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映画音楽史(318) 『自由を我等に』 1932年公開

2014-12-24 02:18:18 | 映画音楽



『自由を我等に』 A Nous la Liberté (仏) 1931年制作
監督 ルネ・クレール
音楽 ジョルジュ・オーリック
主演 ルイ … レーモン・コルディ
    エミール … アンリ・マルシャン
    ジャンヌ … ローラ・フランス
主題歌 『自由を我等に』 ( A Nous la Liberté ) 唄・サウンド・トラック

クレールのトーキー三作目で、資本主義文明社会における人間の自由に対しての風刺コメディをミュージカル風に描写した傑作。
刑務所で同房のルイとエミールは脱獄を計画したがルイだけが成功してシャバに出ることができた。ルイは持ち前の頭脳で商売に
成功し、レコード会社の社長に出世した。一方、刑期を終えたエミールはルイの会社に就職して二人は再会する。ルイはエミールが
ゆすりに来たと思ったがエミールの本心を知って再会を喜ぶ。しかし昔の刑務所仲間が現れてルイを脅迫したために事態が一変、
オートメーション化した新工場の竣工式に刑事たちが踏み込んできてルイとエミールは無一文で逃走する。

ボードビル調の主題歌の『自由を我等に』はルネ・クレール作詞、ジョルジュ・オーリック作曲でこれをアルマン・ベルナールが編曲
したもので、二人が脱獄する時、再会する時そしてラストシーンにおいて繰り返して流れていました。サウンド・トラックでは主演の
レーモン・コルディとアンリ・マルシャンが唄っています。

↓はサウンド・トラックによる『自由を我等に』 YOUTUBEより


この作品の五年後にチャップリンが『モダン・タイムス』を制作していますが、近代設備の工場における労働風景やラストシーンに
おける画面構成などテーマも含めてあらゆる面において『自由を我等に』を真似た(オマージュ?)ように見受けられ、フランスの
製作会社であるトピス社がチャップリンを提訴したということでも話題になりました。

蛇足ですが、2011年の夏に西宮大谷記念美術館で催された『野口久光ポスター展』の会場でもこの主題歌が流れていました。




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