田川の里、クマガイ草自然園の第2報です。この日は天気予報が外れ、曇りのち雨。いつ雨が降り出してもおかしくない空模様です。まして雑木林のなかに咲くクマガイ草なので、もう少し光がほしかったですね。でもその分コントラストが少なく柔らかい光のなかで撮影が出来ました。
クマガイ草は、ラン科アツモリソウ属に分類される多年草。日本、朝鮮半島、中国の浙江省から四川省に分布しています。日本では落葉広葉樹、スギ、タケ類の林床に生育し、以前は里山や都市の緑地によく見られた植物ですが、今ではめったに見られない絶滅危惧種になってしまいました。
また名前の由来は、源平合戦で名をあげた熊谷直実が背中に背負った母衣(ほろ)に似ていることから名づけられたと言われています。
このクマガイ草をこれだけ咲かせるのは大変な努力がいると思われます。私たちが見学する様になって4年目。毎年珍しいクマガイ草を見せていただき頭が下がる思いです。
クマガイ草群生地の横にも沢山の野草が花を咲かせていました。まずエビネです。蕾を付けているものや咲き始めているものがありますが、後1週間すると見頃だそうです。
次はヒトリシズカ、これも群生地になっていて沢山咲いていました。
ウラシマソウも沢山見かけました。これは日本固有の球根植物との由。ヒゲのように長いものが伸びており、これが浦島太郎の釣り糸のように見えることからこの名が付いたそうです。
そしてクマガイ草群生地の奥にはヤマブキソウの姿がありました。ケシ科ヤマブキソウ属の多年草。和名はヤマブキに花の色が似ていることからヤマブキソウになったようです。
雨が降り出しそうになってきたので、午後2時頃に田川の里を後にしました。また来年クマガイ草に会える日を楽しみに、千葉市の友人の乗るJR木更津駅に向かいました。