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噛噛堂 あと2112冊

遅読、積ん読、併読、乱読。それでも読んどく、70までの2112冊。いよいよカウントダウン。

死ぬための教養

2009年09月27日 | ろうびょうし棚

図書館には、メメント・モリ的なジャンルを集めたコーナーがあってね、
前々から気にはなっていたけれど、いよいよ、大いに、気になって…

嵐山光三郎    新潮新書  2003年

宗教を信じて死ぬことができる人は、それは信じる力を持った人です。死後の世界を信じることができる人は、精神力が強く、パワーがある。しかし、無常を説いた兼好ですら、本心から来世を信じていたわけではなく、「信じよう」と努力していただけなのです。…(中略)不治の病を宣告され、「あと一年の寿命」と知れば、自分の死を納得するためには、一定の教養が必要になります。一定の教養とは、「死の意味」を知る作業に他なりません。

実際に死を間近に感じたことをきっかけに、改めて、自分の死を受け入れるための処方箋としての教養を求め始めた著者が、たどった数々の「メメント・モリ」本を、読者に、そして自分自身に向けては「覚悟」として紹介していきます。
古今東西の老若男女(…んー、若はさすがにないか、、)の教養人たちが解きほぐすのは、しかし、「死」というよりは、「生命」やら「宇宙」やら。
「死」を中心に据えた、この教養のオムニバスによって、「死」は強烈に「生」へと舞い戻ることを痛感する一冊です。

new35冊目 (全40冊目)

ヨコハマ伊勢佐木町復活への道

2009年09月25日 | 行ってみたいん棚

山田泰造    日本経済新聞社出版  2009年

「伊勢佐木町ブルース」をカバーしたロックバンド「JHONLOS」に始まり「JHONLOS」で〆め。
「JHONLOS」のプロモ本?の印象ぬぐえず。。。

あの不二家が、紅虎になり、ネットカフェになりした経緯や、
あの関内アカデミーがシャレたバーになっちまった経緯や、
あのメリーさんがいたラブ(ロッテリア?)がバーガーキングになり、海ぶねになり、今また替っている経緯や、
そんな地元ローカルなとこをつついて欲しかった。

ま、それじゃ広く浅くは売れはしないのでしょうが。

new34冊目 (全39冊目)

竜馬がゆく (八)

2009年09月20日 | 「この人」を見よ棚

司馬遼太郎    文春文庫  1963~66年

「おりょう、三助をせい」竜馬はどなった。
おりょうは身支度をととのえ、石鹸をもって入ってきた。おりょうは、裁縫、割烹などの女仕事はなにもできないが、ただ二つの得意は月琴を弾きならすことと、男の体をじつに威勢よく洗うことだった。この二つだけは、どんなに機嫌のわるいときでも、よろこんでした…

なんということもない、こういう描写がたまらない。
史実をもとにした「小説」だとはわかっていても、人がにわかに「生きる」のはこういうところ。
いや、この部分も史実なのか?
だとしたら、その史料や、又は司馬氏の取材といったメイキング部分に感服するのもこういうところ。

竜馬を見送る最終巻。

この先に、今一度、竜馬の頁を繰ることがあるとしたら、
それは第一巻と、第八巻。
切れ目なく竜馬であったとしても、第一巻の躍動と、第八巻の切なさは、格別なり。

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ときどき意味もなくずんずん歩く

2009年09月18日 | ワハハもしくはクスリ棚

宮田珠己    幻冬舎文庫  2007年(2003年単行本)

「わたしの旅…」から3年。
ウマくなってます、って気がしますな。
その上、「ウケを狙ってるんですか?」というレベルを超えて、
「ヘタしたら命かかってますよね?」ってところでサラリとアハハ度やクスッ率を稼いできてるとこなんざ、プロ。
あ、もうとうにプロか。
プロの仕事には素直に感服です。素直にあはは、と。


ところで高野秀行氏による解説もなかなか。
ところが、このタマキング本、実は重大な欠陥がある。何が面白いのか、なかなか言葉では説明できないのだ…
説明できない。
もはや解説を投げているとしか思えないようなオコトバですが、いや、わかります。
説明できない。
ですよね、コレ。

ま、あんまり説明しないで、「とりあえず読んでみてよー(笑)」ってことにしときましょう。

new32冊目 (全37冊目)

サブウェイ123

2009年09月13日 | 見て記て

トニー・スコット監督    2009年  米

トラボルタのイッちゃってる狂人ぶりが見れるのかと思っていたのに。
または、初版で見せたあの憂いある表情から、もしや実は奥深い何かがある人物設定なのか?と一瞬思わせられたのに。

どっちでもなく、まるで中途半端。
そんなら、トラボルタを使う意味なしですが?

ま、それを言えば、
罪を告白した地下鉄マンのデンゼル・ワシントンも、
人質の一人の空挺部隊員も、
私利しか頭にないようなニューヨーク市長も、
もっとなにかありそうでいて、
結局、なにもなく、ムダに人が死に、ムダにすべて中途半端。


前に踊る大捜査線の地下鉄モノを観た覚えがあるけど、そっちの方がはるかにマシ。
おーい、ハリウッドぉぉー ……

いやいやえん

2009年09月12日 | 噛噛堂のできるまで棚

ケータイ機種変更により、以降の画像はムダに大きく表示されてしまいますこと、ご勘弁のほど…

中川李枝子さく・大村百合子え    福音館  1962年

おぎょうぎの悪い、きかん坊のしげるが通うちゅーりっぷほいくえん。
でも、先生も、お母さんも、「しげるちゃんっ!」と、イエローカードを出しはするけど、
ぎゅううと上からレッドカードを出しはしない。

ほしぐみさんの男の子たちが積み木の船でくじらとりにでかけたり、
何から何までちこちゃんの真似をしなくてはならなくなったり、
こぐちゃんが保育園に訪ねてきたり、
おおかみが美味しそうなしげるを食べようと企んだり、
くろい山の子鬼に助けてもらったり。

そして、ついに、「いやいやえん」へ入れられてしまうしげる。
なにをしたってかまわない「いやいやえん」の中にあって、いろんなことがキチンとしているちゅーりっぷほいくえんが恋しくなってしまうしげる。
ま、そんなこんなで明日っからまたちゅーりっぷほいくえんに行くようになったって、そうそうコイツの根性はかわりゃしないだろうけど。ってゆうか、変にはかわってほしくないけど。

秀逸なのは、こぐちゃんの章。
お山に住んでるこぐまのこぐちゃん。
口に出して言ってみて下され、ハイ、「こぐちゃん」
魔力のような名前っす。
小沢一郎も、酒井法子も、「こぐちゃん」と、ひとこと大きな声でこぐちゃんを呼んでみてほしいです。
何物にも負ける気がしない、脱力のかわいさオーラに包まれる気がします。
もう一度、ハイ、「こぐちゃん」
ちなみに画像は、パンツをかぶってシャツをはいてしまってのたうちまわっているこぐちゃんの図です。
この一枚に、大村百合子画伯の才能が凝縮されている!
とはいえ、上記状況を知らずに見ると、何の絵だかわかりませんが(笑)

ところで、1962年刊行のこのオハナシ。
今の子には、注釈なしでは「?」な表記もそこここに。例えば、
みんなは、ごふじょうへいってから、ぼうしをかぶってそとへでました。 とか、
「わがはいは、たんげさぜんである」 とか。
それでも、何度版を重ねようとも、注釈など付けずにいてほしい…
何十年たとうと、聞かれた大人が答えてあげたいものです。ごふじょうと、たんげさぜんを。

Re5冊目 (全36冊目)

銀二貫

2009年09月09日 | that's ものがたり棚

高田郁    幻冬舎  2009年
 焼失した天満宮への寄進のためにやっと用立てした銀二貫。大切な銀二貫で寒天商の和助が行きがかり上買ってしまったのは、「仇打ち」… 切り捨てられた彦坂数馬の遺児・鶴之輔は和助に拾われ、寒天問屋「井川屋」の丁稚となる。料理屋「真帆屋」の嘉平の望み「もっとこしの強い寒天があったらなぁ…」…それを嘉平の遺言とも定め、あたらしい寒天づくりへの試行錯誤を繰り返す鶴之輔。大家で火傷を負った嘉平の娘・真帆への恋心を心の底に持ちながら、やがて真帆との再会をへて、究極の寒天が生み出される…


わかりやすーく、さらっと、ちょいカンドー。

少しあざとすぎるきらいがないではないが。

ラスト一行。
番頭さんのオチのセリフは、思わずポンッとひざを打つほど、おあとがよろしいようで…

new31冊 (全35冊)

がんと緩和ケア

2009年09月07日 | 体棚

看護師・看護学生のための なぜ?どうして?シリーズ⑨    メディックメディア  2009年版

国家試験のための参考書です。
かなり、マンガです。
読みやすさ炸裂。

プロ視点で解説される、がんの治療、がんの痛み、緩和ケア、在宅でのターミナル。
特に、在宅でのターミナル章は、あまり知ることのない(考えたこともない)家で迎える最期について、その概要が、さすが参考書、必要最小限に過不足なく盛り込まれて、シロートがそれを把握するためにも大きな一助となります。

ま、難を言えば、ちょいと軽すぎるところでしょうか。
解説はすべて、新米看護師ちゃんとベテラン(?)看護師もとい看護「猫」とのやりとりで進んでいくのですが、
新米看護師ちゃんの、「うん」「うわぁ~!」「へぇ~」「ねえねえ」…レベルの会話は、親しみやすさを通り越して、ところによっちゃあ不謹慎にもとれかねない。と思うんだがなあ…

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笑う介護。

2009年09月06日 | ろうびょうし棚

岡崎杏里/松本ぷりっつ・漫画    sasaeru文庫  2007年
 甘いもの大大好きの果てに脳血管が切れてワガママトンチンカンバリバリ認知症になった父。そんな父から事業を継いでガンガンバリバリ働いていた母が、卵巣ガン。ついでに飼い犬クロまでオムツ生活。どんだけ介護?!な岡崎家の日々は、はたして「笑い」で吹き飛ばせるのか…


泣いてる場合じゃないよやるしかないよという中での「笑い」への持って行き方、
というか、持って行けるかどうか?は、
やろうと思ってできることではないだろうなぁ…
その家族家族の資質というか。ノリというか。

うちも幸いにして(?)「笑う介護。」へ持って行けるタイプ。
あのエピソードもこのネタも、ぜひ松本ぷりっつにお願いしてコンパクトな漫画へと昇華させていただきたいものです。

例えば?
そうですね。例えば、
Dr. 「どれくらい手が動かせますか?」
オヤジ 「はい、これくらいです」
…って、先生を、拝むなーっ  とか。

まあ、笑ってるバヤイじゃない事が満載だからこそ、笑えるスポットがとんでもなく光るっちゅうわけですが。

new29冊目 (全33冊目)

出世花

2009年09月01日 | that's ものがたり棚
高田郁    祥伝社文庫  2008年
 不義密通にて家を出た妻をかたきとして流浪を続ける矢萩源九郎。連れて歩いた幼子「艶」を清泉寺の住職・正真に託して息をひきとる。「艶」は「縁」とあらためられて寺にて育つ。やがて養子縁組を前提に出入りをした和菓子屋・桜花堂、そこには思いもよらない『縁』が待ち受けていた……その『縁』をふりきって縁が進んだその道は、三昧聖となって死者を慈しみ慈しみ湯灌をほどこす、江戸の“おくりびと”になること。縁の成長とともに、縁をめぐるひとびとの秘密が各章でほぐされてゆく、一話完結・全4章からなる短編集。巻頭第一話の「出世花」は第二回小説NON短編時代小説賞奨励賞。


あー、『八朔の雪』の次回編待ち切れず!
まだまだ少ない高田郁作品、この『出世花』と『銀二貫』のみ。

江戸という時代背景の中での、湯灌という仕事(?風俗?)。
選考委員の山本一力に「一読して資料の扱いに手慣れていることが察せられた。同時に、資料に頼りすぎているとも感じられた…」と評されたようですが、
史実資料半分、物語半分てなあんばいは嫌いじゃありません。

一番新しい『八朔の雪』に比べてしまえば、まだまだ初々しさの方が勝ってしまう作品ですが、
それはそれ、初々しさも嫌いじゃありません。

さらさらさらーっと読めて、
わかりやすーくホロリといきたい。そんな時には高田郁。

new28冊目 (全32冊目)