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噛噛堂 あと2112冊

遅読、積ん読、併読、乱読。それでも読んどく、70までの2112冊。いよいよカウントダウン。

ラスト・チャイルド

2010年07月28日 | やぱミス棚

本年も、
クーラーなし、扇風機なし にて乗り切る我が家にあっては、
いくら冷房の利いた通勤車両内で読んだ内容も、
帰り着く頃には忘却の彼方です。

いやー、フツーの暑さじゃないです。
なのに今年もクーラー設置却下なのは、
室内冷房効かせちまったら最後、過激なまでの室外との「落差」に、
体はもとより気持ちがついてく自信がないから…

もはや夏という季節は 必要最低限 を旨とすべし。
なんとか眠ることと、なんとか食べることに於いて心血注げ。
ジョーダン抜きで命かかってる感がありますから。

そんなこんなで、レビューも必要最低限…(言い訳)


ジョン・ハート    ハヤカワ・ミステリ  2010年(2009年CopyRight)

2009年の作品を、2010年に読めるとは。うるうる。
「川は静かに流れ」では、この妻に惚れる理由がわからないという、
私的には穴とみる設定に納得いかず、どんなに賞とっているか知らないけどイマイチ感でしたが。

はぁ、本書でも、人物設定に腑に落ちない感のある部分はあれど、
読ませます。
読んでる間は、「夏」を忘れました…

読み進めるにつれ、「ラスト・チャイルド」のタイトルの意味が、あらゆる方向から迫ってまいります。

new108冊目(全114冊目)

氷姫

2010年04月12日 | やぱミス棚

カミラ・レックバリ    集英社文庫  2009年(2003年Copyright)
海辺の家のバスタブに凍ったまま横たわった全裸死体は、作家エリカの幼き日の親友・アレクサンドラだった。ずっとアレクサンドラとは疎遠だったが、偶然にも遺体を発見することになってしまったエリカは、地元警察の警察官であり幼馴染のパトリックと共に、この不可思議な遺体について調査をしていくことに…
スウェーデンのミステリ作家カミラ・レックバリのデビュー作にして大ヒット作である本作は、今後次々とシリーズが邦訳されることが待ち遠しく望まれる「エリカ&パトリック事件簿」の第一作目でもある。


ミステリだけど、
ミステリしてない部分 がめっちゃ楽しい不思議なミステリ。

まずは何とものんきな雰囲気のスウェーデンの地方警察署。
どんなに地方でもアメリカじゃこうはいかんでしょう!
まず、そののんきさが味わい。
その最たるものが、禿げ隠ぺいも涙ぐましい、いけすかないことこの上ない警察署長メルバリの人物像。
ニヤニヤ笑いなくして読めませぬ。

かつての親友の悲惨な死、加えて事故で両親を亡くしているエリカは人格破壊者?てな妹婿と遺産相続で泥沼の攻防戦を繰り広げなければならない状況…
なのに。
あらあら、旧交を温めたパトリックとブリジット・ジョーンズの日記なノリでフォールインラブ。
ダイエットへの後悔と勝負下着への気合いはクスクス笑いなくして読めませぬ。

いやー、ミステリ部分としては、
なぜアレクサンドラが『その男』にそんなに惚れちゃったの?!
という部分にいまひとつ踏み込めていない!
まあ、惚れたはれたの世界は不可解だから。
とはいえ、その不可解を読者に了解させるのが小説だと思うのですよ。
エリカとパトリックの恋の駆け引き描写があまりにも懇切丁寧なもんだから、結局は人ひとりが命を落とすまでに至った方の男女のナニガシが余計にあっさりと感じてしまう次第。

そんなこんなを差し引いても、「楽しく読める」稀有な雰囲気のミステリといえましょう。
二作目以降では、エリカと亡き母との確執が何であったのか…等々、本作でチラッと触れられていた小さな謎が次々と物語の中心に展開していくようです。

東京都民の人口よりはるかに少ない人口900万人のスウェーデンは、
実はヨーロッパでは5本の指に入るミステリ大国なのだそうな。
初めて知るも、うなずける一冊でした。

new90冊目(全96冊目)

シャッターアイランド

2010年04月04日 | やぱミス棚

デニス・ルヘイン    ハヤカワ文庫  2006年(2003年Copyright)

こんなにまで、、、
こんなにまで大がかりにする意味が、よくわからんぞー。

以下ネタばれ御免。

類似の手筋としては、セバスチャン・フィツェック「治療島」の方が、
「ここまで仕掛ける」意味がまだしも納得できる、でしょうか。
「治療島」を読んでいたせいか、「シャッター…」のオチは途中で見えてしまい、
となると後はずっと、「なんでこんなに大がかりに?」と首をひねるばかりなのでした。

new87冊目(全93冊目)

幽霊の2/3

2010年01月12日 | やぱミス棚

ヘレン・マクロイ    創元推理文庫  2009年復刊(1956年Copyright)
 人気作家エイモス・コットルが、パーティーでゲームをしている最中に毒殺される。ゲームの名は「幽霊の2/3」。客の一人ベイジル博士は警察の協力依頼により関係者から事情聴取を始めるが、、、
なぜエイモスは「幽霊の2/3」で文学関係のクイズに答えられなかったのか?
人気作家エイモスの死をめぐって蠢くエージェント、出版社社長、文芸評論家、妻、愛人。はたしてエイモスとは、「誰だったのか?」


んー。古典ですなぁ。
最近の、徹底的に人物ディティールを書き込んでいくミスたちと比べてしまうと、
サンダーバード人形がカチンコチンと演じる舞台を見るかのような、そんなツクリモノ感に満ちているような…

ただし、出版という世界をパロディするようなつくりになっているところが、徹底的にツクリモノになっていて、それはそれで狙ったツクリモノとして天晴れ。

new61冊目(全67冊目)

心から愛するただひとりの人

2009年12月24日 | やぱミス棚

ローラ・リップマン    ハヤカワ文庫  2009年(Copyright2008年)
 ミステリの魅力と楽しみを伝える画期的全集/現代短編の名手たち⑥
表題作ほか15の短編と、表題作に関連する中編1が描きだすのは、まさにリアルタイムの現代アメリカ。


クロックスが、まんまクロックスと訳され、
クンダリーニヨガが、まんまクンダリーニヨガと訳される。「今」、ですなぁ。

スプラッターな場面でも、どこか、渇いていて、そして可笑しい。
コーエン兄弟の「ファーゴ」を観たときの、あんな感じといいましょうか。

いくつかの短編は、この著者が長編の主人公として登場させている私立探偵テス・モナハンもの。
それも魅力的だけど、
みずから「売春宿のおかみ」と称する美しきロビイストのエロイーズが登場する表題作、
そしてそれに続く中編「女を怒らせると」の魅力ときたら!
売春婦であり、母であるエロイーズの多面感は、
コチュジャンとかバルサミコが、うまいこと和食の味付けにマッチした時の快感に似ています。
いつものサバ味噌の、今日のこの奥行きは何?みたいな。

あとがきのミステリガイドにより、改めてロアルド・ダールやウールリッチへの読む気をそそられますが、
そこでウールリッチのある作品を評した「…最後の一行で忘れられない後味を残します…」との賛辞、
本短編集では「女を怒らせると」に捧げます。
渇いた可笑しさが、この最後の一行で、じわっと涙腺をゆるめます。

new53冊目(全59冊目)

それにしても、文庫で1092円。
その価値がなかったとはいわないが。
大出版社以外の文庫の、まー、高いこと高いこと。

悪女について

2009年12月23日 | やぱミス棚

どうも禁断症状的な感じだとおもったら、このところ小説を読んでいないではないか!
そんなわけで、唐突に有吉佐和子。
そして、迷ったけれど、ミステリーに分類。

有吉佐和子    新潮文庫  昭和58年(昭和53年単行本刊)
 富小路公子。彼女は悪女だったのか。心の清らかな人だったのか。美女だったのか。そこそこ程度の容貌だったのか。
その突然の死ののちに、ライター(?)が彼女をめぐる27人にインタビューする形式をとった長編小説。


そうか、唐突でもないか。
昨今の詐欺騒ぎですからね。
タイムリーといえばこれほどタイムリーなハナシもないわけで。
しかしスケールが違います。
金額のことだけでなしに、人をあやめずしてのし上がるその手法が。
美しき怪物 のお話です。

new52冊目(全58冊目)

そういえば先日NHKのドラマで、一つのストーリーを登場人物各々の視点から描いたってのをやっていましたが(見てないけど)、
こういう多視点型小説(勝手に命名)の推薦本がありましたならば、ご紹介のほど是非に。

悪意の森  上・下

2009年11月18日 | やぱミス棚

タナ・フレンチ    集英社文庫  2009年(2007年CopyRight)
 20年前。3人の仲良し幼馴染みはいつもの通り遊びなれた森に入るが、3人のうちアダムだけが「救出」されることになった。残り2人は殺されたのか?自ら失踪したのか?…
20年後。アダムは殺人課の刑事となる。相棒キャシーとの絶妙なチームプレイで事件を担当する日々だったが、ある日、20年前のあの森で、少女の遺体が発見される。断片的に蘇る記憶、20年前に繋がる人物…はたしてこの殺人は20年前の事件とかかわりがあるのか?…
エドガー賞、アンソニー賞、バリー賞、IVCAクラリオン賞、マカヴィティ賞、アイリッシュブック賞、ストランドマガジン賞、各賞の新人賞総嘗めのデビュー作!


いやー。
ほんとに新人さんですか?デビュー作ですか?

確かに、むやみやたらと文章中に注釈文が挿入されて、前半読みにくいったらありゃしないし。
アダム(ロブ)とキャシーのからみも、軽妙で魅力的な人物像を描き出しはするけれどここまでひっぱるかなー、と長いし。
しかし。
これで結末がトホホだったらどーしてくれる!と、ジレだす中盤から、
保証します。
ダルいほど長く思えたキャシーとアダムのやりとりも、
こうくるための布石。
これから読む方は二人の漫才コンビチックなかけあいも、いとおしむように味わって下され。


ミステリー? いえ、「愛」のはなしですから。

new45・46冊目(全51・52冊目)

寝ぼけ署長

2009年10月21日 | やぱミス棚

いつかは読んでみたかった山本周五郎…

山本周五郎    新潮文庫    昭和56年(昭和21年初出)

「ちょっとさー、初めて手をつけるのに、『寝ぼけ…』からってのは、ないんじゃないー?!」
周五郎ファンの友談。
はー。
自分でもそう思ったけどさ、この帯広告だよ。
「日本中で署長のファン急増中!」
「上司にしたい男№1」
これで、心の襞に染み入るような人情話以外の何を想像しろって言うのよー


ま、よくよく見れば、ちーさく「痛快探偵小説」とも書いてはあったがな。


ザラッと黄色く変色したような古本で、昔ながらの新潮活字で読むのがキブンでしょう。
平成21年54刷てな最新版いまどき丸めの大型活字のキレー紙質じゃ、ますますキブンも削がれますって。

金あるところに犯罪あり。
大金持ち絡みのハナシが多く、また、署長自身にあまり感情移入できない中では、
「毛骨屋親分」には、あ、そうかー!と、してやられたり、
「十目十指」には、痛快感全開ざます。

new40冊目 (全45冊目)

川は静かに流れ

2009年10月07日 | やぱミス棚

いやなことがあるとね、余計なことを考えずにね、
ただただ、ひたすら、「真相」だけを追っていける、ミステリーに手が伸びる…

ジョン・ハート    ハヤカワ文庫  2009年(2007年Copyright)
 物語は、過去に殺人罪に問われた僕(アダム・チェイス)が、事件のおきた故郷に、5年ぶりに帰るところから始まる。大きな利権をめぐって対立の構造を成す故郷の地で、最愛のグレイスが襲われ、親友のダニーも死体で見つかる。
再び疑われるアダム。次第に不穏の輪郭が浮き上がるチェイス家。
はたして「今回」の犯人は誰なのか?
そして、「5年前」の犯人は…?
アメリカ探偵作家クラブ賞 最優秀長編賞受賞


ま、「余計なことを考えずにただひたすら真相を追う」ための一冊としてのお役目は果たした568ページでございました。

でもさー、
すべてはアダムの父親が、後妻のことを信じている(愛している?)ことが前提になけりゃ成立しないわけだけど、
そこに説得力なし。 なんだよなー。

new37冊目 (全42冊目)

誇りと復讐 (上・下)

2009年08月12日 | やぱミス棚

ジェフリー・アーチャー    新潮文庫  2009年(Copyright2008)
 最愛のベスにプロポーズを受け入れられ、有頂天のダニー。それが開始12頁めにして、親友でありベスの兄であるバーニー殺しの被告として裁判にたつはめに。。。有罪となったダニーは、刑務所でおきたある偶然の事件をきっかけに、「脱獄」に成功。。。無実の罪を晴らすため、自分を陥れた4人への復讐をとげるため、着々と計画をすすめるダニー。成功まであと少しへとこぎつけたところで、またまた逮捕、そして5つの大罪で告発されてしまう。はたして絶体絶命のこの状況から、奇跡の大逆転はあるのか…?!


奇跡の大逆転は、トーゼン あるんですがね。

それ以前に、そこに至るまでの設定が、それってありえないでしょ、どー考えても。



なのに。



なのに、
いいんですわー、これが。

笑っちゃうくらいありえないのに、それをねじ伏せて読者をジェットコースターにいざなうジェフリーの手腕よ。
おみごとと言うしかありません。
特に下巻後半は、これでもか、これでもかの、水戸黄門状態。
「いよっ!」と掛け声でもかけたくなろうというものです。



それにしても、時々は翻訳ミステリーを読まねばなるまいとちょい決意。
だって。
どうしても、どぉーっしても、 
名前がアタマに入っていかない…
スペンサーって誰だっけ。
あれ、トピーって…。
フレイザー、フレイザー…と、、。
えーと、ヒューゴーは叔父だっけ?
アレックス?マシュー?ピアスン?ラリー?

脳内活性リハビリ状態。

new23~24冊目 (全26~27冊目)