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港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


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『3月5日』

2019-03-04 21:27:33 | 明日は誰の日

【誕生日】


☆ピエル・パオロ・パゾリーニ Pier Paolo Pasolini (1922.3.05~1975.11.02)



1960年代に『奇跡の丘』によって新鮮な映像詩の世界を築き上げたイタリアの映画監督です。
1939年に地元のボローニャ大学に入学して文学を専攻、1946年にローマに出て教師生活の傍ら、ローマの下町の人々の
生活を描いた詩集や文学作品を発表しました。その視覚的で映像的な表現才能により映画脚本の依頼が殺到し、1954年の
『河の女』を手始めに『カビリアの夜』『残酷な夜』などの脚本を執筆しました。それによって今度は映画製作に意欲を
示し、1961年にローマの貧民街に暮らす男の悲惨な実態を描いた『アカトーネ』を初監督、続く1962年の娼婦の生き様を
冷徹に描いた『ママ・ローマ』が国際的にも高評価を得ました。
そして1964年には人間としてのキリスト像を題材にした『奇跡の丘』を発表、独特のいわゆる自由間接主観ショットに
よって新鮮な映像詩に仕上げ、イタリア映画の新たなるアルカイックな芸術の世界を築くことになりました。
1967年にはギリシャ神話を現在に展開した鮮烈な映像による『アポロンの地獄』を重厚なドラマに仕立て上げ、その後も
『テオレマ』や『豚小屋』で資本主義社会への批判を暗示した寓意的作品を発表しています。
しかし、この系列の作品群がファシスト批判や強烈な政治的風刺が災いしてネオファシストの反感を買い、1975年に暴行を
受け、車で轢殺されてこの世を去っています。(この事件は真犯人も含めていまだに謎とされています)

【主要監督作品】
1961年『アッカトーネ』 Accattone
1962年『ママ・ローマ』 Mamma Roma

1963年『ロゴパグ』Ro.Go.Pa.G
1964年『奇跡の丘』 Il Vangelo Secondo Matteo

1966年『鳥』 Uccellacci e Uccellini 
1967年『アポロンの地獄』  Edipo Re

1968年『テオレマ』  Teorema
1969年『豚小屋』  Porcile
1969年『王女メディア』 Medea


☆サマンタ・エッガー Samantha Eggar (1939.3.05~ )



1965年の『コレクター』で一躍脚光を浴びたロンドン生まれのイギリス人女優です。
演劇学校を卒業後、王立演劇芸術アカデミーに所属して『真夏の夜の夢』『じゃじゃ馬ならし』などのシェイクスピア劇に
出演、1962年にはイギリスで"The Wild and the Willing"で映画をデビューを果たしました。
のちの1965年にはウィリアム・ワイラー監督のサスペンス『コレクター』で主役を演じて一躍スターの座につきました。
それ以後は良質の作品に恵まれておりませんが、息長く世紀を超えて映画TVに出演しています。

【主要出演作品】
1965年『コレクター』 The Collector

1965年『死刑台への招待』Return from the Ashes
1966年『歩け走るな!』Walk, don't run
1967年『ドリトル先生不思議な旅』Doctor Dolittle
(現在のカタカナ表記はサマンサ・エガーとなっています)


☆レックス・ハリスン Rex Harrison (1908.3.05~1990.6.02)



理知的で細いマスク、軽妙な性格で「アクターのロールスロイス」と称されたイギリス人俳優です。
16歳の時にリヴァプールの巡業劇団を皮切りにあちこちの劇団を渡り歩き修行を積んで、1936年にワルター・ライシュ
監督のイギリス映画『男は神に非ず』の傍役で映画デビューを果たし、1938年にキャロル・リード監督の出世作となった
『ミュンヘン行き夜行列車』(日本未公開)で名声を得ました。
その後、映画、舞台で活動が続きましたが、ブロードウェイでジュリー・アンドリュースと共演した『マイフェアレデイ』
が高評価を受け、これが1964年にオードリー・ヘプバーンとの共演で映画化されてその地位を不動のものにしました。
外面は人気者のレックス・ハリスンでしたが、女性関係では絶えず悪い噂が付きまとっていたようです。

【主要出演作品】
1938年『城砦』 The Citadel
1945年『陽気な幽霊』Blithe Sprit
1946年『アンナとシャム王』Anna and the King of Siam
1947年『幽霊と未亡人』The Ghost and Mrs. Muir
1954年『獅子王リチャード』King Richard and the Crusaders
1963年『クレオパトラ』Cleopatra
1964年『マイ・フェア・レディ』My Fair Lady

1964年『黄色いロールス・ロイス』The Yellow Rolls-Royce
1965年『華麗なる激情』The Agony and the Ecstasy
1966年『三人の女性への招待状』The Honey Pot
1967年『ドリトル先生不思議な旅』Doctor Dolittle


☆エディ・ホッジス Eddie Hodges (1947.3.05~ )



アメリカ・ミシシッピ州生まれの子役俳優、そしてティーンエイジャー歌手です。
1957年にブロードウェイのミュージカル『ミュージック・マン』の子役募集に応募して初舞台を踏みました。
1959年には『波も涙も暖かい』でシナトラの子供役として映画デビュー、1960年代に『ハックルベリー・フィンの冒険』
『突撃の太鼓』『夏の魔術』などに出演しています。
また、1961年にはアイズレー・ブラザーズのカヴァー曲『恋の売り込み』が全米12位を記録するヒットとなり、続く
『コーヒー・デイト』も日本でヒットしました。
1960年代後半のベトナム戦争の間は陸軍に徴兵されましたが、退任後はショービジネスに幻滅して生まれ故郷に戻り、
南ミシシッピ大学に入学して心理学を学び、心理学の学士号とカウンセリングの修士号を取得して心理カウンセラーに
なったそうです。

↓はエディ・ホッジスの『恋の売り込み』【YOUTUBEより】 


↓はエディ・ホッジスの『コーヒー・デイト』【YOUTUBEより】 



【ご命日】

★ジャック・カトラン Jaque Catelain (1897.2.09~1965.3.05)



サイレント時代にマルセル・レルビエ監督作品に出演、その後も監督としても名を残したフランスの俳優・監督。
詳細は当ブログの『2月9日』をご参照ください。