第51話 太陽に負けた北風

2005年04月15日 23時46分06秒 | 創る(フィクション・ノンフィクション)

太陽に 負けた北風は あれくるいました。ひゅ~ ひゅ~
街中の人たちが 北風に会うと かけあしで逃げていきます。
街中の 窓がぴしゃり 扉がばたん
北風は とくいになって 大笑い。ぴゅ~ ぴゅ~

そこへ 雲とおしゃべりを終えた 太陽が やってきました。
すると、街中の人たちが いっせいに窓をあけ 太陽にむかって 微笑みかけます。
北風と いっしょに 笑ってくれる人は ひとりもいません。
最初は おもしろがっていた北風も だんだん さびしくなってきました。
北風は 太陽にほほえみかける 街の人たちをみて 逃げだしました。

北風は 街のはずれの 丘の上まで やってきました。
丘の上には おおきな木が 一本 立っていました。
やあ 北風くん こんにちは
北風は 返事をしませんでした。
そればかりか ようし こいつの葉っぱという葉っぱを 全部 吹き飛ばしてやるぞ
北風は いきおいをつけて 木にぶつかっていきます。

ざわざわざわ~
どうしたんだい? きたかぜくん
木が 北風を 見つめます。
きみには ぼくが みえるのかい?
もちろん みえるよ。木が ほほえみかけます。
それにね きみにであうと ぼくは うたをうたうことができるんだ。
遊びにきてくれて ありがとう。
さわさわさわ~
北風は うれしく なりました。
照れながら 木に こんにちは といいました。
北風と木は いっしょに 笑いあいました。 
ふたりは その日から なかよしの友達に なりました。

木は いつも 北風の話を いつも真剣に きいてくれます。
ある日 遠くに沈む夕陽を 木とふたりでみていると 北風は 涙があふれてきました。
びゅ~ びゅ~
北風くん どうしたんだい?
太陽さんは あかるくて つよくて あたたかくて みんなに すかれている。
きみだってそうさ。ぼくなんか いなくても 毎日 小鳥くんやリスくんたちが 遊びにくる。
それなのに ぼくは ぼくは びゅ~びゅ~
きたかぜくん きみは ぼくにはない すばらしい ちからが あるんだ。
ぼくは きみのように どこでもすきなところへ とんでいけない。
ぼくは きみのように せかいじゅうのみんなに あいにいけない。
北風くん ぼくは きみのことが大好きなんだよ。
北風は 涙をふいて 笑いました。
木くん きみは ぼくにはない すばらしい ちからが あるんだ。
ぼくは きみのように 世界中みんなの 目印にはなれない。
ぼくは きみのように どっしりと みんなを支えることができない。
木くん ぼくも きみのことが大好きなんだよ。
北風くん ありがとう。
木くん ありがとう。
この夜 ふたりは 前よりも もっと なかよしに なりました。

そんな ある日のこと 太陽さんは ごきげんななめ
というのも 約束した時間に 雲さんが まったくあらわれず カンカンに おこっていたのです。 
街中のみんなが 下をむいて 歩いています。

よし ぼくたちの出番だ。
北風が やさしく こどもたちに ささやきます。
ふ~ ふ~ こっち こっち。
こどもたちは あ~きもちいい~と おおよろこび。
こどもたちが 北風を おいかけてきます。
北風は こどもたちを 木に あつめました。
すると 木は 手を 空にむかって おおきく ひろげます。
わ~ ここに おおきな ひかげが あるぞ 
こどもたちの笑顔をみた 木と北風も おおよろこび。
ふたりは こどもたちのために うたをうたいました。

こどもたちが かえったあと 北風が木に ささやきました。
こんど 太陽さんもいっしょに さんにんで あそばないか?
そいつはいいかんがえだね。
さわさわさわ~
ふたりは こえを あげて わらいあいました。

※勝手に「北風と太陽」のつづきを考えてみた。はぢめてのえほん、
 ふと、書きたくなって書いたものの、木くんの名前が木くんて…
 今夜はここまでにして、 もっと絵本(絵はないけど)らしくならないか、今後挑戦してみます。


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