トンネル照明は昼間における照明を必要とし、入口照明や出口照明等も必要とするため、
一般の道路照明とは異なったいくつかの特色をもっているでつ。
したがって、照明計画にあたっては路面の輝度などの基準を考慮して、設計速度、交通量、
線形などに応じて必要とされる安全性と快適性を得るために、照明の内容を入念に
検討しなければならないでつ。

トンネル照明については、国際照明委員会において国際的な推奨基準が勧告されてて、
それは比較的ハイレベルなものとなっているでつ。
国内では、高速道路調査会から“トンネル照明設計指針” 、日本道路協会から
“道路照明施設設置基準・同解説” などが発行されてて、これらの中でトンネル照明に
ついての基準が定められているでつ。
道路トンネルに照明設備が必要な理由として、次のことが考えられるでつ。
(a)道路トンネルにおける交通輸送機能の向上
(b)トンネル内部の特殊な周囲条件による交通機能の低下の軽減
(c)トンネル内または外部への移動時における運転者の視覚の平衡状態の維持
(d)トンネル内における空気の汚濁による透過率低下のもたらす交通障害の防止
昼間、野外の道路を走行してきた自動車の運転者は、トンネルに近づき、やがてトンネルに進入し、
トンネルを通過した後、再び野外の道路に出るまでの間にいくつかの視覚的な現象を経験。
その時に生じるトンネル内外の視覚条件に応じた現象について…
まずは、ブラックホール現象とブラックフレーム現象。
昼間、自動車の運転者が照明設備の不十分なトンネルに接近しながらトンネル内を見ると、
トンネル出口が見えないような長いトンネルではトンネル内が暗黒の穴に見え、
すでにトンネル出口が見えているような短いトンネルでは暗い枠のように見えるでつ。
このようにトンネルが暗黒の穴に見えることをブラックホール現象、暗い枠に見えることを
ブラックフレーム現象というでつ。
このような現象によって、運転者はいずれもトンネル内の障害物の有無や
トンネル内の状況などを知覚することができなくなるでつ。
自動車が安全に走行するためには、走行速度に応じた距離(安全停止距離など)だけ
前方の路面を十分詳細に識別できなければならないので、ブラックホール現象あるいは
ブラックフレーム現象などによって前方の路面がわからなくなることは危険。
このためトンネルの入口には適切な照明が必要。
ブラックホール現象を考慮した実験から得られたトンネルに接近する運転者の
眼の順応輝度の相対値(暗順応曲線)を示し、運転者がトンネルに近づくに
つれてその順応輝度は低下。
これは運転者の眼球内の散乱光の影響によるもので、運転者の視野内が徐々に
比較的暗いトンネル坑口で占められる面積が大きくなることで散乱光が減少し、
順応輝度が徐々に低下するでつ。
トンネル入口部の路面輝度はこの暗順応曲線に基づいて設定されているでつ。
また、実験から得られた運転者の眼の順応輝度と野外輝度との関係から、
順応輝度の代わりに計算や測定が簡便な野外輝度を用いて入口照明曲線が
設定されているでつ。
次にトンネル入口から流出する排気ガスによる光幕現象。
トンネルが長く、あるいは交通量が多くなると、トンネル内に自動車の排気ガスが充満し、
これが徐々にトンネル入口から外へ流出するでつ。
この流出した排気ガスに太陽の直射光が当たると排気ガスが明るく輝き、
トンネル内に接近しつつある自動車との間に光幕が生じ、
トンネル内がよく見えなくなるでつ。
このような光幕現象は、強制換気設備や、流出した排気ガスを太陽光が直接照明しないような
全長10m前後の遮光ルーバなどを設けることによって軽減できるでつ。
一般に高輝度の野外から暗いトンネル内へ進入した直後は、室内の照明が突然停電した
直後のようにトンネル内が極めて暗く見えることがあるでつ。
これをブラックアウト現象(停電現象)というでつ。
この原因はトンネル外の明るさに順応していた運転者の眼が、
比較的暗いトンネル内の明るさに順応するのに時間がかかるため。
このような現象によってトンネル内の詳細がわからなくなるため、
ブラックホール現象と同様に非常に危険。
人間の眼に絶えず一定の知覚力を維持させるという条件に対して、
許容し得る最も急速な視野輝度の低下率(はじめに順応していた輝度を100%として)と
観測時間との関係を求めた実験結果があるでつ。
トンネルを通過する自動車の交通量が増加するにつれ、トンネル内の排気ガスは増加。
トンネルが長く、排気ガスの換気が不完全であると、交通量が多くなるにつれて
排気ガスがトンネル内に充満し、視認性が低下。
トンネル内の排気ガスの濃度が高くなると、視認性が低下して、不快な環境になるでつ。
また、トンネル内装面の汚れも著しくなることから、一定以上の透過率を確保するために
トンネル内には換気設備が設置するでつ。
トンネル内の路面輝度の設計値は100mあたりの透過率も考慮して設定されるでつ。
トンネル内の灯具が不連続に取り付けられると、そのトンネルを通過する自動車の運転席は
光源の直下付近では明るく、その中間では暗くなるでつ。

自動車が走行するとこの明暗の繰り返しから一種のちらつきが生じ、不快に感じるでつ。
光の明暗の繰り返しにより不快な感じが生じるのは、特定の周波数であることが
明らかになっているでつ。
ちらつきによる不快感は、周波数が2.5Hzより低いか、25Hzより高い場合には問題とならず、
5~18Hzの間において大きくなるでつ。
トンネル照明の設計においては、このような不快な周波数をできるだけ避けるように
照明器具の設置間隔を設定する必要があるでつ。
ちらつきによる不快感は周波数だけでなく、明暗輝度比や明暗時間比などによっても影響され、
ちらつきサイクル中の明暗輝度比が少ないほど不快感は少なく、明暗輝度比が10以下の場合には、
不快な周波数の照明器具の設置間隔であっても問題はないでつ。
明暗の時間率で明るくなる時間が1サイクル中の25%を占める場合を中心にして、
それより大きく又は小さくなるほど不快感は減少するでつ。
昼間、運転者がトンネル内を走行してトンネル出口に近づくと、トンネル出口開口部を通して
野外が非常に明るく見え、その出口があたかも白い穴に見えるような現象が生じるでつ。
この時に出口付近にある障害物は明るい野外の輝度を背景とした黒いシルエットとなって見え、
その識別は容易であり特に問題ないでつ。
だけど、交通量が多くなって車頭間隔が短くなると別の問題が生じるでつ。
つまり、自車とトンネル出口までの間に2台以上の先行車がある場合、開口部が走行車に覆われない部分の
非常に高い野外輝度が一種のまぶしさを生じさせるでつ。
このため、先行する自動車はいずれも暗く見え、複数の例えば2台の車が一塊りのシルエットとなって見え、
先行車の存在が分かっても先行車と自分の車との間の距離を判断することができなくなり、
安全走行に十分な車頭間隔が得られず、危険な状態が起こるでつ。
この危険を防止するために先行車を識別でき、更に先行車との距離、速度差等を正確に知りえるだけの
照明を先行車群の背面に与えねばならず、出口部にこの目的のための照明を設置する必要があるでつ。
トンネル照明の種類は図7の構成例で示すように、基本照明、入口照明、出口照明に大別され、
それぞれの設置目的および設置場所は以下のとおり。
(1) 基本照明
トンネルを走行する運転者が、前方の障害物を視認するのに必要な明るさを与えるための基本的な照明で、
トンネル全長にわたって設置。
(2) 入口照明
昼間時に、トンネル入口部でトンネル内外の明るさの激しい差によって生ずる、見え方の低下を
防止するために基本照明を増強する照明で、トンネル入口部に設置。
(3) 出口照明(一方交通の場合のみ)
昼間時に、入口部と同様な理由でトンネルの出口部に設置するものと、夜間時、
照明を設置したトンネルから暗黒の接続道路に出る時に起こる、見え方の低下を防ぐために
トンネルの出口部の接続道路に設置するものがあるでつ。
(4) 停電時用照明
トンネル内部における停電時の危険を防止するために設ける照明で、一般的には基本照明の一部でまかなわれ、
その平均路面照度は基本照明の1/4~1/10以上とされているでつ。
トンネル照明の照明方式は…
①対称照明方式
道路軸に対して対称な配光を持つ照明器具を使用した、従来から用いられている照明方式。
路上の障害物や先行車の視認性、壁面輝度の確保など、所要の照明環境を実現するためのバランスのとれた照明方式。
照明器具の設置位置により次の2つに分類されるでつ。
(1) 側壁配置型
トンネルの天井側面に照明器具を設置し、反対側の車線に向けて照射する方式。
(2) 天井配置型
トンネル天井部に照明器具を設置し、その直下に向けて照射する照明方式。
設置された照明器具に近い壁面を積極的に照射することにより、壁面の輝度を高め視環境の改善を図るでつ。
対称照明方式は交通量、設計速度とも全般の条件に採用されているでつ。
②カウンタビーム方式
進行方向と向き合う方向に最大光度を持つ、非対称な配光の照明器具を使用した照明方式。
この照明方式により、次のような効果が期待できるでつ。
(a)同等の照度において、対称照明方式より高い路面輝度が得られるでつ。
(b)運転者に面する路上の障害物面への直射光の入射が少ないため、路面とのコントラストが増加し、視認性の向上が期待できるでつ。
(c)照明器具の位置・並びが視認しやすいため、対称照明方式に比べて視線誘導効果の向上が期待できるでつ。
(a)、(b)の効果は、コンクリート路面に比べて鏡面性の高いアスファルト路面において高くなるでつ。
一方、次のようなトンネルでは、カウンタービーム照明方式の採用が適さない場合があるでつ。
(a)太陽光の影響により、適切なコントラストが期待できないトンネル。
(b)交通量が多く、短い車間距離で連続走行する交通形態が予想されるトンネル。
(先行車の背面がその前を走行する車両の背面に重なり、先行車の認識が困難となるでつ)
(c)対面交通方式で入口照明区間が重複するようなトンネル。
カウンタービーム照明方式は、路面を背景にして認識することができる路上の障害物が主たる視対象物となる
トンネル入口部の照明に適しているでつ。
③プロビーム方式
進行方向に最大光度を持つ、非対称な配光の照明器具を使用した照明方式。
先行車が、トンネルに突入するとその背面の明るさは急激に低下し、視認が困難になることから、
追従する運転者に不安感を与えるでつ。
プロビーム照明方式は、先行車の背面を積極的に照射し、先行車の視認性の改善を図る方式で、
交通量が多く、運転者の視野の大部分が先行車で占められ、設計速度の高いトンネル入口部の照明に適しており、
明るさは、車間距離、野外輝度及び必要とする視認レベルによって決定されるでつ。
また、設計速度が高い場合やトンネル内に分合流部のあるトンネルの基本照明にも採用されているでつ。
設計には…
(1) トンネルの調査
照明の計画にあたっては、次のようなトンネルの諸状況を正しく把握することが必要。
(a)トンネル付近の環境
トンネル野外輝度、照明のレベル、出口照明または出口接続道路の照明などを決定するために、
トンネル付近の地形、方位、接続する道路の線形など。
(b)トンネルの構造
照明器具および光源の選択、照明器具の取り付け位置および照明率の算出のために、トンネル延長、
幅員の構成、断面の形状、建築限界、線形など。
(c)交通の状況
照明のレベル、光源の種類および保守率の決定などに必要な交通量、設計速度、一方交通か対面交通かなど。
(d)付帯設備の状況
電気配線設計、照明器材の決定のために、道路標識その他の設置場所や、電源の状態など。
(e)維持管理の状況
照明レベルの確保のために、トンネル内面のよごれの程度、清掃方法や回数など。
(2) 建築限界
道路上で車両や走行者の交通の安全を確認するために、ある一定幅、一定高さの範囲内に障害と
なるようなものはおいてはいけないという空間確保の限界があり、これを建築限界と呼び、照明設計を行う場合には
設置場所の十分な検討が必要。
「道路構造令」「高速自動車国道の構造基準令」に明記されている寸法に従い、一般に側壁上部隅角部に取り付ける場合は
路上4m以上、天井部に取り付ける場合は路上4.5m以上の位置に取り付けられるでつ。
(3) 光源
トンネル照明用光源の選定の要件としては、照明効果が適切に得られ経済的であること、さらに、維持保守に際しては、
ランプの互換性や入手が容易であることなどがあげられるでつ。
トンネル照明用光源としては、一般的には高圧ナトリウム灯、蛍光灯、メタルハライド灯、セラミックメタルハライド灯、
低圧ナトリウム灯、蛍光水銀灯、発光ダイオードなどがあるでつ。
これらの光源は、光束、効率、寿命など光源として具備すべき特性が安定しており、トンネルという使用場所の環境に
適合しているでつ。
光源の選定にあたっては、光学的および電気的特性をよく検討するとともに、設置場所の環境条件、経済性、
見え方および快適性などについても十分検討して選ぶことが必要。
(4) 照明器具
トンネル照明器具は、使用する光源の光束を効率よくトンネル内に照射するとともに、ランプを有害な煤煙や水から保護し、
長くその性能を発揮させるためのもので、光源の種類やワット、取り付け場所、取り付け方法などによってその形状は異なるでつ。
トンネルでの環境条件は、一般の明り部の道路より厳しいものであり、自動車の排気ガスにさらされる度合も大きく、
ところによっては地下水の漏水に侵されたり、また、清掃は水の噴流による場合もあるので、その構造はこれらの条件に
耐えうる材料を使用した防噴流構造。
器具の配光特性は、光を有効かつ適切に利用できる機能第一とした構造であり、光束は路面ばかりでなく、
天井面、壁面にも適切に配分されて、良好な照明環境を作り出すようなものであることが必要。
照明器具の取り付けは、一般にトンネルの両側壁上部(隅角部)または天井部であり、
トンネル内の仕上に応じて埋込型と直付型とに大別され、それぞれトンネルの形状や構造によって使い分けられるでつ。
(5) 輝度と照度の関係
平均輝度と平均照度の関係は、配光・配列・配置・路面の反射特性及び経年変化等によって異なるでつが、
照明条件として輝度パターンが重なるよう灯具を配置したときに、現行では、
コンクリート舗装 :13 lx/cd/㎡
アスファルト舗装 :18 lx/cd/㎡
の平均照度換算係数により平均路面輝度から平均路面照度を求めることができるでつ。
(道路照明の場合とは値が異なるでつ)
基本照明は、運転者がトンネル内を走行している間の安全性や快適性を確保するために平均路面輝度、
輝度均斉度、視機能低下グレアおよび誘導性の4つの性能指標が規定され、これらを満足するように
照明設計を行うでつ。
また、壁面輝度、灯具配列およびちらつきによる不快感への影響なども考慮する必要があるでつ。
基本照明は、トンネル内の運転者が安全かつ快適に走行できるように、道路上にある障害物を走行速度に
応じた視距から判別、視認できる路面輝度を確保することが必要。
昼間の基本照明の平均路面輝度と、それに対応する照度は設計速度によって基準としているでつ。
トンネル内の透過率が100m当り50%以上の場合に、通常のトンネルに必要な平均路面輝度を設計速度別に
示したもの。
このため、交通量が少なく透過率が高い場合には平均路面輝度を低減できるとしているでつ。
つまり、トンネル1本当りの日交通量が10,000台/日未満の場合は、基本照明の平均路面輝度を
1/2まで低下させることができるでつ。
夜間の場合も同様の考え方ができ、平均路面輝度を低下させることができるでつが、
その場合でも平均路面輝度は0.7cd/㎡未満としてはならないことになっているでつ。
また、トンネル内走行時間が135秒以後の部分の平均路面輝度は、平均輝度と照度値の
65%(設計速度が80km/hの場合、約3.0cd/㎡)まで下げることができるでつ。
(2) 輝度均斉度
路上障害物の視認性は、路面の明るさだけでなく、その均一性にも影響を受けることから、
明るさのムラの少ない路面にする必要があるでつ。
そのため総合均斉度0.4以上とする必要があるでつ。
また、視覚的な不快感を緩和するために車線軸均斉度0.6以上を確保することが望ましいとされているでつ。
灯具配列は、トンネル照明の灯具配列には、向合せ配列、千鳥配列、中央配列および片側配列の4種類があるでつ。
向合せ配列は輝度均斉度や誘導性が高く、平均路面輝度が高い条件のトンネルに採用されるでつ。
千鳥配列は、交通量が少ないことから平均路面輝度を低減するようなトンネルに採用されるでつが、
設置間隔が長くなると壁面の輝度均斉度が低下し、快適性が損なわれる可能性があることから
注意する必要があるでつ。
中央配列は、交通量が少なく、トンネル断面の小さな条件において採用されるでつ。
車道上に照明器具が配置されることから、安全性を考慮し、維持管理に十分配慮する必要があるでつ。
片側配列は比較的灯具間隔が短くなるため直線のトンネルでは誘導性が高くなるでつが、
曲線のあるトンネルでは、曲線の外縁に灯具を配列するなどの考慮が必要となるでつ。
入口照明は、昼間のトンネルの入口部(トンネル内部)には、明るい野外に順応した眼で
入口部にある障害物を視認できるように、野外輝度と設計速度に応じた入口照明を
設置しなければならないでつ。
ただし、延長が50m未満で出口部の見通せるトンネルや、周辺の状況で眼の順応輝度が
非常に低い場合はその限りではないでつ。
また、夜間時にはトンネルの入口付近(トンネル外部)に、トンネル入口を
明示するような入口部表示灯(坑外灯)を設けるでつ。

こりは、トンネル設計者は気になるところ。
どうしても見てしまうでつ。
野外輝度は、トンネル坑口から150m離れた位置において路上1.5mから
測定されたトンネル坑口を中心とした20度視野内の平均輝度。
トンネルの入口部には、トンネルおよび接続道路の線形とトンネルの長さ、
設計速度、交通量などを考慮して、これに最も適した入口照明を設けます。
入口照明曲線の形状は図15のように境界部、移行部、緩和部の3つの部分から
構成されるでつ。
(a)境界部
境界部は、トンネル入口直後にある障害物を、設計速度に対応した視距から見るための必要な背景を与える部分。
(b)移行部
移行部は、自動車が境界部を過ぎた位置から進行して、トンネルに進入する寸前までの間に、
視距だけ前方にある障害物を見るために必要な輝度を与える部分。
トンネルに近づくにしたがって、運転者の目の順応輝度は漸減し、背景の所要輝度も減少するため、
曲線は漸減する形となるでつ。
境界部および移行部は、ブラックホール現象を除去するための部分。
(c)緩和部
緩和部は、自動車がトンネルに進入した後に、視距の分だけ前方にある障害物を見るために
必要な背景輝度を与える部分。
自動車の進行とともに、暗順応曲線にしたがって必要な輝度も減少し、
やがて基本照明に接続するようになっているでつ。
出口照明は、昼間、運転者がトンネル内を走行してトンネルの出口付近に近づくと、
出口開口部が非常に明るく見え、入口とは逆に“白い穴”に見えるような現象が生じるでつ。
このとき、交通量が多くなり、車頭間隔が短くなるでつと、大きな自動車の背後に追従する
自動車や障害物の見え方が低下。
これを補うために、先行車の背面を明るくするためにトンネル出口部付近に増灯照明を設置するでつ。
また、夜間においては、逆に明るいトンネルから暗い野外に出るときに、
丁度昼間の入口で生じたような現象が生じるでつ。
このため坑外接続道路の出口側に道路灯による緩和照明を設ける必要が生じるでつ。
(1) 昼間における出口照明
・設計速度が80km/h以上であり
・出口部の野外輝度が5,000cd/㎡以上であり
・トンネル延長が400m以上である
上記の場合には、出口部に80mの長さにわたって出口照明を設置するでつ。
出口照明の鉛直面照度は、トンネル内から見た野外輝度が5,000cd/㎡の場合は600 lxのように、
野外輝度の12%の値とするでつ。
(2)夜間時における出口側の坑外接続道路の照明
夜間のトンネル出口に差しかかった時にその接続道路に照明設備が設置されていないと
線形や障害物の視認性が得られない恐れがあることから、必要に応じて道路照明設備を
設置することとされているでつ。
停電照明は、トンネル内で突然停電に遭遇するでつと、前方を走る自動車との車頭間隔が
十分にないと追突の恐れがあったり、また幅員の狭いトンネルで、対面交通の場合は対向車に
衝突する危険性が生じるでつ。
このような危険な状態を未然に防止し、かつ自動車運転者に心理的な不安を与えないために、
延長200m以上のトンネルには停電時用照明の設置が必要。
ただし、延長200m未満のトンネルであっても出口が見通せない場合は停電時用照明の設置が
望ましいとされているでつ。
停電時用照明の点灯方式には、一般的には次の3方式があるでつ。
1)蓄電池とサイリスタ・インバータを組み合せた無停電電源装置による方式
2)自家発電設備などの予備電源による方式
3)電池内蔵型停電時用器具による方式
これらの3方式は、それぞれトンネル付帯設備との関連、停電時用照明の負荷容量の大小、
維持保守面、経済性などによって適宜選定されることが必要。
トンネルを走行するのに必要な設計を施してるから、違和感なく走れるでつ。
一般の道路照明とは異なったいくつかの特色をもっているでつ。
したがって、照明計画にあたっては路面の輝度などの基準を考慮して、設計速度、交通量、
線形などに応じて必要とされる安全性と快適性を得るために、照明の内容を入念に
検討しなければならないでつ。

トンネル照明については、国際照明委員会において国際的な推奨基準が勧告されてて、
それは比較的ハイレベルなものとなっているでつ。
国内では、高速道路調査会から“トンネル照明設計指針” 、日本道路協会から
“道路照明施設設置基準・同解説” などが発行されてて、これらの中でトンネル照明に
ついての基準が定められているでつ。
道路トンネルに照明設備が必要な理由として、次のことが考えられるでつ。
(a)道路トンネルにおける交通輸送機能の向上
(b)トンネル内部の特殊な周囲条件による交通機能の低下の軽減
(c)トンネル内または外部への移動時における運転者の視覚の平衡状態の維持
(d)トンネル内における空気の汚濁による透過率低下のもたらす交通障害の防止
昼間、野外の道路を走行してきた自動車の運転者は、トンネルに近づき、やがてトンネルに進入し、
トンネルを通過した後、再び野外の道路に出るまでの間にいくつかの視覚的な現象を経験。
その時に生じるトンネル内外の視覚条件に応じた現象について…
まずは、ブラックホール現象とブラックフレーム現象。
昼間、自動車の運転者が照明設備の不十分なトンネルに接近しながらトンネル内を見ると、
トンネル出口が見えないような長いトンネルではトンネル内が暗黒の穴に見え、
すでにトンネル出口が見えているような短いトンネルでは暗い枠のように見えるでつ。
このようにトンネルが暗黒の穴に見えることをブラックホール現象、暗い枠に見えることを
ブラックフレーム現象というでつ。
このような現象によって、運転者はいずれもトンネル内の障害物の有無や
トンネル内の状況などを知覚することができなくなるでつ。
自動車が安全に走行するためには、走行速度に応じた距離(安全停止距離など)だけ
前方の路面を十分詳細に識別できなければならないので、ブラックホール現象あるいは
ブラックフレーム現象などによって前方の路面がわからなくなることは危険。
このためトンネルの入口には適切な照明が必要。
ブラックホール現象を考慮した実験から得られたトンネルに接近する運転者の
眼の順応輝度の相対値(暗順応曲線)を示し、運転者がトンネルに近づくに
つれてその順応輝度は低下。
これは運転者の眼球内の散乱光の影響によるもので、運転者の視野内が徐々に
比較的暗いトンネル坑口で占められる面積が大きくなることで散乱光が減少し、
順応輝度が徐々に低下するでつ。
トンネル入口部の路面輝度はこの暗順応曲線に基づいて設定されているでつ。
また、実験から得られた運転者の眼の順応輝度と野外輝度との関係から、
順応輝度の代わりに計算や測定が簡便な野外輝度を用いて入口照明曲線が
設定されているでつ。
次にトンネル入口から流出する排気ガスによる光幕現象。
トンネルが長く、あるいは交通量が多くなると、トンネル内に自動車の排気ガスが充満し、
これが徐々にトンネル入口から外へ流出するでつ。
この流出した排気ガスに太陽の直射光が当たると排気ガスが明るく輝き、
トンネル内に接近しつつある自動車との間に光幕が生じ、
トンネル内がよく見えなくなるでつ。
このような光幕現象は、強制換気設備や、流出した排気ガスを太陽光が直接照明しないような
全長10m前後の遮光ルーバなどを設けることによって軽減できるでつ。
一般に高輝度の野外から暗いトンネル内へ進入した直後は、室内の照明が突然停電した
直後のようにトンネル内が極めて暗く見えることがあるでつ。
これをブラックアウト現象(停電現象)というでつ。
この原因はトンネル外の明るさに順応していた運転者の眼が、
比較的暗いトンネル内の明るさに順応するのに時間がかかるため。
このような現象によってトンネル内の詳細がわからなくなるため、
ブラックホール現象と同様に非常に危険。
人間の眼に絶えず一定の知覚力を維持させるという条件に対して、
許容し得る最も急速な視野輝度の低下率(はじめに順応していた輝度を100%として)と
観測時間との関係を求めた実験結果があるでつ。
トンネルを通過する自動車の交通量が増加するにつれ、トンネル内の排気ガスは増加。
トンネルが長く、排気ガスの換気が不完全であると、交通量が多くなるにつれて
排気ガスがトンネル内に充満し、視認性が低下。
トンネル内の排気ガスの濃度が高くなると、視認性が低下して、不快な環境になるでつ。
また、トンネル内装面の汚れも著しくなることから、一定以上の透過率を確保するために
トンネル内には換気設備が設置するでつ。
トンネル内の路面輝度の設計値は100mあたりの透過率も考慮して設定されるでつ。
トンネル内の灯具が不連続に取り付けられると、そのトンネルを通過する自動車の運転席は
光源の直下付近では明るく、その中間では暗くなるでつ。

自動車が走行するとこの明暗の繰り返しから一種のちらつきが生じ、不快に感じるでつ。
光の明暗の繰り返しにより不快な感じが生じるのは、特定の周波数であることが
明らかになっているでつ。
ちらつきによる不快感は、周波数が2.5Hzより低いか、25Hzより高い場合には問題とならず、
5~18Hzの間において大きくなるでつ。
トンネル照明の設計においては、このような不快な周波数をできるだけ避けるように
照明器具の設置間隔を設定する必要があるでつ。
ちらつきによる不快感は周波数だけでなく、明暗輝度比や明暗時間比などによっても影響され、
ちらつきサイクル中の明暗輝度比が少ないほど不快感は少なく、明暗輝度比が10以下の場合には、
不快な周波数の照明器具の設置間隔であっても問題はないでつ。
明暗の時間率で明るくなる時間が1サイクル中の25%を占める場合を中心にして、
それより大きく又は小さくなるほど不快感は減少するでつ。
昼間、運転者がトンネル内を走行してトンネル出口に近づくと、トンネル出口開口部を通して
野外が非常に明るく見え、その出口があたかも白い穴に見えるような現象が生じるでつ。
この時に出口付近にある障害物は明るい野外の輝度を背景とした黒いシルエットとなって見え、
その識別は容易であり特に問題ないでつ。
だけど、交通量が多くなって車頭間隔が短くなると別の問題が生じるでつ。
つまり、自車とトンネル出口までの間に2台以上の先行車がある場合、開口部が走行車に覆われない部分の
非常に高い野外輝度が一種のまぶしさを生じさせるでつ。
このため、先行する自動車はいずれも暗く見え、複数の例えば2台の車が一塊りのシルエットとなって見え、
先行車の存在が分かっても先行車と自分の車との間の距離を判断することができなくなり、
安全走行に十分な車頭間隔が得られず、危険な状態が起こるでつ。
この危険を防止するために先行車を識別でき、更に先行車との距離、速度差等を正確に知りえるだけの
照明を先行車群の背面に与えねばならず、出口部にこの目的のための照明を設置する必要があるでつ。
トンネル照明の種類は図7の構成例で示すように、基本照明、入口照明、出口照明に大別され、
それぞれの設置目的および設置場所は以下のとおり。
(1) 基本照明
トンネルを走行する運転者が、前方の障害物を視認するのに必要な明るさを与えるための基本的な照明で、
トンネル全長にわたって設置。
(2) 入口照明
昼間時に、トンネル入口部でトンネル内外の明るさの激しい差によって生ずる、見え方の低下を
防止するために基本照明を増強する照明で、トンネル入口部に設置。
(3) 出口照明(一方交通の場合のみ)
昼間時に、入口部と同様な理由でトンネルの出口部に設置するものと、夜間時、
照明を設置したトンネルから暗黒の接続道路に出る時に起こる、見え方の低下を防ぐために
トンネルの出口部の接続道路に設置するものがあるでつ。
(4) 停電時用照明
トンネル内部における停電時の危険を防止するために設ける照明で、一般的には基本照明の一部でまかなわれ、
その平均路面照度は基本照明の1/4~1/10以上とされているでつ。
トンネル照明の照明方式は…
①対称照明方式
道路軸に対して対称な配光を持つ照明器具を使用した、従来から用いられている照明方式。
路上の障害物や先行車の視認性、壁面輝度の確保など、所要の照明環境を実現するためのバランスのとれた照明方式。
照明器具の設置位置により次の2つに分類されるでつ。
(1) 側壁配置型
トンネルの天井側面に照明器具を設置し、反対側の車線に向けて照射する方式。
(2) 天井配置型
トンネル天井部に照明器具を設置し、その直下に向けて照射する照明方式。
設置された照明器具に近い壁面を積極的に照射することにより、壁面の輝度を高め視環境の改善を図るでつ。
対称照明方式は交通量、設計速度とも全般の条件に採用されているでつ。
②カウンタビーム方式
進行方向と向き合う方向に最大光度を持つ、非対称な配光の照明器具を使用した照明方式。
この照明方式により、次のような効果が期待できるでつ。
(a)同等の照度において、対称照明方式より高い路面輝度が得られるでつ。
(b)運転者に面する路上の障害物面への直射光の入射が少ないため、路面とのコントラストが増加し、視認性の向上が期待できるでつ。
(c)照明器具の位置・並びが視認しやすいため、対称照明方式に比べて視線誘導効果の向上が期待できるでつ。
(a)、(b)の効果は、コンクリート路面に比べて鏡面性の高いアスファルト路面において高くなるでつ。
一方、次のようなトンネルでは、カウンタービーム照明方式の採用が適さない場合があるでつ。
(a)太陽光の影響により、適切なコントラストが期待できないトンネル。
(b)交通量が多く、短い車間距離で連続走行する交通形態が予想されるトンネル。
(先行車の背面がその前を走行する車両の背面に重なり、先行車の認識が困難となるでつ)
(c)対面交通方式で入口照明区間が重複するようなトンネル。
カウンタービーム照明方式は、路面を背景にして認識することができる路上の障害物が主たる視対象物となる
トンネル入口部の照明に適しているでつ。
③プロビーム方式
進行方向に最大光度を持つ、非対称な配光の照明器具を使用した照明方式。
先行車が、トンネルに突入するとその背面の明るさは急激に低下し、視認が困難になることから、
追従する運転者に不安感を与えるでつ。
プロビーム照明方式は、先行車の背面を積極的に照射し、先行車の視認性の改善を図る方式で、
交通量が多く、運転者の視野の大部分が先行車で占められ、設計速度の高いトンネル入口部の照明に適しており、
明るさは、車間距離、野外輝度及び必要とする視認レベルによって決定されるでつ。
また、設計速度が高い場合やトンネル内に分合流部のあるトンネルの基本照明にも採用されているでつ。
設計には…
(1) トンネルの調査
照明の計画にあたっては、次のようなトンネルの諸状況を正しく把握することが必要。
(a)トンネル付近の環境
トンネル野外輝度、照明のレベル、出口照明または出口接続道路の照明などを決定するために、
トンネル付近の地形、方位、接続する道路の線形など。
(b)トンネルの構造
照明器具および光源の選択、照明器具の取り付け位置および照明率の算出のために、トンネル延長、
幅員の構成、断面の形状、建築限界、線形など。
(c)交通の状況
照明のレベル、光源の種類および保守率の決定などに必要な交通量、設計速度、一方交通か対面交通かなど。
(d)付帯設備の状況
電気配線設計、照明器材の決定のために、道路標識その他の設置場所や、電源の状態など。
(e)維持管理の状況
照明レベルの確保のために、トンネル内面のよごれの程度、清掃方法や回数など。
(2) 建築限界
道路上で車両や走行者の交通の安全を確認するために、ある一定幅、一定高さの範囲内に障害と
なるようなものはおいてはいけないという空間確保の限界があり、これを建築限界と呼び、照明設計を行う場合には
設置場所の十分な検討が必要。
「道路構造令」「高速自動車国道の構造基準令」に明記されている寸法に従い、一般に側壁上部隅角部に取り付ける場合は
路上4m以上、天井部に取り付ける場合は路上4.5m以上の位置に取り付けられるでつ。
(3) 光源
トンネル照明用光源の選定の要件としては、照明効果が適切に得られ経済的であること、さらに、維持保守に際しては、
ランプの互換性や入手が容易であることなどがあげられるでつ。
トンネル照明用光源としては、一般的には高圧ナトリウム灯、蛍光灯、メタルハライド灯、セラミックメタルハライド灯、
低圧ナトリウム灯、蛍光水銀灯、発光ダイオードなどがあるでつ。
これらの光源は、光束、効率、寿命など光源として具備すべき特性が安定しており、トンネルという使用場所の環境に
適合しているでつ。
光源の選定にあたっては、光学的および電気的特性をよく検討するとともに、設置場所の環境条件、経済性、
見え方および快適性などについても十分検討して選ぶことが必要。
(4) 照明器具
トンネル照明器具は、使用する光源の光束を効率よくトンネル内に照射するとともに、ランプを有害な煤煙や水から保護し、
長くその性能を発揮させるためのもので、光源の種類やワット、取り付け場所、取り付け方法などによってその形状は異なるでつ。
トンネルでの環境条件は、一般の明り部の道路より厳しいものであり、自動車の排気ガスにさらされる度合も大きく、
ところによっては地下水の漏水に侵されたり、また、清掃は水の噴流による場合もあるので、その構造はこれらの条件に
耐えうる材料を使用した防噴流構造。
器具の配光特性は、光を有効かつ適切に利用できる機能第一とした構造であり、光束は路面ばかりでなく、
天井面、壁面にも適切に配分されて、良好な照明環境を作り出すようなものであることが必要。
照明器具の取り付けは、一般にトンネルの両側壁上部(隅角部)または天井部であり、
トンネル内の仕上に応じて埋込型と直付型とに大別され、それぞれトンネルの形状や構造によって使い分けられるでつ。
(5) 輝度と照度の関係
平均輝度と平均照度の関係は、配光・配列・配置・路面の反射特性及び経年変化等によって異なるでつが、
照明条件として輝度パターンが重なるよう灯具を配置したときに、現行では、
コンクリート舗装 :13 lx/cd/㎡
アスファルト舗装 :18 lx/cd/㎡
の平均照度換算係数により平均路面輝度から平均路面照度を求めることができるでつ。
(道路照明の場合とは値が異なるでつ)
基本照明は、運転者がトンネル内を走行している間の安全性や快適性を確保するために平均路面輝度、
輝度均斉度、視機能低下グレアおよび誘導性の4つの性能指標が規定され、これらを満足するように
照明設計を行うでつ。
また、壁面輝度、灯具配列およびちらつきによる不快感への影響なども考慮する必要があるでつ。
基本照明は、トンネル内の運転者が安全かつ快適に走行できるように、道路上にある障害物を走行速度に
応じた視距から判別、視認できる路面輝度を確保することが必要。
昼間の基本照明の平均路面輝度と、それに対応する照度は設計速度によって基準としているでつ。
トンネル内の透過率が100m当り50%以上の場合に、通常のトンネルに必要な平均路面輝度を設計速度別に
示したもの。
このため、交通量が少なく透過率が高い場合には平均路面輝度を低減できるとしているでつ。
つまり、トンネル1本当りの日交通量が10,000台/日未満の場合は、基本照明の平均路面輝度を
1/2まで低下させることができるでつ。
夜間の場合も同様の考え方ができ、平均路面輝度を低下させることができるでつが、
その場合でも平均路面輝度は0.7cd/㎡未満としてはならないことになっているでつ。
また、トンネル内走行時間が135秒以後の部分の平均路面輝度は、平均輝度と照度値の
65%(設計速度が80km/hの場合、約3.0cd/㎡)まで下げることができるでつ。
(2) 輝度均斉度
路上障害物の視認性は、路面の明るさだけでなく、その均一性にも影響を受けることから、
明るさのムラの少ない路面にする必要があるでつ。
そのため総合均斉度0.4以上とする必要があるでつ。
また、視覚的な不快感を緩和するために車線軸均斉度0.6以上を確保することが望ましいとされているでつ。
灯具配列は、トンネル照明の灯具配列には、向合せ配列、千鳥配列、中央配列および片側配列の4種類があるでつ。
向合せ配列は輝度均斉度や誘導性が高く、平均路面輝度が高い条件のトンネルに採用されるでつ。
千鳥配列は、交通量が少ないことから平均路面輝度を低減するようなトンネルに採用されるでつが、
設置間隔が長くなると壁面の輝度均斉度が低下し、快適性が損なわれる可能性があることから
注意する必要があるでつ。
中央配列は、交通量が少なく、トンネル断面の小さな条件において採用されるでつ。
車道上に照明器具が配置されることから、安全性を考慮し、維持管理に十分配慮する必要があるでつ。
片側配列は比較的灯具間隔が短くなるため直線のトンネルでは誘導性が高くなるでつが、
曲線のあるトンネルでは、曲線の外縁に灯具を配列するなどの考慮が必要となるでつ。
入口照明は、昼間のトンネルの入口部(トンネル内部)には、明るい野外に順応した眼で
入口部にある障害物を視認できるように、野外輝度と設計速度に応じた入口照明を
設置しなければならないでつ。
ただし、延長が50m未満で出口部の見通せるトンネルや、周辺の状況で眼の順応輝度が
非常に低い場合はその限りではないでつ。
また、夜間時にはトンネルの入口付近(トンネル外部)に、トンネル入口を
明示するような入口部表示灯(坑外灯)を設けるでつ。

こりは、トンネル設計者は気になるところ。
どうしても見てしまうでつ。
野外輝度は、トンネル坑口から150m離れた位置において路上1.5mから
測定されたトンネル坑口を中心とした20度視野内の平均輝度。
トンネルの入口部には、トンネルおよび接続道路の線形とトンネルの長さ、
設計速度、交通量などを考慮して、これに最も適した入口照明を設けます。
入口照明曲線の形状は図15のように境界部、移行部、緩和部の3つの部分から
構成されるでつ。
(a)境界部
境界部は、トンネル入口直後にある障害物を、設計速度に対応した視距から見るための必要な背景を与える部分。
(b)移行部
移行部は、自動車が境界部を過ぎた位置から進行して、トンネルに進入する寸前までの間に、
視距だけ前方にある障害物を見るために必要な輝度を与える部分。
トンネルに近づくにしたがって、運転者の目の順応輝度は漸減し、背景の所要輝度も減少するため、
曲線は漸減する形となるでつ。
境界部および移行部は、ブラックホール現象を除去するための部分。
(c)緩和部
緩和部は、自動車がトンネルに進入した後に、視距の分だけ前方にある障害物を見るために
必要な背景輝度を与える部分。
自動車の進行とともに、暗順応曲線にしたがって必要な輝度も減少し、
やがて基本照明に接続するようになっているでつ。
出口照明は、昼間、運転者がトンネル内を走行してトンネルの出口付近に近づくと、
出口開口部が非常に明るく見え、入口とは逆に“白い穴”に見えるような現象が生じるでつ。
このとき、交通量が多くなり、車頭間隔が短くなるでつと、大きな自動車の背後に追従する
自動車や障害物の見え方が低下。
これを補うために、先行車の背面を明るくするためにトンネル出口部付近に増灯照明を設置するでつ。
また、夜間においては、逆に明るいトンネルから暗い野外に出るときに、
丁度昼間の入口で生じたような現象が生じるでつ。
このため坑外接続道路の出口側に道路灯による緩和照明を設ける必要が生じるでつ。
(1) 昼間における出口照明
・設計速度が80km/h以上であり
・出口部の野外輝度が5,000cd/㎡以上であり
・トンネル延長が400m以上である
上記の場合には、出口部に80mの長さにわたって出口照明を設置するでつ。
出口照明の鉛直面照度は、トンネル内から見た野外輝度が5,000cd/㎡の場合は600 lxのように、
野外輝度の12%の値とするでつ。
(2)夜間時における出口側の坑外接続道路の照明
夜間のトンネル出口に差しかかった時にその接続道路に照明設備が設置されていないと
線形や障害物の視認性が得られない恐れがあることから、必要に応じて道路照明設備を
設置することとされているでつ。
停電照明は、トンネル内で突然停電に遭遇するでつと、前方を走る自動車との車頭間隔が
十分にないと追突の恐れがあったり、また幅員の狭いトンネルで、対面交通の場合は対向車に
衝突する危険性が生じるでつ。
このような危険な状態を未然に防止し、かつ自動車運転者に心理的な不安を与えないために、
延長200m以上のトンネルには停電時用照明の設置が必要。
ただし、延長200m未満のトンネルであっても出口が見通せない場合は停電時用照明の設置が
望ましいとされているでつ。
停電時用照明の点灯方式には、一般的には次の3方式があるでつ。
1)蓄電池とサイリスタ・インバータを組み合せた無停電電源装置による方式
2)自家発電設備などの予備電源による方式
3)電池内蔵型停電時用器具による方式
これらの3方式は、それぞれトンネル付帯設備との関連、停電時用照明の負荷容量の大小、
維持保守面、経済性などによって適宜選定されることが必要。
トンネルを走行するのに必要な設計を施してるから、違和感なく走れるでつ。