光と影の軌跡Ⅱ

つれづれなるおじさんの写真日記

今も続く民話の世界-野田神社の虫送り

2023年08月16日 | 日記

 4年ぶりに袖ヶ浦市野田神社の虫送りが行われると言うので、ツレと行って来ました。4年前と日程は同じだろうと思い午前9時頃野田神社を訪ねたのです。ところが神社には駐車場に2~3台の車が置かれただけで誰もいません。本殿の側に行って見ると、虫送りの神輿が置かれていたと思われる台があり、「R5年野田区虫送り開催概要」と言う表が落ちていました。

 その表によると、午前8時20分集合 8時30分出発で順路は、神社~西側~もこやし坂で小学生解散~東側~北側~矢沢方面~野田堰(解散)となっていました。折角ここまで来たので、この行列を追っかける事にしました。そして10時頃鎌倉街道をのぞみの団地方面に行く坂道で、神輿を載せた軽トラを見つけました。

 そこにいた方に「これは野田神社の虫送りですか?」と聞いて見ました。すると「そうです。今休憩中ですよ」との由。そこで持参した4年前撮影した虫送りのスナップ写真やフォトブックを、元区長の仲田さん渡しました。とても喜んでいただき、坂の側の家にいる方の写真もあるので、直接渡すと喜ばれると言ってくださいました。

  早速行って見ると庭にその方いたので、神輿の鳳凰を持った写真をさし上げました。4年前に撮ったこの下の写真です。野田地区の重鎮の方だそうですが、懐かしいと言って写真をじっと見ていました。

 休憩の後、虫送りの神輿を子供たちが担いで氏子の家の前で「わっしょい!豊年」のかけ声をかけはじめました。そして家の人が出て来ると「わー!」と大声を出しながら神輿を揉みます。家の人からお捻りを貰い、次の家に移動して行くのです。

 こうして各家々を廻っていきます。まさしく神輿行事の原型です。家と家が離れている場合は神輿は軽トラに積まれて先行し、子供たちが来るのを待つのです。

 虫送りは稲に虫がつかないように願う農耕儀礼の一つで、古くから日本各地で行われていました。ツレも子供の頃には、木更津でも虫送りがあったと言っていました。虫送りに使われる神輿は全て手作りで、神輿の一番上には稲穂を咥えた鳳凰(ほうおう)が立っています。

  そして子供たちが担いだ神輿は最後に、溜池の野田堰に投げ込まれます。元区長の仲田さんから「これは見る価値がある」言われたので、野田堰に行って待機していました。約20分位待っていたのですが、11時20分頃野田堰の通路に子供たちの姿が見えてきました。

 堰の入り口には防護柵が張ってあり、役員がカギを開け神輿を堰の側まで運びました。そして勢いよく堰に投げ込みました。虫送りのクライマックスです。役員の御厚意で、私はすぐ側で撮影させてもらいました。下7枚がその写真です。今回は神輿の制作は撮影出来ませんでしたが、神輿を野田堰に投げ込むシーン等が見られ貴重な一日になりました。

 以前は投げ込んだ神輿を遠くまで流すので、堰に人が入って泳いで押したそうです。また神輿の材料は全部自然の物で、堰に溶け込んでも害にならない物を使用しています。