噛噛堂 あと2112冊

遅読、積ん読、併読、乱読。それでも読んどく、70までの2112冊。いよいよカウントダウン。

カキフライが無いなら来なかった

2009年12月28日 | ことばの棚田棚

「この中で、どれが好き?」と、あの人やらこの人やらに聞いてみたい。
絶対に(言い切る)ウチの相方はオール却下だろうけど。

せきしろ×又吉直樹    幻冬舎  2009年
 せきしろ氏と又吉直樹氏(氏って雰囲気でもないが)、自由律俳句。というか、ぼやきか?


いや、そっちの方向へは行きたくないな、
と、思うんだ一応は。
「クロワッサン」とか「栗原はるみ」を普通にこなしてみたいんだ本当は。
でも。
本当の本当は、
赤瀬川源平の「トマソン」に大啓発され、
タモリの「トワイライトゾーン」に夢中になり、
「VOW」なんかついついいったい何巻まで買っちゃったんだっけ?
なアタシなのだった。
つまり、文学界のイヤゲモノ を素通りできない体質っていうか。

たとえば本書のイヤゲモノ感は、
やっぱり家のリモコンと一緒 あたりに顕著だろうか。
まったく豊かなのか貧しいのかよくわからないこの感じ、
リバーシブルであることを放棄させた ここに2009年を味わってみたり。

好きなのはどれかと聞かれれば、心の標語のようなこれも好き。
登山服の老夫婦に席を譲っても良いか迷う
あるある感の多い中でもイチオシなのはこれ。
キャベツみたいな観葉植物で通じた
いやまてよ、これも、、
いや、こっちか…?
このたった数日間でも、その時々で味わいが変わったりして決めかねるところが味なとこ。
ま、469句のうち半分は、私的には「わかんねーよ」とか「いかがなものか」なんだけど。


調子こいて噛噛堂もひねってみましたがどうでしょう。
いや、皆様もついひねりたくなるはずです。読後には。


見事なまでに父親似の少女

ポイント10倍デーまで卵を買わないでおく

趣味が合わないときにどちらかというと優越感   -噛噛堂-


new56冊目(全62冊目)

日々の日常

2009年12月20日 | ことばの棚田棚

本タイトルは「日々の非常口」であることをここに謹んで訂正いたします!

アーサー・ビナード    新潮文庫  2009年(2006年単行本)

何がすごいって、一編あたり 文庫で見開き2ページ分 だけ。
その文字数「だけ」なのに、圧倒的な情報を受け止めた気がするのは、なぜ?

道におちている紅葉マークのことも、イラク戦争のことも、等しく2ページ。
そうか。
何かに似ていると思ったら、川柳に似ているんだ。
声高に論戦を張っているわけではないのに、為政者サイドに一矢報いるようなこの方法が。
たった2ページの文字数に反比例するほどの、受け止め手の気持ちの揺さぶられ方が。


うかつにも48年見落としてきた「とある日本」を、卓越した「日本語表現」で我が前につまびらかにしてくれた、至福の一冊。
ハゲしく付箋だらけです。


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