「差不多」的オジ生活

中国語の「差不多」という言葉。「だいたいそんなとこだよ」「ま、いいじゃん」と肩の力が抜けるようで好き。

情熱

2011-02-19 | つれづれ
著名な広告クリエーター福井祟人さんのお話をうかがう機会があった。なにせすごい人です。2002年から04年にはアフリカの難民キャンプに古着を送るプロジェクトを仕掛けて100万着を集め、イラク戦争のさいには「NO WAR」の新聞広告で4万人の平和パレードを実現。夏至の日の夜に電気を消す、いまや風物詩のようになった「100万人のキャンドルナイト」、ワンピース分が欠けたホールケーキを完全な形の値段で売り差額を寄付にまわす「ラブケーキプロジェクト」、昨年の名古屋COP10での折り紙プロジェクトなど、社会的にインパクトが大きな広告、PR活動を枚挙に暇のないほど手がけ続けている人です。福井さんの背骨にあるのは、少しでもまっとうな世の中、シアワセを感じられる社会にしたい、子どもたちにそんな社会を提供したいという「情熱」なのだ、と感じました。

「何故こうした仕事を?」など、いろいろと学ぶこと、感じたことは多いのですが、なかでも同じ宮仕えの身として、電通の社員という立場でなぜここまでソーシャルソリューションにかかわる仕事を次々とできるのか、ということに興味を抱きました。実は、答えは予想はしていました。まずはそれをしたいと思うこと。それをするのに周囲から文句をいわれないほどにきちんと、「普通の会社員としての仕事」をこなすこと。そういうことではないか、と。実際、福井さんのお答えもその通りでした。

ソーシャルソリューションの仕事ばかりみていると好きなことばかり、となります。でも、これはどんな仕事、会社員でも同じでしょうが、そうした仕事の背景には無数の日常、ルーティーン、利益を最大限に考えて、ある部分を己を殺した仕事をこなす日々がある。そうした日常の中でいかに自分の志、情熱を維持していくか、自分の立ち位置をきちんと構築できるか、が結局は一番のポイントなのだと。

そうなのです。つまるところ、自分自身で「いまはこの仕事があるから」「これをするといろいろと面倒だから」と言い訳を重ねて徐々に感性が鈍り、腰が重くなり、言い訳さえもしなくなる。行動を縛る最大の壁、最大の抵抗勢力は己自身なのだということを再認識しました。

アラフィフですが、まだまだふける気はないし、社会をよくしたいという思いは失せていない(つもり)。仕事の志の原点を再確認させてもらいました。たまに福井さんのような熱い思いを有して実際に動いている人から刺激をもらわないと、怠惰な自分はどうもいけない。大変有意義なひと時でした。

町でうわさの天狗の子

2011-02-17 | 
岩本ナオさんの漫画「町でうわさの天狗の子」を3巻まで読んでみました。懐かしいテイストの漫画ですね。主人公の女子高校生が天狗と人間のハーフという、なんとも愉快な設定で、登場「人物」の中に、修行を積んでしゃべれるようになったキツネやウサギなどが出てくるものの、本筋は実に懐かしい学園ラブコメです。いい味出しています。

主人公は特にエスパー的な能力があるわけでもなく、怪力の持ち主という以外はごく普通の女子高生。スカートの丈をどのぐらいにしようか、憧れの美男同級生とどうやったら付き合えるのか、付き合い始めてからどうデートを重ねるか、そんな悩みに日々苛まれています。父親の天狗は娘を溺愛する親バカ。幼馴染で天狗修行をしている同級生が、主人公のピンチになると面倒くさそうに現れる。この幼馴染の秘めていると思われる「思い」にはまったく鈍感な主人公という、まさにかつての王道少女マンガそのものです。

出てくる人物がどれもこれも、なんとも等身大というか、そこらへんにいそう(モノノケの類はいないけど^^)。かわいらしいんですよね。でも何よりの魅力はきっと、主人公や天狗といった自分たちとは同質ではない存在を、ごくごく自然に受け入れている人々の姿かもしれません。不思議なぐらいうらやましいと思えるんです。「普通」と違うことを指摘し、ことさらに強調するイジメの世界、現実の社会とはまったく異なる、多様性をおおらかに認める姿にうらやましさを感じてしまうのです。「いいじゃない天狗の血だって個性だよ」というような懐の深さに救われる、心地よさを感じるのです。

フェアトレード

2011-02-16 | つれづれ
久しぶりに数寄屋橋阪急に寄る時間があったので「ピープル・ツリー」に寄ってみました。日本でのフェアトレードの元祖のようなお店です。この冬のシーズンが始まる前にバングラデシュ製のメンズシャツで気に入ったものがあったので購入していたのですが、なにせいま世の中は冬物最後の売りつくしセールの真っ只中。というわけで、期待しつつ行ったら、ありました。



ネイビーブルーの、前回購入したのとはデザインは違いますが、肌触りの良い、手作り感もあるバングラ製の一枚(うーん、携帯の写真だけみるとちょいと、という感じかもしれませんが、これはま撮影の問題。モノはもっと良い感じなんですよ)。しかも半額!! いやあ、フェアトレード商品にバーゲンを期待するのは邪道かなあと思いつつも、やはりセールには血が騒ぎます。速効ゲット。まだシーズン的にはしばらく使えそうですし。なんかオ・ト・ク。少しはバングラの人たちが適正賃金と、きちんとした職場環境のもとで仕事を持続的にし、自立するお役に立てればうれしい限りです。

以前はフェアトレードといえばデザインや品質がイマイチで、正直、「まあ募金だから」ぐらいに目をつぶって購入していましたが、最近は違います。値段は確かにややお高いですが、品質も格段によくなり、デザインもけっこういいものが増えています。同じ数寄屋橋阪急にはマザーハウスも入店しています。銀座の一等地にこうしたフェアトレード、「志」のお店が入居してそれなりに経営が成り立つようになった。それだけでフェアトレードの日本での進展が感じられます。とはいえ、もっと普及の余地があります。出来る範囲で、お気に入りの商品を購入したいと思います。買い物は消費者の投票行動みたいなものですものね。微力でも世の中を変える力になると思っています。さて、春夏モノで良い商品を期待していますよ!

パワフル!

2011-02-15 | つれづれ
本日は、とある雑誌の元・名編集長にお目にかかる機会があった。輝いていた。自信に満ち、地に足の着いた生き方をされている。一言で言うと、パワフル! それが美しさにもつながっている。話しているこちらまでが元気になるオーラ。本当に元気な気分になれました。

しかも面倒なことをお願いしているにもかかわらず、快くいろいろなことを引き受け、てきぱきとこなされるお姿には思わず「姉御! よろしくお願いします! あっしはどこまでも従い、ついていきやすぜ!!」と「緋牡丹のお竜」を慕う名もない三下気分(うーん、意味が分からないか…^^;)。今日はとても元気な気持ちをいただけましたよ。

コーヒーとチョコレート

2011-02-13 | 
スターバックスが開いているコーヒーに関する講習会があります。美味しいいれ方や、ワインでいうところのマリアージュ、食べ物との相性を試す「フードペアリング」など。そのバレンタインバージョンであるチョコレートとコーヒーの相性についての講習会に参加してみました。もんろーさんからの情報です。

コーヒーは好きですが、あまりペアリングを意識したことがありません。そもそもワインもそうですが、比較対象、飲み比べがないとなかなか個性、特徴を意識することはあまりありません。というか、しにくいですよね。

まず新鮮だったのは香りやコクを比較できたこと。定番のハウスブレンドとカフェベロナ、イタリアンローストでコクがこんなに違うのか、と驚きます。まあ、深煎りしたほうが苦味やコクが強いのだろうと、知識としては知っていたのですが、やはり百聞は一見に如かずです。ハウスブレンドはやはり酸味があるのですね。

同じコーヒーでミルクチョコとビターチョコとを比べるとこれまた驚き。カフェベロナではミルクチョコと渾然一体となるような、お互いがお互いを引きたてあいます。チョコレートの柔らかな甘みとベロナのややローストした苦味の相性が抜群です。ビターチョコだと、ややコーヒーが負ける感じになります。一方、イタリアンローストはビターチョコが良かった。チョコレートのもつ苦味をうまくコーヒーが引き出す感じ。ミルクチョコだとぼやけるんですよね、もちろん、それなりに美味しいのですけど。

さらに、チョコレートマカロンやザッハートルテ、チョコレートマフィン、ラズベリーココアビスケットなどと合わせていきます。コーヒーによって同じお菓子でも酸味を強くかんじたり、甘みが増したり、香りが強まったり弱まったり。不思議! 特にザッハートルテにホイップクリームをつけて食べる時とつけないときで、感じ方が違います。お気に入りはザッハートルテホイップクリーム添えでベロナを楽しむ組み合わせ。これはハマります。ホイップの柔らかさが、ベロナのコクと合って、追い討ちをかけるようにザッハートルテの苦味を引き立てつつお互いを高める感じ。ステキ!

ラズベリーの酸味と、グアテマラカシシエロとの相性もよかった。ラズベリーの香りが華やかに際だつ感じ。グアテマラカシシエロはホイップぬきのザッハートルテとの苦味の競演みたいな感じが印象的でした。

いやあ、いままであまり意識していなかった組み合わせ。これからはちょっと試しつつより美味しくコーヒーを楽しめるような気がします。スタバの「本日のおすすめ」が二種類あるのもこうしたペアリングを楽しんでもらう狙いとか。なるほどね。

こうしてスタバにまた行って楽しみたくなるわけですから、なかなかこの講習会は客にもお店にも美味しい試みかと。ほかの講習会にも参加してみようかなあ。やはり人生、いろいろと体験することで世界が広がるものだと、ちょっと大げさかもしれませんが感じましたよ。