にこにこ堂「ちえまる本舗!」

編み編み大好きなハマのおばはん。闘病の日々ですが、明るい気持ちで頑張っています!!負けないぞ!!

おばあちゃん

2006-05-22 | 日々の出来事

虫さんの目線だね。

 

昨日の午後、近所の本屋さんへ出掛けた。

これといった収穫がないまま帰途につくと、反対側の歩道をヨタヨタ動く物体が・・・

よく見ると、腰が曲がったおばあさんだった。

何だか危ないなあ・・・

大丈夫かなあ・・・と思いながらおばあさんに歩調を合わせた。

 

45度、いや、50度は腰が曲がっている感じだ。

時々よろけてガードレールにぶつかりそうになる。あっぶないなあ・・・

前方を見ることが出来ないのだ。ひたすら地面を見ながら必死で歩いている。

 

じっと見守り態勢を保っていたが、もう、いてもたってもいられなくなり、

たたっと駆け寄って

「大丈夫ですか?どちらまでいらっしゃるんですか?」

な~んて話しかけてしまった。

 

下を向いていた顔がゆっくり起き上がった。

 

おっなんて美しいおばあさんなんだ

女優の北林谷栄さん風の美人さんじゃん

 

「ええ、そこのスポーツセンターでね、ジュース飲んで休むんです。私なんて早くあの世へ行ければいいんですけどね~」

「あ、じゃ一緒に行きましょう」

「すみませんね~~~」

 

おばあさんを支えながらスポーツセンターのロビーへ行った。

「さあ、ここに座りましょう。ジュース、買ってきましょうか?」

 「・・・・・・・・・」

 

ベンチに座った途端、おばあさんはまるで堰を切ったように喋り始めた。

ご主人は30年前に亡くなり、息子さんの一人も亡くなったそうだ。自分だけが生き残ってしまった。早く死にたい、早く死にたい。そればかり繰り返し喋るのだ。延々と・・・

 

「喉かわいたでしょう?ジュース買って来ましょうか?」

と言うと、刺し子の巾着袋からビニール袋に入ったジュースの空き缶を出した。

「このね、空き缶をもってくとジュースがでるんですよ。」

「???????」

 

何だか可哀想で20分くらい話しを聞いてあげてたけれど、永遠と続きそう・・・

「じゃ、そろそろ買い物して帰るね。帰り、本当に気をつけてね。ゆっくり歩いてね。」

「見ず知らずの方に親切にしていただいて、もう思い残すことはありませんよ。」

 

またまたそんなことを言うんだから~~~

聞くところによると、来年80歳になるのだそうだ。

毎日毎日家に閉じこもっているらしい。

たまにこうして出掛けてくると言っていた。淋しいんだろうな・・・

 

 

どんな小さなことでもいいから、何か楽しみがあればな・・・

こんな事言っちゃ失礼だけどね、あんなに綺麗な人なんだから、デイへ行ったらモテるだろうな~