしてもこの手の本に人生の格言的なコトバを見つけると、ついつい太字に…
いろいろな変化は、現在の状態にちょうどよい変化です。

老化、っていうか、変身、ですね。トゥー。

new65冊目(全71冊目)

くまちゃん

2010年01月24日 | that's ものがたり棚

角田光代    新潮社  2009年

こんこん、ご無沙汰しています。
ときどきヘタりながらも、東京なんてところで(アタシにはムリだった)頑張っている日々… でしょうか。
陰ながら敬服していますよ。

さて、いつぞやは夏石鈴子さんの 「いらっしゃいませ」 をおすすめしたところ、大変気に入っていただけ、アタシも大変嬉しかったものでした。
仕事をしているあの時期の女子にはビンビンにくるだろうなという予想的中!
それって、イチローのヒット並みの快感ですから(笑)

そしてこのたびは、この 「くまちゃん」 をおすすめする次第。

恋をしてますか?
いえ、失礼。しているでしょう。しているはずです。
ここに描かれている7つのオムニバス短編の主人公たちは、アラサー~アラフォー。
みな恋をして、みんな失恋するというオール縁起でもない話ばかりなのですが、
すべてのハナシが実に軽妙につながりあっているという構造のウマさを、まずは物語好きなら純粋に楽しめる事と思います。
楽しんでください。
時々、身につまされることもあるかもしれません。
なんといっても7つの恋物語なのですから。
どこかにアナタの話があってもおかしくないのですから。

そうやって物語を楽しんで、最後の、作者あとがきの、最後で、私は「あっ…」と合点がいき、
7つの物語のすべてが一気に自分自身の話として寄り添ってくるような感覚に襲われたのです。

だから決してあとがきから読まないで。
作者の素敵な視点です。

こんこん、30代ですね。
いつかも言ったけど、気力と体力のバランスが絶妙のピークを迎える時期です。
仕事をしましょう。
恋をしましょう。

私はといえば、その30代をヒリヒリせずにやっとなつかしい気持ちで思い出せる40代の終わりになりました。
あのとき毎日ヒリヒリしていた理由も、
今はまるでヒリヒリと無縁になった理由も、
作者あとがきラスト4行が啓示のように教えてくれました。

それではまた。今年はぜひ会いたいものです。(と、去年も言っていたナ…)

new64冊目(全70冊目)

見事な死

2010年01月22日 | ろうびょうし棚

文藝春秋編    文春文庫  2008年
 阿久悠から始まって順不同48人の「死」を、夫や妻や姉や友人が悼む。


死は「残された者」のもの。
見事ということばが妥当なのかどうかは置いとくとして、見事かどうかもその人に「残された者」のもの。

死そのものを知る一冊というよりは、「悼み方」を予習する一冊かもしれません。


尚、「トンマな死」を予言したという中島らもの、予言&トンマっぷりには、べつだん彼に残された者でもないアタシでも思わず「お見事!」と。
ラスト3行、この夫にしてこの妻と、これも思わず泣き笑いの素敵な悼みっぷりにも「お見事!」です。

new63冊目(全69冊目)

女子フィギュアスケート --氷上に描く物語

2010年01月16日 | スポ棚

八木沼純子    角川oneテーマ21  2006年
 オリンピック選手を経てプロスケーターに至る八木沼純子が自身の軌跡と共に、ジャッジ方式の変化やスケーターの生態・身体づくり、大会の舞台裏等々を活字でパフォーマンス!


帯広告「トリノ冬季五輪、華麗なる闘い」… トリノ前の出版ですがな!(どんだけ積んどいたんだ)
だから旬なネタは外してるけど、ジャッジ方式の変化についてきちんと了解できたことが収穫。
アタック№1で育った世代に今のバレーボールはもはや未知の世界。
ジャネット・リンに狂喜した世代に今のフィギュアルールはわかったようなわからないような。ですから。

ジャンプとフィギュア限定で楽しみな冬季五輪。
もはや原田のいないジャンプ、
もはやミシェル・クワン!の出ないフィギュアには、かつてほどには熱くなれないでしょうが…

new62冊目(全68冊目)

幽霊の2/3

2010年01月12日 | やぱミス棚

ヘレン・マクロイ    創元推理文庫  2009年復刊(1956年Copyright)
 人気作家エイモス・コットルが、パーティーでゲームをしている最中に毒殺される。ゲームの名は「幽霊の2/3」。客の一人ベイジル博士は警察の協力依頼により関係者から事情聴取を始めるが、、、
なぜエイモスは「幽霊の2/3」で文学関係のクイズに答えられなかったのか?
人気作家エイモスの死をめぐって蠢くエージェント、出版社社長、文芸評論家、妻、愛人。はたしてエイモスとは、「誰だったのか?」


んー。古典ですなぁ。
最近の、徹底的に人物ディティールを書き込んでいくミスたちと比べてしまうと、
サンダーバード人形がカチンコチンと演じる舞台を見るかのような、そんなツクリモノ感に満ちているような…

ただし、出版という世界をパロディするようなつくりになっているところが、徹底的にツクリモノになっていて、それはそれで狙ったツクリモノとして天晴れ。

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介護予防と終末期リハビリテーション

2010年01月10日 | ろうびょうし棚
93歳の山崎さんはどうしてヘルパー3級の資格を勉強するのか…「自分が介護を受けるときに楽に介護をしてもらうためにです」
そうなんだ。
アタシ自身が45歳で方向転換したのも、それがどこかにあるからなんだ。


大田仁史講演集③ 大田仁史    荘道社  2009年
 2008年5月に茨城県立文化センターで開催された、第57回日本理学療法学会における大田仁史氏の講演に一部加筆・修正。
「これからどんどん良くなる!」ためにされるイメージの強い『リハビリ』がなぜ、どのように、終末期と関わっていくのか。
講演の臨場感をそのままに、力強い、渾身の、現場からの肉声メッセージ。


人間、右肩上がりでなくなったらダメなのか?
老いて後にも最後まで右肩上がりなんていう事があるはずもないのに。。。
では、いかにも右肩上がりを期待してしまう「リハビリ」が、いかに「終末期」という現実に寄り添っていけるのか?
それが、遺体の在り方から評価する という逆算の発想による展開で、見事にしっくり寄り添うのです。

約100ページ。
集中すれば1時間もせず読み終えられる小冊子だけど、
人生が、最期の最期で100点になるのか、0点になってしまうのか…
自分はもちろん、自分の大切な人にとっても、それは重要な問題だと思うのならば、必読です。

そう、いつか介護を「受ける」日のために介護を知ろうとしたように、
納得のいく遺体に「なる」ための、とばっ口がここにありました。

new60冊目(全66冊目)

偉いぞ!立ち食いそば

2010年01月07日 | 食っ棚

東海林さだお    文春文庫  2009年(2006年単行本)

もはや丸かじりしすぎて食傷気味のショージ君だけど、
立ち食いそばに過剰反応してしまうの巻。
ええ、ヘーキですとも、女子ひとり立ち食いそば。
「箱根そば」「富士そば」「かまくら」「相州そば」あたりに出没します。(「大船軒」は却下)

なのに駅弁から始まるって、それ、どーよ?
たった30ページとはいえ、そっから脈絡なく立ち食いそばになだれ込むし。
蕎麦をたぐりながら日本酒でも一献…と思って入ったら、「えっ、お通しにポテトサラダ?」ってなキブンじゃないですか。
嫌いじゃないですが、むしろ好きですが、駅弁もポテトサラダも。
立ち食いそばのキブン全開のときにはいかがなものか?


尚、本書による影響で、
「絶対ムリ」と避けていたコロッケそばを、次回は絶対にオーダーしてしまうであろうことは間違いありません。

new59冊目(全65冊目)

晴れた日は巨大仏を見に

2010年01月04日 | 行ってみたいん棚

宮田珠己    幻冬舎文庫  2009年(2004年単行本)
 16体の「ウルトラマンより大きい仏像」(身長40㍍以上)を求めて日本全国をずんずん歩く宮田&トホホな編集者二人。巨大仏とは何なのか?大いなるマヌ景(マヌケな風景)論にまで展開していく宮田な視点の痛快紀行記。


ときどき意味もなくずんずん歩いているだけの人かと思ったら、
坂口安吾その他の論までをもバッチリと引き合いに出して、
マヌケな巨大仏を軸に、時代と文化を斬って見せる手腕はなかなかどうして。
でありながらも、
よくわからないものはよくわからないとばかりにさっさと論を引き上げてしまうこともたびたび。おいおい。
それもこれも許してしまう、もはや宮田流の術中にハマッています。



new58冊目(全64冊目)