臥龍殿

三国志と自転車・キャンプが好きな”りてん”がお送りします

三国志 第一巻

2008-01-11 22:19:13 | 宮城谷昌光
 カテゴリーだけ存在して記事が全然無かった「宮城谷昌光」コーナーです。
 現在、武侠小説の金庸氏と中国歴史小説の宮城谷昌光氏にとってもハマっています。

 金庸氏の方は現存されていますが筆を折っている状態で、日本語訳されているものは全て読み、徳間書店から文庫化されたものを徐々に読み直し&蔵書している状況です。
 しかし、宮城谷氏はまだまだ現役で書き続けており現在「三国志」が発刊中、また日本の歴史小説としても「風は山河より」も発刊中、昨年は紫綬褒章を受勲されちゃいました。

 一言で宮城谷氏を紹介すると、「現在我が国で最も面白い中国歴史小説を書く小説家」という事になると思います。
 面白いと言っても笑っちゃうとか楽しいという物ではなく、その奥深さ・こだわり・構成・描写の素晴らしさに感動してしまうといったものです。
 特に漢字へのこだわりは、白川静氏の影響も受けあきれてしまうくらいの物で、数千年前の1文字の発音に拘り悩みページを割き、「そんな昔の事誰も知らんし証明も出来んでしょ?」とツッコミを入れたくなるほど。
 とってもディープで魅力的な中国古代を描いてくれます。

 三国志ヲタクの私としてはこの人の三国志を読みたい!と思う作家があります。
 今となっては叶わぬ夢ですが司馬遼太郎先生、台湾の漫画家・鄭問(チェンウェン)氏、そして我が宮城谷氏です。
 鄭問の方はゲームのキャラクターデザインを手掛けており、その抜群の画力を遺憾なく発揮しているとの事、中華圏に旅行に行った時には買って来なくちゃと思ってます。

 新築の長崎市立図書館で借りて読んでる、問題の宮城谷三国志の第一巻を読み終えたところの感想は・・・・普通、三国志と言えば序盤は劉備・関羽・張飛の義兄弟が大活躍する血沸き肉踊る物語ですが、宮城谷三国志は皇帝を交えた廷臣・宦官・外戚の陰謀・暗殺・粛清が渦巻き三国志演義ベースではなく、後漢書や正史三国志を紀伝体から編年体に焼き直したものになるのでは?といった感想です。

 型破りとは思ってたのですが、想像以上に他の作品とは違った切り口です。
 皇帝・廷臣・宦官・外戚も悪い人物だけではなく、普通の三国志では語られる事のない素晴らしい人物も盛り沢山で登場します。
 第二巻・三巻と楽しみです。


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