カナディアンロッキーで暮らす

カナディアンロッキーで暮らす茶道とカルトナージュ愛好家の日々

Huckleberry摘みと夏のイベントあれこれ

2022-08-12 20:00:00 | 出たっきり邦人・メールマガジン
No.221

カナディアンロッキーから、こんにちわ。

8月に入り、日中は夏らしく外気温は30℃近くまで上がりますが、朝晩は涼風が吹く
ようになりました。トレイルで見かける山野草もワイルドローズやインディアンペント
ブラッシュから夏の終わりを告げるファイヤーウィード(柳蘭)に代わっています。

嬉しいことに、今夏はまだ山火事の煙がやってきていません。
ここ数年、毎夏7月半ばからひと月間ほどBC州で自然に起きた山火事の煙が風に乗って
アルバータの空を覆い尽くす煙害が起きていて、今夏もいつそれがやって来るのかと
案じていたら、いまだに澄み切った青空を見ることができています。とは言え、BC州の
山火事は既に大小合わせて100箇所余で発生しているということなので、風向きによって
は煙がくることが懸念されます。綺麗な空の下、ロッキーの山々に囲まれたゴルフコース
を歩いて回ると、何て贅沢な時間を過ごしているんだろう!と、思います。同時に暑過ぎ
る日本でラウンドしている友人たちには申し訳なく感じます。私が日本でラウンドするの
はいつも10月終わりから11月半ばが多く、そのころ日本は気持ちの良い秋晴れが多いの
で、私は本当にラッキーだと思っています。


孫がビクトリアへ行った後、夫も私も少し気が抜けたような日々を過ごしましたが、だん
だん元のペースを取り戻し、平常の暮らしに戻りました。
夫は6~9月末まで毎週水曜日に、バンフの公園で開かれるファーマーズマーケットで自分
の撮ったベストショットの写真を販売しています。今春からカナダは海外からのツーリス
トをPCR検査なしで入国できるようにしたので、バンフも3年ぶりに観光客が戻ってきた
ようで、マーケットは活気づいています。あまり英語が得意ではない夫ですが、お客さま
と写真を通していろんな会話ができることを楽しんでいるようです。手前味噌なのですが
夫の撮る写真は時間をかけてじっくりカメラを構え、一瞬だけ風が止み湖の表面が鏡のよ
うになって山が映り込んだところを捉えたもの、夜中に人知れず現れるオーロラを捉えた
ものなど、日ごろからどの場所でカメラを構えればよい画像が撮れるかを徹底的に研究して
結果として素晴らしい一瞬を捉えた一枚になっているのです。IPhoneなどのショットでは
簡単に撮れないものばかりなので、結構人気があります。



私はというと、夏はゴルフ!少なくとも週2回はラウンドしています。古くからのゴルフ
バディのDannaの勧めで今夏からLadies League に参加したので、同年代、若しくはもっ
と年上のシニアの女性達とラウンドすることもあり、新しいメンバーの方々とも親しくなれ
て楽しんでいます。相変わらず聞き取れない会話もありますが、そこはお遊び中のことで
あまり真剣に聞かなくても良いし、お互いに良いショットの時には声を掛け合い、失敗して
もジェスチャーで残念!って表現すれば、分かり合えるものです。

今夏は頑張って新しいクラブに替えました。個人レッスンを受けているインストラクターに
フィッティングしてもらい、ゴルフクラブに入会した年(2010年)にわけもわからず
ショップで勧められるがまま買ったクラブとやっとバイバイしました。新しいクラブは軽く
てシャフトのしなりも良く、長さも私に合わせてカットしてあるので、お陰で飛距離が伸び
ました。インストラクター曰く、クラブは消耗品なので、替え時だったねと。これでスコア
のアベレージが下がれば言うことなしなのですが…そんなにはうまくいかないのが現実です。

先日はカルガリーで「浴衣を着てディナー」というイベントに参加しました。
Calgary Kimono Clubの主宰で私はメンバーになって初めての参加でした。当初、夫は撮影
に行くと言っていたのでひとりで夜のドライブは避けたくて、マリオットのポイントで泊ま
れるホテルが集合場所の近くにあったので一泊予約しておきました。ホテルまで洋服で運転
して行き、お部屋で着物に着替えてディナーに参加できるのも便利だし、翌日はホテルの近く
にある大きなショッピングエリアで食材など買って帰ろうと計画。ところが夫は撮影に行か
なくなり、一緒に行ってくれたので、ディナーのお店の往復送迎も頼めて、お陰でお酒が飲め
てラッキーでした。

Kimono Clubは発足10年ほど。毎年数回、着物を着て食事会やお茶会などを企画していた
ようですが、ここ3年は集まれていなかったということで、妖艶なレディーズ8名が素敵な
浴衣姿で集いました。私は夏着物で出掛けましたが、皆さま娘のような年代の方ばかりでした。
初参加で臆する私をみなさんで歓迎してくださり、すぐに打ち解けてガールズトーク炸裂の中
私も頑張ってお話の仲間入りしてみると、なかなかこれが楽しいものでした。会場は韓国人
経営のSushi Bar&Grill。会費は税サ込みで45ドルでしたが、コース仕立てで7品ほどサーブ
され、盛り付けも素敵だったし味も美味しくてびっくり。屋内はエアコンで冷え冷えだった
ので、屋根のある屋外のテラス席でいただきました。クーラーの効いたお部屋じゃビールも
美味しくありませんものね。

みなさん一人づつ近況を話されたり着物好きらしい会話も多くあって、私は彼女達のお母さん
くらいの年齢でしたが、着物が共通の話題だと違和感なくお話し出来ました。8名中6名は
ご主人やパートナーが日本人ではありませんでした。それゆえのカルチャーショックなども
お聞きして…国際結婚の難しさや、反対に日本の慣習などに縛られないところの気楽さもあっ
たりで、それぞれにcross-cultural exchangeをうまくされていなぁ、と感心しました。聞い
ているとやはり着物はお母様やお祖母様の影響で好きになったという方が多く、私の母も
お出かけというと洋服より着物を着ていたし、何より母の勧めで茶道の親しむようになって
からは自分で着物を着ることもできるようになったことで、自然に着物の種類や生地、季節に
よって装いの違い、なども学ぶことが出来ました。メンバーの方々とLINEを交換したり、とっ
ても若返ったひとときでした。

さて、我が家の夏の恒例行事「ハックルベリー摘み」今夏も実行出来ました。
まず7/17~19、例年であればベストな頃と考え、3時間半のドライブでBC州キンバリーに
出かけてみました。行ってみると6月の気温が低かったのでまだ青い実がついたばかり。
友人夫妻とホテルを2泊予約していたので、2日目は1時間半南下してフルーツの町クレス
トンまで走り、今が盛りのいちご狩りを楽しみました。
Infoセンターで苺農園を教えてもらい、ピッキングした後は安価で持ち帰れると言うので
お互い大きなバスケット2杯づつ摘みました。日本のように立ったまま摘める形式と違って
地面に膝をついたり腰を降ろして摘んで行くので膝や腰に負担がかかり長時間は無理でした
が、1時間くらいは頑張りました。
完熟苺のジャム

クレストンに点在するフルーツ農園では赤い実をつけたチェリーの木をたくさん見かけま
した。桃やりんごの産地でもあります。日本で採れる果物はどれも見栄え良く美味しいを
知っていると、カナダの果物は見栄えも味もかなり劣る、なのに安くもない…それがオー
ガニックであるから?と思っても、なかなか買おうとは思わないレベルのものです。幼少
期は果物王国の岡山県南で育ったので、マスカットやピオーネ、清水白桃といった特産物
を好きなだけ食べた子供の頃が懐かしく思い出されます…。

今夏はイチゴの当たり年なのか、キャンモアのマーケットでもパック入りのいちごが手頃
な値段で買えます。店頭のいちごは完熟とはいかないのでジャムには不向きですが、クレ
ストンで摘んだいちごは車の中ですっごく良い香りを放ち、ジャムはいつもよりお砂糖を
控えめにしても大丈夫でした。

ハックルベリーはリベンジしなくちゃ、ということで7/29、350km離れたレベルストーク
(BC)へ一泊で出掛けました。キンバリーへ出かけた頃から気温がぐんぐん上がっていた
ので期待が持てました。が、結果としてはハックルベリーはピークをちょっと過ぎていた
感あり。実は既に落ちてしまったか先に誰かが摘んでしまったのか。それでも、よ~く探
していくと、葉の裏にまだ完熟した実がチラホラ!今回は2日間で4.5kgほど採りました。  




ここでちょっと説明すると、カナダでハックルベリー(Huckleberry)と呼ばれるベリーは
2種類あります。
樹は全体的に低木で、膝の高~腰の高さくらい。実が葉っぱの裏側につくものと、ブルー
ベリーのように見えやすいところにつくものがあります。実の色も赤紫と青っぽいブルー
ベリーと同色のものがあり、ブルーベリーとの違いは、実は連なってできず各枝先に一粒
だけです。最も大きな違いは、ハックルベリーは少し標高の高いところで自然に育つのです
が、果樹園などで人工的に植えても育たず、つまりブルーベリーのように量産はできない
というとなのです。6月に程度な雨が降るとその夏は豊作。反対に雨が少なくドライなまま
だとうまく実がつかず不作となるようです。

他の特徴としては、完熟のハックルベリーは甘さと酸味のバランスが非常に良く、発色は
鮮やかなワインレッド。ジャムにするとき砂糖はベリー重量の15~20%とかなり少なくして
作ります。通常、ジャムの砂糖は少なくてもフルーツ重量の半分なので、ハックルベリーは
甘さ控えめでも美味しいジャムになるということがお分かりいただけると思います。今年は
赤い実のハックと少し青紫っぽいハックを分けてジャムにしてみました。砂糖を入れつつ
味見をすると青紫のハックの方がほんの少し甘みが少ない気がして5%砂糖を増やしてみま
した。合計で250CC瓶15本。これでなんとか1年間のストックが出来て嬉しいです。

毎夏、6月になると紫蘇やトマト、茗荷の苗を友人から何本かいただくので、大きめの鉢に
植え替え、気温が10℃以下になる夜はデッキから室内に移したりして大切に育てました。
ひと月もすると、紫蘇の葉は料理に使えるようになるので「天ぷら」「酢の物」「刺身に
添える」「肉巻き」「麺類の薬味」など多様に使っています。どんどん育って使いきれなく
なると「紫蘇ジェノベーゼ」にして冷凍!作り方はバジルのジェノベーゼと一緒で、パスタ
ソースや色んなお肉を焼いてソースとして添えてもよく合うので重宝しています。ロッキー
は夏といえども茗荷には寒過ぎるのか葉は伸びるのですが、根っこに肝心の茗荷が出てきま
せん。カリフォルニアで暮らす知人の庭には『どんどん増えて困る!』というほど茗荷が
できるので、羨ましい限り。カルガリーにある日本マーケットで3本入り8ドルですが、どう
しても使いたくなる時があり、エイヤッと買っています。

昔に比べると当地で手に入る日本食材もうんと増えていると実感します。20年以上前に
来た人たちはお豆腐も自分で作っていたというのですから、苦労がうかがえます。私も
カナダ暮らし17年目に入りましたが「もう日本へ帰りた~い」とか思う暇もなく過ぎた
気がします。不自由がないとは言い切れないロッキー暮らしですが、最近は「なくても
過ごせるもの」「どうしても欲しいもの」がはっきりわかってきました。例を挙げると
たくさんあり、このことでコラムが一回書けると思うのでまた機会があればご紹介したい
と思います。

それではまた来月、お元気でお過ごしください。



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