『聖林ホテル』 Hollywood Hotel (米) 1937年制作
監督 バスビー・バークリー
音楽 ディック・ホワイティング
主演 ロニー・バワース … ディック・パウエル
ヴァージニア … ローズ・マリー・レイン
モナ … ローラ・レイン
ベニー・グッドマン … ベニー・グッドマン
主題歌 『シング・シング・シング』 ( Sing, Sing, Sing ) 演奏・ベニー・グッドマン楽団
実在のホテルやラジオ番組とタイアップしたコマーシャル的な音楽映画で、ハリウッドの内幕をも風刺した異色作品。
ベニー・グッドマン楽団の歌手であったロニーは映画界のスカウトに見出されてスターになるつもりでハリウッドに乗り込んだが、
その現実は唄えないスターのための吹き替え要員でしかなく、主役の女優からも嫌われてハリウッドに失望する。しかし、聖林
ホテルにベニー・グッドマン楽団が来演することとなってロニーも出演し、その美声はラジオを通じて全米に認められることとなり、
ロニーはこれまでの苦労を支えてくれていたヴァージニアと結ばれる。
映画では当時スイング・ジャズで最絶頂期にあったベニー・グッドマン楽団の演奏がふんだんに聞けますが、その中でも
『シング・シング・シング』が有名どころ。またディック・パウエルの他にもフランセス・ラングフォード・ジェリー・クーパーの唄も
あり、更にはレイモンド・ペイジ楽団などもゲスト出演しています。
↓はベニー・グッドマン楽団の『シング・シング・シング』 YOUTUBEより
この映画のタイトルですが、別名『映都万華曲』で公開されたようです。
訛りがひどい者や容姿と声が合っていない者にとっては地獄だったようです。
人気者だったノーマ・タルマッジは廃業、ジョン・バリモアは人気低落、
甲高い声のジョン・ギルバートは失笑されて自殺説まで流れたようです。
グレタ・ガルボは逆に酷い訛りと女性らしくない低音を武器にして
更に人気が高騰したりで…
おっしゃるとおり『雨に唄えば』のリナ(ジーン・ヘイゲン)もその一人でしたね。
『聖林ホテル』はそんな時代を背景にした趣のある作品でした。