→「マーケットの声に耳を傾けろ」「ニーズを探れ」「顧客優先」なんて言うリーダーほど市場や顧客の声を無視している奴はいない。そんなものはすべて存在しないものなのである”(芦田宏直「コミュニケーションとは何か?」Jan.15,2005) ashida.info/blog/2005/01/h…
今日初めて読んだのだが、ジャイアンの人(芦田宏直)がここで語っているのは、わたしが時々言っている「吉本隆明の『大衆の原像』とは判りやすく言えば商売人にとっての『顧客のニーズ』のことだ、それは不可視なものだ」ということの、より詳しい説明であるように思う
本当にそれで合ってるのかどうかは知ったことではない(笑)のだが、「大衆の原像」をそういう風に理解している人を見たのは、自分自身を除けば初めてなので「うへー」と思った
ついでに言うと「コミュニケーションというのは、いつも片方向だ」という考えも、これもわたしが「コミュニケーション」というカタカナ語を嫌って「伝達」と書いたりする理由で、わたしの考えと同じである。ただし「片方向」を、たぶんこれも吉本由来だろう「無償」と等値するのは芦田氏に独自の理解だ
驚いたのは後者の方である。「伝達は本来片方向だ」というのは、わたし自身にとっては吉本を読む以前からそう思っていることで、それゆえに、とりたてて根拠もなくそう思ってきた(笑)ことである。それを「無償」ということと等値することで吉本の議論に接続するというのは初めて見るアイデアで驚きだ
さっき引用したblog記事はジャイアンの人のTLを覗いていたらたまたまリンクが張られていたのだが、そのジャ・・・いや、芦田宏直センセイはこんど本を出すらしい ── 『努力する人間になってはいけない』(ロゼッタストーン・9月刊?) kokucheese.com/event/index/10…
ところでさっきの引用の中の「『マーケットの声に耳を傾けろ』(略)なんて言うリーダーほど市場や顧客の声を無視している奴はいない。そんなものはすべて存在しないものなのである」、これはお前(摂氏)の言い分と正反対ではないのかと思う人がいるかもしれないから勝手に註解を加えてみる
この引用にある「存在しない」は、わたしの場合は「世論」についてしばしばそう述べている。たとえば選挙結果などについて「これこれが世論であった」などと政治家や党派が述べる場合の「世論」、そんなものは存在しないのである
もう少し正確に言えば、じぶんが内心で持っている「論」が存在するというように、同じ様態(存在論)のもとで「世論」なるものが存在するわけではない、ということになる
だからたとえば「市場の声」は存在しないというのも、文字通り耳を傾ければ聞こえるとか、種々のマーケティング手法を適用した結果の結論として読み取ることができるというようには存在していない。それは吉本の「大衆の原像」をただの大衆迎合主義だと誤解するのとまったく同じ種類の勘違いなのである
けれども、たとえば商売人として優れている八百屋とか魚屋とかの人が、商売繁盛の秘訣は何ですかと尋ねられて「それは『市場の声』にいつでも耳を傾けていることさ」と答えることは普通にあることのようにわたしには思える。八百屋や魚屋が説明の達人でもあるということは、普通ないだろうからである
えっ、と思って調べてみると ── ”「障害」「障礙」はいずれも当用漢字制定前から同じ「さわり・妨げ」という意味の熟語として漢和辞典に掲載されており「障害」という表記は「礙」を同音の「害」に単純に置き換えて戦後に造語されたものではない” ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9A%9C…
「『障害』まで改変する岩波」というのは穏当ではない気がするが、それでも岩波の本の著者が「『障害』は碍の字が当用漢字にないので戦後に作られた造語だ」と思い込んでいる可能性はあるような気がする。実際、俺もつい今しがたまでそう思っていた
しかしさっきのWikipediaの記述が本当だとして、小谷野敦の「女の看護師とよぶな、看護婦とよべ」論にしたがうならば、これも障害と書くべきだということにはなるのだろうな
低学歴と高学歴の世界の溝(はてな) anond.hatelabo.jp/20130809115823 あまり言うことはない(だいたい判る)が、たったひとつ。「実は日本には大卒ってそんなにいない」これだけは違うと思うw 大学進学率の統計を調べてみればいい
世界で最も教養が高い国ランキング発表!!1位のカナダは2人に1人が大卒者と判明 果たして日本は?? irorio.jp/asteroid-b-612… この調査が信頼できるかどうか、留保はいるだろうが、一応2012年の時点で日本の全成人人口に占める大卒者の比率は「45%」とある
爺さん婆さんまで全部含めたら3割がいいとこじゃないかなあ、と思うのだが、いまググってみた限りだとこの手の数字を算出している資料があまり見当たらない